平標山・仙ノ倉山


                        2017年6月9日〜10日


   7日に関東甲信越も梅雨入りとなった。初夏の花々はこのころから見ごろになり始めるが、
 今度は天気との兼ね合いが難しくなる。2年前は梅雨の晴れ間を狙って2度山に行ったが、幸
 い素晴らしい好天に恵まれた経験があり、今年もそれを期待すべく平標山と仙ノ倉山を歩くこ
 とにした。

  平標山の駐車場までは家から約250キロある。往復500キロで山に入っている時間が7時間以上だと
 もう日帰りは厳しい。そこで平標山の家にテントを張って、平標山に登り、仙ノ倉山を往復して平標を周回
 するゆったりとした計画を立てた。一日で回るとすると湯沢あたりまで入って前泊しなければならないので、
 同じ泊まるなら山の上でのんびりしようと考えた。

   <1日目>  
     梅雨入りしたせいか、天気予報は毎日のよ
  うに変わる。2、3日前までは9日も10日
  も晴れだったが、9日になって10日は曇り
  のち雨となった。

   平標山の駐車場には平日でもかなり車が停
  まっていた。
  
   今日は平標山の家までなので、午後のスタ
  ート。平元新道を歩く。林道へ出るまでに、
  リンドウがたくさん咲いていた。湿った陽の
  射さない林の中に咲いているので名前はわか
  らない。

   ラショウモンカズラもいくつも見られた。
    リンドウ
       雲は多いものの、日差しはある。今日の関
    東北部は最高気温が28℃となっていたので、
    湯沢も熱いかなと思っていたが、気温は20
    ℃ほどだった。

     林道に出るとエゾハルゼミの合唱。ところ
    が面白いことにある地点から全く聞こえなく
    なり、鳥のさえずりだけが聞こえるようにな
    った。その地点は標高で1200mだったが、
    帰り道では1400mでもセミの声が聞こえ
    たので、標高とは関係ないことがわかった。
    ただ不思議な現象だった。

     タニウツギやミツバツチグリが見られた。
  ラショウモンカズラ
 
  タニウツギ ミツバツチグリ
     駐車場から約1時間で林道から上りの登山
  道に入る。

   ここまででも結構な登山者が降りてくる。
   そのうちの一人からあーちゃんが今日は小
  屋泊まりですかと尋ねられ、そうだと答える
  と羨ましいと言っていたそうだ。

   ユキザサやチゴユリが咲き始めていた。

   エンレイソウもたくさんあったが、もう種
  をつけているものが多かった。

   ツクバネソウも見られた。
  ユキザサ
       平標山は3年ぶりだ。前回は6月下旬に、
    今日と逆の周回コースを歩いている。その時
    は霧と小雨で眺望は全くなく、また仙ノ倉山
    には行っていない。

     いずれにしてもこの山は階段がとても多い
    山だ。熟年のご婦人が降りてきて、階段ばっ
    かりで辛いとこぼしていた。

     標高1500m付近で、アオイの葉を見つ
    けた。根元の落ち葉を少し払ってみたら、花
    がついていた。このあたりにいくつも見られ
    た。フタバアオイだ。山では初めて見る花で、
    名前は帰ってから調べて分かった。
   ツクバネソウ
       フタバアオイは福島県以南の本州にあり、
    日本固有種だそうで、県によっては絶滅危惧
    種に指定されているようだ。

     今年初めてのテント泊なので、久しぶりに
    ザックが重い。20分から30分に一回休憩
    を取って、それでもコースタイムどおりで平
    標山の家に着いた。

     苗場山が山頂まで見えたが、灰色の雲がか
    かっていた。平標山も何とか山頂までは見え
    るがその周囲は黒い雲に覆われていた。

     小屋でテントの受付をしていたら雨が降り
    出した。
  フタバアオイ
     雨はすぐに止んだが、小屋の人の話では今
  日は寒気が入っているので夕方にはにわか雨
  が降ると言っていた。

   1時間くらいして雷鳴が聞こえ、そのうち
  頭上で雷が鳴り、雨も強く降ってきて、一時
  小屋に避難した。

   その後30分くらいして雷は通りすぎ、日
  差しも出てきた。テントの周囲は水たまりと
  なっていたが、張った場所がやや高くなって
  いたため、張り直さずに済んだ。ただ残念な
  がら山の上でのんびりという状況にはならな
  かった。
  平標山
  <2日目>   
 
   昨夜は8時ころまで時おりテントを風が揺らしていたが、そのうち収まった。

   明け方鳥のさえずりで目が覚めた。あーちゃんが、「まだ薄暗いうちから鳥が囀るのね。」

   エビス大黒ノ頭付近の空がモルゲンロートになっていた。また今日登る仙ノ倉山もうっすら
  とスミレ色になっていた。

   
  モルゲンロート
   
   朝の仙ノ倉山
     早く起きてしまったのと、今日の予報では
  曇りのち雨ということで、朝食を少し口に入
  れテントを撤収して早速歩き始めた。

   ここから平標まで階段の登りだ。3年前に
  来た時は、ハクサンコザクラがあたりに見ら
  れたが、今年は時期が早く、また雪も多かっ
  たので、ショウジョウバカマとアズマシャク
  ナゲだけが目につく。

   途中雪渓が少し残っていて、イワナシがま
  だ残っていた。

   約50分で平標山頂に着いた。気温は7℃。
  風が少しあるのでやや寒い。

   周囲は高曇りで、苗場山方面は青空も望ま
  れた。

   山頂にはもう終わりかけのヒメイチゲが残
  っていた。
     ショウジョウバカマ
 
  イワナシ ヒメイチゲ

                                                                ≪続く≫

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