谷川岳


                         2019年6月6日


   初夏の花を見たいと今年も谷川岳に向かった。
  昨年6月と7月に谷川岳に行き、多くの花を見ることができた。今年はできるだけ早い
 時期に行きたいと思っていたが、4月に季節外れの大雪があって5月末はまだ残雪が多く
 花が咲いていない様子なので、梅雨入りする前のピンポイントで晴れそうな6日に訪れる
 ことにした。

  谷川岳にはこれまで何回か行っているがいずれも日帰りだった。家から車で220キロ。山にいる
 時間が約8時間。だんだん日帰りがきつくなっていたので今回は土合に前泊し、翌日朝からゆっくり
 周回することにした。

     前日は宿に着くころに雷雨となり、しばら
  く強い雨が降っていた。

   この日は移動性の高気圧に覆われる予報の
  ため好天が期待できた、6時過ぎから歩き始
  めた。今日は西黒尾根から山頂を目指し、天
  神平に下る。

   登山口までにタニウツギがたくさん咲いて
  いた。

   西黒尾根は最初から急登が続く。昨日の雨
  でまだ道は濡れており、風もはじめはなかっ
  たのでかなりの汗をかく。
    タニウツギ
     しばらくすると風が出てきて、霧もかかっ
  てきた。林の中なので風は心地よく感じるが、
  割合強く吹いている。

   ギンリョウソウが見られ、そのうちユキザ
  サがいくつか見られた。

   南の方面は比較的明るいが、上空は暗い。
  まだ、天気の回復はもう少しのようだ。

   マイヅルソウも出てきた。ツクバネソウも
  ようやく咲き始めていたが、一株だけ。去年
  は同じころ登ったが、ツクバネソウはかなり
  咲いていた。
    ユキザサ
       1時間半ほど歩くと残りの雪がところどこ
    ろ現れてきた。

     風は同じように吹いていて、そのうち雨が
    ポツポツと落ちてきた。

     オオカメノキがたくさん現れた。道に花び
    らが落ちているが、咲き始めだ。この花は色
    もきれいだが、葉の葉脈がきれいだ。

     オオカメノキは天神尾根でも多く見られた。

     雨はほどなく止み、2か所でアズマシャク
    ナゲが見られた。
   マイヅルソウ  
 
   オオカメノキ アズマシャクナゲ
     イワカガミが見えだすところで、樹林帯を
  抜けて視界が開け、天神平の方面が見えるよ
  うになってきた。

   イワカガミはこの山全体に見られる花だ。
  白のイワカガミも途中で見られた。あーちゃ
  んが「ずーっとイワカガミの道だね。」

   ただ天気は一向に変わらない。たつさんは
  「上に行けば絶対に晴れる。」と言い続けて
  いるが、この時点では昨日見た今日の9時の
  天気図からどうなっているのか判断できない。

   イカリソウがいくつか見られた。
    イワカガミ
 
  シロイロイワカガミ イカリソウ
     シラネアオイがササ原の中に咲いているの
  がいくつか見られたが、斜面の下なので撮れ
  ない。

   マチガ沢方面は下は良く見えるようになっ
  たが、上部はガスっていて見えず、もちろん
  山頂は見えない。

   こんな天気なのでナエバキスミレやミヤマ
  キンバイも花を十分に開いていない。開いて
  いる花を探して撮ったが、帰りの天神尾根で
  は開花した花ばかりだった。
    マチガ沢の岩壁
       ラクダの背に着いて小休止。その後一旦下
    って、ガレ沢のコルに着き、そこから西黒尾
    根最大の岩場の登りにかかる。ここはガレ沢
    のコルから見て黄色の矢印が岩場にくっきり
    と着いており、去年よりずっと整備されてい
    る感じだった。

     ここまでにも見られたが、ショウジョウバ
    カマがたくさん咲いている。谷川岳に咲くシ
    ョウジョウバカマは実にいろいろな色彩を見
    せてくれて楽しい。しかも雪解け直後とあっ
    てその数は相当なものだった。

     そしてきれいなユキワリソウがいくつか見
    られた。
  ナエバキスミレ
 
  ショウジョウバカマ ユキワリソウ
     岩場の取りつきからすぐのところで、ホソ
  バヒナウスユキソウが咲き始めていた。ここ
  と尾瀬の至仏山で見られる花だ。

   鎖場を越えたところにハクサンイチゲがこ
  れも咲き始め。

   西黒尾根では単独行動の4人が追い抜いて
  行ったが、それでもこのルートは人も少なく
  静かだ。

   依然としてガスっているが、見晴らしの得
  られるところで少し早いお昼にした。すると
  だんだんガスが薄くなって上部の視界が見え
  るようになってきた。
  ホソバヒナウスユキソウ
       休んでいるところからすぐ上にザンゲ岩が
    見えてきて、それとともに下の方の視界もか
    なり良くなってきた。

     ここまで来ると山頂は近いが果たして晴れ
    るか?

     ザンゲ岩を過ぎ、ササ原とハイマツの間を
    歩き、雪渓を歩いてトマの耳に着いた。

     残念ながらガスが取れず、オキの耳も山頂
    部が見えたり見えなかったりしていた。ここ
    に来ると天神尾根からの登山者がたくさんい
    た。
  ハクサンイチゲ  
 
  ザンゲ岩 オキの耳

                                                                ≪続く≫

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