悪沢岳・赤石岳


                        2015年7月20日〜23日


   19日、関東甲信越地域の梅雨が明けた。当初計画通りに20日に椹島に。3泊4日で
 悪沢岳と赤石岳に初夏の花を見に行った。この辺りを歩くのは初めてである。千枚岳から
 悪沢岳までの間の花々と中岳から荒川小屋までのお花畑を見ることが目的である。

  新東名の新静岡から畑薙第一ダムの夏期臨時駐車場まで結構な山道を約80キロ走った。この山域は特殊
 東海製紙の社有林で、山小屋などは東海フォレストが経営している。社有林とはいえ、山手線の内側の面積
 の4倍という。間ノ岳の南側から畑薙ダムにかけて、農鳥、笊ヶ岳、塩見、悪沢、赤石、聖岳などがこの社
 有林の中の山だ。東海フォレストの送迎バスで椹島に着いた。

   <1日目>  
     朝食後、椹島ロッジをスタートした。
   快晴で森の中ということもあってか風がな
  い。

   滝見橋までの間にギボウシの蕾とソバナが
  咲いていた。

   森の木々にところどころ解説の札がつけら
  れている。そのひとつに、大きなコシアブラ
  があり「酒屋の娘(泣かせ)」とあって、そ
  ういう異名を持つほど酒飲みにはこたえられ
  ない山菜の王様、と書いてあった。

   コシアブラの新芽は炒めても天ぷらにして
  もちょっとした苦みがあってたつさんも大好
  きな山菜だ。

   次いで大きなミズナラがあった。本当に大
  木だ。ここの森は深い。
    ミズナラの大木
     清水平で水を採る。清水平と名がついてい
  たので、もっと平らなところと思った。

   そこを過ぎて木の間越し赤石岳や悪沢岳が
  見えたが、写真に撮るには木が邪魔であった。
  ただ、視界が一部開けたのはそこだけ。あと
  はずっと森の中だった。

   この間、花はコバノイチヤクソウが咲いて
  いるだけで、イワカガミがたくさんあったが
  もう花はつけていなかった。

   駒鳥池で少し休んで、千枚小屋に12時半
  ころに着いた。
  駒鳥池
     小屋周辺は小さなお花畑になっていた。

   ゴゼンタチバナ、カラマツソウ、シナノ
  キンバイ、タカネグンナイフウロ、ハクサ
  ンフウロ、ミヤマキンポウゲ、キバナノコ
  マノツメ、マルバダケブキ、ミヤマアワガ
  エリが見られた。

   いずれも今が旬の状態。
  ゴゼンタチバナ
 
  シナノキンバイ タカネグンナイフウロ
       着いた時には、東方向の富士山は雲の中で
    見えなかったが、そのうち晴れてくっきり見
    えるようになった。

     あーちゃんが、「すごい近くに見えるね。
    北岳から見るよりずっと大きいわ!」

     とにかく小屋に着いたのがこの日の二組目。

     時間がたっぷりあるので小屋前のベンチで
    ビールを飲みながら富士山を堪能した。下の
    写真は望遠を使っている。
  マルバダケブキ
   
   小屋の前からの富士山
    <2日目>  
     今日は悪沢岳から赤石岳に登って赤石小
  屋に泊まる予定で、行程も長くまた花も多
  いことだから時間がかかると考え、朝食を
  とらずに小屋を出る。

   ついでにいつもはご来光を見るために早
  出するなんてことはないのに、今日は千枚
  岳で見ようと欲張る。

   千枚岳の手前で東の空から太陽が出た。

   そして朝焼けの赤石岳、朝日に映える丸
  山と悪沢岳が快晴の空に見られた。
  ご来光
 
  赤石岳と小赤石岳  悪沢岳と丸山
     千枚岳で朝食をとり、岩場の痩せ尾根を
  歩き出すと途端に花が出てきてわれわれを
  迎えてくれた。

   タカネツメクサ、シコタンソウの小さな
  花ながら大きな株がある。

   シロバナタカネビランジもところどころ
  に見られる。北岳では8月にならないと見
  られない花だ。

   イワオウギとシロウマオウギが見られた。
  タカネツメクサ
 
  シコタンソウ シロバナタカネビランジ
       空は素晴らしい快晴であるが、風が強い。
     もともとここ悪沢岳周辺は風が強いことで
    知られているので気にはならないが、長袖の
    シャツだけでは寒く感じたのでレインウェア
    を着て歩いた。

     ミヤマムラサキが岩場にあったが、風で花
    が揺れている。この花はここ周辺にしか見ら
    れなかった。

     チシマギキョウも風に揺れていた。

     ほかにタカネナデシコ、ミヤマシオガマの
    ピンクが見られる。ミヤマシオガマは終わり
    の株がほとんどだった。
  イワオウギ  
 
  ミヤマムラサキ チシマギキョウ

                                                                ≪続く≫

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