谷川岳


                           2018年6月8日


   関東甲信地方は6日に梅雨入りとなった。ただ8日は天気が良さそうなので、花が多く
 見られる谷川岳を日帰りすることにした。谷川岳は何回か登っているがいずれも秋の紅葉
 の時期であり、花の咲く時期は初めてで期待を持って出かけた。

  6月2日に外環道の高谷と三郷の間が開通し、我が家から関越に行くのに都心を通らなくてもいいよ
 うになった。出発は早朝なので都心を通っても事故のない限り混まないが、都心を通っても外環道を行
 っても距離はほぼ同じで料金は少し安いことがわかり、そこを行くことにした。帰りのルートが楽なの
 はありがたい。

     エゾハルゼミがしきりに鳴いている。今ま
  での経験だと標高が1200m〜1400m
  くらいまでは声が聞こえるが、谷川岳では山
  頂付近でも鳴いていた。

   梅雨に入ったこともあって湿度が高く、さ
  らに晴れていて気温が高いため歩き始めてす
  ぐに汗が噴き出す。

   西黒尾根を登りに使うのは初めてだ。最初
  からしばらく斜度がある。

   タニウツギがたくさん咲いていた。これは
  ラクダの背あたりにもあり、また下りの天神
  尾根でもたくさん見られた。
    タニウツギ
     樹林帯の中でも時々風が通るのでありがた
  い。

   1時間くらい登って、アブラツツジが見ら
  れた。われわれにとって初めて見る花だ。

   ツツジ科にしては花が垂れ下がってついて
  おり、色も形もアオノツガザクラそっくりの
  地味で小さな花だ。

   ユキザサが咲いていた。少し登るとまだ開
  花は完全にしていないが、ユキザサの群落が
  見られた。

   ユキザサに限らず、ここの花は数が多く見
  られる種類もあってうれしい。
  アブラツツジ
       ベニサラサドウダンもたくさん見られる。
    この花も天神平に向けて本当にたくさん見ら
    れた。

     アオイの葉がそこここにあって、その下を
    見ると花がついている。

     帰ってから調べてミクニサイシンであるこ
    とが分かった。多くが濃い紫から褐色の花が
    ついているが、中には緑の花も見られ、ミク
    ニサイシンにはそういう色の花もあるそうだ。
  ユキザサ
 
  ミクニサイシン ミクニサイシン緑花
     サンカヨウやエンレイソウもあるが、もう
  花は終わっていた。

   そのうちツクバネソウが見られた。咲き始
  めのツクバネソウはきれいだ。

   ベニサラサドウダンの花柄が道にたくさん
  落ちている。上を見ると花もつけているが樹
  林帯なので写真には撮りにくい。

   オオカメノキがこれもところどころで見ら
  れた。この木の葉は葉脈がはっきりして好き
  な木だ。
  ツクバネソウ
       マイヅルソウも現れたが、まだ多くが蕾の
    状態で咲くのはもう少し先。ただ日当たりの
    良いところではきれいに咲いていた。

     斜度がさらに増し、鎖場が現れて、そこを
    越えて少し行くと西側の視界が開けてロープ
    ウェーが見えるようになった。

     このあたりにベニサラサドウダンやタニウ
    ツギがたくさん咲いている。

     さらに鎖場を進むと谷川岳のトマの耳、オ
    キの耳が見えてきた。
   オオカメノキ
 
  マイヅルソウ ベニサラサドウダン
 
  トマの耳とオキの耳
     鎖場が続く。このあたりからイワカガミや
  ナエバキスミレがたくさん見られる。

   特にイワカガミは天神尾根でも道端にずっ
  と咲いており、あーちゃんが「ここはイワカ
  ガミの道だね。」

   ナエバキスミレはオオバキスミレの小型化
  したものとされているが、茎が赤褐色してい
  るのが特徴で、谷川岳のような蛇紋岩地のも
  のは葉の光沢が強いそうだ。
  イワカガミ
       ニガイチゴやミツバツチグリなども見えだ
    し、少し行くとラクダの背に着いた。

     そろそろお昼にしようと考えているが、日
    影がない。少し歩いて巖剛新道との分岐であ
    るガレ沢のコルに着いた。巖剛新道に少し踏
    み入れると日影があったので、道上ではある
    がここはおそらく通る人はないだろうとそこ
    でお昼にした。
   ナエバキスミレ  

                                                                ≪続く≫

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