立 山


                          2017年10月5日


   立山に登るのはわれわれは初めてである。家を出る時には5日に奥大日岳に登って剱岳を
 眺め、6日には大走りから立山三山を歩いて室堂から帰ることを計画していた。

  前日の4日に室堂に入って奥大日岳や立山方面を眺め、また6日の天気図を考えると5日に立山を歩く
 のがベストと判断し、ルートも雷鳥沢のキャンプ場から一ノ越まで登ってそこから立山三山を歩き、別山
 乗越から雷鳥沢を降りてくるものに変更して出発した。

     朝5時過ぎに起きて外に出てみたが風がな
  いのでそれほど寒さは感じない。それでも気
  温は氷点下にはなっている。

   朝食が6時からなので15分前に食堂に行
  ってみたらトップだった。朝風呂に入って浴
  衣を着ている人もいる。どうも普通の山小屋
  と勝手が違う。こうなると一般の旅館だ。

   朝食はバイキング。種類も豊富で嬉しい。
   昼食の弁当はここでは種類の違う6つの小
  さなパンに魚肉ソーセージ、草餅、ソイジョ
  イ、ポカリスエットだ。これも珍しい。

   まずは雷鳥沢キャンプ場に降りる。立山の
  西側を歩くのでまだ朝日は山の向こうだ。

   雷鳥平のテン場が見えている。
    雷鳥沢キャンプ場
     キャンプ場は広く平らでここでテントを張
  るのは気持ちがいいだろうなと思う。

   称名川を橋で越え、真砂岳へ向かう道を少
  し歩いて右折し、一ノ越への道を歩く。ここ
  は神の道とも言われているようで、室堂の中
  でも紅葉がきれいな場所だそうだ。

   ミヤマホタルイと思われる草紅葉がきれい
  だ。
    草紅葉
     傾斜は緩く砂地の道が少し続いているが、
  大きな霜柱がいたるところにできている。

   チングルマの葉にも霜が降りていた。

   谷あいでもあるため、風はなくさほど寒さ
  は感じない。
  霜 柱
       室堂から一ノ越に向かって歩いている人が
    遠くに見える。みくりが池温泉からも室堂ま
    で戻って一ノ越へいく方が近いだろうが、神
    の道とはどんなところか見たくてこちらを選
    んだ。

     ここの紅葉は終わりかけていて、ナナカマ
    ドの葉も落ちているものが多かった。9月末
    が盛期なのだろう。それでも残っているとこ
    ろも見られた。

     一ノ越に荷物を運ぶヘリが上空を飛んでい
    る。室堂近くにヘリポートがあったのを昨日
    バスの中から見た。何度も往復していた。
   チングルマに霜
 
  神の道  ナナカマドの紅葉
     一ノ越に着いた。

   素晴らしい眺望だ! 遠く富士山が目に入
  った。近場の北アルプスの山々は青空の中で
  くっきり見られる。
   槍ヶ岳と9月の初めに登った笠ヶ岳が見え
  る。このあたりから見る笠ヶ岳は見事な形を
  していた。
    遠方に槍ヶ岳と笠ヶ岳
     ここから雄山を目指す。約300mの急登
  だ。ルートの目印はついているものの、岩だ
  らけの道でどこを歩いてもよいような急登だ。

   室堂が左下に見えてくる。あーちゃんが、
  「あれ日本海よね。」そう富山湾の海岸線も
  見え、その先に能登半島まで見えている。

   途中で一休み。振り返ると黒部五郎や薬師、
  五色ヶ原や水晶岳などが見られる。

   社が見えているがなかなか近づかない。一
  歩一歩登ってようやく雄山に着いた。
  雄山途中から室堂を見下ろす
 
  雄山頂上標識  雄山神社立山頂上峰神社
     雄山神社立山頂上峰神社にお参りしてその
  下を見ると雪渓が残っている。御前沢氷河だ。

   日本には今3つの氷河がある。剱岳の裏側
  の三の窓氷河と小窓氷河とこの御前沢氷河だ。
  2009年から調査が始まり、2012年に
  学術的に認定されたものだ。

   氷河の認定は万年雪の下に氷体があること
  とその氷体が動いていることが確認できるこ
  とである。氷体の厚さは3つとも30m以上
  だそうだ。

   アルプスや北米、南米の氷河の大きさでは
  歯が立たないが、中緯度の日本に氷河が実在
  するのは何か誇らしい。
  御前沢氷河

                                                                       ≪続く≫

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