横 岳


                          2013年6月10日


  今年のツクモグサ観察は中旬に八ヶ岳に行こうと決めていた。ところが梅雨入りしたのに晴天
 と高温が続いており、この分だと中旬では見ごろが過ぎてしまうことが考えられた。
  そこで晴れ間が期待できる9日に家を出て行者小屋にテン泊することにした。


  行者小屋のテン場は10張程度のテントが張られていたが、ほとんどが単独者であった。夕焼けが素晴らし
 かったので、明日の天気を期待したが、夜空に星はまったく見えなかった。

     朝起きて、あーちゃんの膝の具合が思わし
  くないので、単独で花を見に行くことになっ
  た。

   地蔵尾根から横岳に行って引き返し、赤岳
  から文三郎尾根を下りてくることにした。

   地蔵の頭までは45分で着いてしまった。
   普通のペースで歩いているだけだったが、
  休憩を取らない分、速いのかな。

   さっそくコメバツガザクラが現れた。
    コメバツガザクラ
     地蔵の頭では少し風が吹いていた。

   天気は曇りであるが視界は割合よく、富士
  山も南アルプスの甲斐駒や仙丈なども見えた
  が、北アルプスは見えなかった。

   初夏の早い時期に咲くウラシマツツジやイ
  ワウメも咲いていた。
  ウラシマツツジ 
       ちょうど咲き始めたばかりのチョウノスケ
    ソウとハクサンイチゲが見られた。

     チョウノスケソウは横岳までの間のあちこ
    ちで特徴である小判型の葉が見られたが、そ
    こに見られたのは多くがまだ蕾だった。

     ハクサンイチゲはここでは岩場にあるため
    か、株全体の大きさが小さい。過酷な環境の
    中で生き抜いている感じがした。
     咲き始めの清楚な花が見られた。
  イワウメ
 
  チョウノスケソウ ハクサンイチゲ
     ○○ナズナと呼ばれているアブラナ科の高
  山植物もいくつか見られた。

   アブラナ科の花は花弁が4枚でそれが十字
  架のように配置されており、ナンブイヌナズ
  ナを除いてみんな白色である。花を見ただけ
  では名前を確定できない。

   キタダケナズナ。根生葉がロゼット状で葉
  に毛が生えている。南アルプスの北岳に見ら
  れるがここ八ヶ岳にもある。

   クモイナズナ。葉が長い楕円形で鋸歯があ
  り、切れ込みは結構深い。

   ミヤマタネツケバナ。葉が小さな楕円形。
  この花はもう種をつけている株もあり、種は
  ハタザオの種の形をしているのですぐわかる。

   ナズナは種はぺんぺん草の種の形であるが、
  今の時期にまだ種はできていなかった。
  キタダケナズナ
 
  クモマナズナ  ミヤマタネツケバナ 
     イワヒゲとキバナシャクナゲも見られた。

   イワヒゲは一か所だけしか確認できなかっ
  た。

   キバナシャクナゲはあちこちで見られたが、
  これも咲き始めという状態だった。
  イワヒゲ
       オヤマノエンドウの紫色、ミヤマキンバイ
    の黄色はこの時期の花々が白色が多い中で彩
    りを添えてくれる。

     オヤマノエンドウはかなりの分布で見られ、
    また見ごろだった。

     ミヤマキンバイはまだほんの咲き始めだっ
    た。

     ウルップソウもあったが、薄紫の花が見ら
    れるにはもう少し時間が必要だった。
  キバナシャクナゲ
 
  オヤマノエンドウ   ウルップソウ
     日ノ岳付近からツクモグサが見られだした。

   横岳(八ヶ岳)はツクモグサが最も手軽に
  みられる山である。また、数もかなり多く咲
  いている山でもある。

   全体では終盤の状態だった。

   閉じている状態のほうがこの花らしいとい
  う人もいるが、六枚の花弁がきれいに開いて
  いる状態のほうが好きだ。

    ツクモグサ 
 
  ツクモグサ  ツクモグサ 
 
    ピークハンターではないので、花だけ見れば目的を達成するが、折角来たのだから引き返して
   赤岳に向かった。

    地蔵の頭から赤岳までの道には、キバナシャクナゲとミヤマタネツケバナはいくつか見られたが、
   ほかにはオヤマノエンドウが一株だけだった。
    
   
   
     テン場に戻って少し早い昼食を食べ、南沢
  をおりて美濃戸に向かった。

   美濃戸近くのホテイラン自生地で久しぶり
  にホテイランを堪能して帰ってきた。
  ホテイラン

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