鷲羽岳


                       2023年8月1日〜3日


    黒部川源流の山、鷲羽岳を訪れた。北アルプス最深部の山の一つとして以前から行って
  みたい山だった。当初は双六小屋2泊で行くつもりだったが、一昨年暮れにNHKBSで放映
  された「黒部の山賊」を見て、三俣山荘に是非泊まってみたくなった。
      
  車を持っていたころは新穂高までは前日に入っていたが、家から約320キロを一人で運転することは
 考えられない。そこで夜行の登山バスを利用することにした。これも15年ぶりだったが、明け方に少し
 眠れただけだった。

   ≪1日目  
     新穂高には6時15分頃に着いた。

   食事をして登山計画を出し、出発する。

   ポツポツと雨が降っているがたいしたこと
  はない。今日の行程を考えるといつまで曇っ
  ていてくれるかだ。

   ここのルートは7年前に歩いているので、
  まだ記憶がはっきりしている。

   わさび平小屋まで1時間ちょっとの間に、
  オオウバユリの残り花、タチギボウシ、ソバ
  ナが見られた。
    オオウバユリ
       途中、期待を裏切って青空が出てきた。笠
    新道のそばに水場があり、ここで補給したが
    プラティパスには補給しなかった。

     小池新道を歩く。ここの道は登山者にとっ
    て本当にありがたい道だ。石の置き場が、小
    刻みに足が置けるようになっているからで、
    特に下りでは、足を置きたい位置に石が既に
    置かれているという具合だ。

     新道を登り始めて気温も上がり、汗が噴き
    出す。秩父沢で水の補給を余儀なくされた。

     焼岳が後方に見え、ニッコウキスゲやハク
    サンフウロなどが見られるようになった。
  ソバナ
 
  焼 岳 ニッコウキスゲ
       イタドリが原やシシウドが原を通るころに
    はさらに相当な汗。ただ、ミヤマシシウドの
    咲いているのは少なく、ハクサンフウロのほ
    かに花が見られない。

     たまに少しの水平道があるほかは、急登で
    はないが、適度な傾斜の登りが続く。

     ミヤマシシウドや大きな株のクルマユリが
    見られ、「鏡平へあと5分」の記述が見られ
    た。
  ハクサンフウロ
 
  ミヤマシシウド クルマユリ
     鏡池のベンチには多くの人がいて、池越し
  の槍ヶ岳を写していた。

   相変わらずここの景色は絶景の一つである
  が、先日テレビで山岳写真家の西田省三さん
  が、ここからドローンを飛ばして写した映像
  を見ることができた。今はドローン全盛で、
  自分の目では見られない絶景が見られるのが
  ありがたい。
  鏡池越しの槍ヶ岳
     たつさんはおなかがすいたのとウェアが汗
  びっしょりで気持ち悪いので、鏡池の景色は
  そうそうにしてすぐ先の鏡平小屋に向かった。

   ここのトイレを借りて、上衣だけを着替え、
  ベンチでゆっくりと休憩しながら昼食とした。

   この小屋の名物はかき氷で多くの人が注文
  していた。たつさんは帰りにここでコーヒー
  フロートを頼んだが、これが絶品だった。

   休憩後、弓折乗越を目指す。ハクサンフウ
  ロやタカネスイバ、ヨツバシオガマ、トリカ
  ブト、コバイケイソウ、カイタカラコウ、ミ
  ヤマリンドウが見られた。
 
    トリカブト
         弓折乗越に着くとベンチのすぐ近くでライ
    チョウの親子が餌をついばんでいた。しばら
    く見ていたが、どうやら雛は1羽だけだった。

     ここから1時間ちょっとで双六小屋に着く。

     途中にお花畑があるはずだが、なんとこの
    時期で雪が全く見られない。砂地が露出した
    光景に驚いた。ただ周囲には、イワオウギ、
    シモツケソウ、ミヤマキンポウゲ、ハクサン
    イチゲ、コバイケイソウ、ダイモンジソウ、
    シナノオトギリ、ハクサンフウロ、ヨツバシ
    オガマ、ウサギギク、イワギキョウなど多く
    の花が見られた。
  カイタカラコウ  
 
   イワオウギ シモツケソウ
 
   ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ ダイモンジソウ 
 
  ウサギギク イワギキョウ
     小屋と正面に鷲羽岳が見えてきた。

   このあと空が暗くなってにわか雨に見舞わ
  れたが、レインウエアは着たものの、15分
  ほどで上がって、晴れ間も少し見えてきた。

   小屋に着いて、夕食後に、きれいな虹が2
  筋見られた。
 
     鷲羽岳と双六小屋

                                                                      ≪続く≫

トップに戻る   次のページへ  山の花の道に戻る