イワヒゲが岩場の隙間に咲き、タカネイブキボウフウ、コケモモ、コゴメグサ、イブキジャコウソウ
  が咲く中を丸山に到着。

   悪沢岳が近づく。

   
  悪沢岳
     ここから一旦下ると、雪田性の花が見ら
  れるようになる。

   地形的には少し窪地や平らになっている
  部分で雪が残りやすいのだろう。
   アオノツガザクラ、チングルマ、ハクサ
  ンイチゲ、ミネズオウ、コイワカガミなど
  だ。

   ここから先もところどころで雪田性の花
  が見られるところに出くわした。チングル
  マなどは花が終わって綿毛のものも中には
  見られたが、今が盛りと咲いているものの
  方が多かった。
  アオノツガザクラ
       岩場のところどころでチョウノスケソウが
    咲いていた。

     タカネツメクサやシコタンソウ、イワツメ
    クサなどは引き続きみられる。初夏でも早く
    に咲くイワウメも岩陰にまだ残って咲いてい
    た。

     イワベンケイがきれいな花を見せてくれた。
  ミネズオウ  
 
  チョウノスケソウ イワベンケイ
     標高3141mの悪沢岳に到着。
   ここの山頂標識は「荒川東岳」となって
  いる。ここと先にある中岳と前岳を荒川三
  山という。

   ただ、日本百名山の深田久弥は悪沢岳と
  いう呼称にこだわっており、たつさんもそ
  れにならった。

   ヒメヨツバシオガマと思われるシオガマ
  がたくさんあった。背丈が10センチくら
  いで通常のヨツバシオガマよりずっと小さ
  い。ミヤマミミナグサも見られた。
    ヒメヨツバシオガマ
       悪沢岳から中岳に向けてはガレ場を一旦下
    る。

     この道の途中でシコタンハコベを数か所で
    目にした。この花も北岳で見られるが、それ
    は8月中旬ころで、8月上旬には見ていない。

     さらにトリカブトもいくつか咲いていた。

     トリカブトも盛夏から晩夏の花なので、実
    にこの山は面白いと思った。

     ミヤマオダマキも見られた。
  ミヤマミミナグサ  
 
  シコタンハコベ トリカブト
 
   一旦コルに下って、再び中岳への登りになる。

   前方左に赤石岳が、また振り返ると富士山をバックに悪沢岳が立つ。

   あーちゃんが「ホントに広いね!!」

   奥深い広大な山並みの中にいることに感動する。

 
  赤石岳 悪沢岳と富士山
     中岳避難小屋は中岳山頂手前に立っている
  が、そこまでのやや乾燥した岩場には、イワ
  ツメクサ、ミヤマシオガマ、ミネウスユキソ
  ウ、タカネヤハズハハコなどが咲いていた。

   少し風も弱くなり、それとともに快晴の空
  には雲も出始めた。

   雪田性の植物も窪地などにあり、チングル
  マやコイワカガミなどが咲き、ツガザクラが
  残っていた。

   草地のところできれいなハクサンチドリや
  シナノヒメクワガタ、ヨツバシオガマが見ら
  れた。
  イワツメクサ
 
  タカネヤハズハハコ ツガザクラ
     
  ハクサンチドリ  シナノヒメクワガタ
       中岳を経て、荒川小屋に向かう下り道では
    広大な鹿よけの柵が設置されており、そこの
    扉を開けて中に入る。

     ここが南アルプス最大のお花畑だ。

     遠方に小赤石岳と赤石岳が望める。

     グレートトラバース日本百名山一筆書きの
    田中陽希さんが昨年赤石岳に登頂した時に、
    目の前の景色を見て、『日本の自然というの
    が素晴らしすぎます!。』と感動していたの
    を思い出す。
  ヨツバシオガマ
 
  赤石岳・小赤石岳とお花畑
     赤石岳の山頂にはまだ着いていないが、彼
  が目にしたのと同じ風景を青空の中にわれわ
  れも見ており、しかもお花畑の大きさ、花の
  種類の多さが加わって、あーちゃんが「陽希
  さんが、『まさに自然が素晴らしすぎます。』
  と言ったのがわかるわ!。」 「同感!」

   このお花畑はシナノキンバイやミヤマキン
  ポウゲの黄色とハクサンイチゲの白がメイン
  で、その中にキバナシャクナゲやハクサンチ
  ドリ、そしてクロユリがたくさん混じってい
  た。
  ハクサンイチゲ
 
  クロユリ キバナシャクナゲ

                                                                      ≪続く≫

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