〈第一日目〉 | ||
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この朝、八方からは白馬三山、五竜がくっ きりと見えた。すこぶるつきの快晴だ。気温 も結構高い。 猿倉には車は4、5台止まっていた。 金曜日でもあるし、この時期登る人はまだ 少ない。 5月末の情報では、ここのあたりもまだ雪 があったようだが、夏道がしっかり出ている。 歩き始めて5分も経たないうちに汗が噴出 し、半袖になってバンダナを巻く。 |
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タムシバ | ||
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白馬尻までの林道の山側には、麓の花が咲 き始めている。雪が解けてまだ2週間か3週 間くらいなのだろう。 ユキザサ、タムシバ、オオカメノキなどが 咲き、新緑と冷たそうな雪解け水の流れてい る沢のすがすがしさが肌に感じられる。 快晴で風もなく、気分は爽快。 ニリンソウ、白やうす紫のキクザキイチゲ、 サンカヨウ、ヤマエンゴサク、ムラサキヤシ オツツジが続く。ヤマエンゴサクだと思って いるが、花の色はエゾエンゴサクの鮮やかな スカイブルーに近いものも見られた。 シラネアオイも葉っぱを出して茎も伸びて いるが、蕾はようやくつき始めたといったと ころ。 |
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ヤマエンゴサク | ||
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ムラサキヤシオツツジ | サンカヨウ | |
特定の車の通れる林道から山道に入ると、 雪が少し残っており、雪解けを待ちわびた フキやショウジョウバカマ、サンカヨウ、 エンレイソウのまさに咲きはじめが見られ た。 |
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キクザキイチゲ | ||
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エンレイソウ | ショウジョウバカマ | |
二度ほど、雪の重みで下敷きになっていた潅木の細い枝が、雪が解けて重みから開放されてばね 仕掛けのように元に戻ったところにぶつかった。顔への被害は避けられたがあぶない、あぶない。 白馬尻手前100メートルくらいからは雪の上を歩くことになる。 白馬尻小屋も周りは除雪され始めているが、ほぼ埋まっているような状態。そこでアイゼンをつ けていた人の話では、今年はまだまだ雪が多いとのこと。 |
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大雪渓に踏み出す。 吹き降ろしの少しの風があり、雪の上でも あるので、サングラスを掛け、長袖シャツに する。 空は雪の反射で怖いくらいに青い。 雪はザラメで、まだ夏のようにスプーンカ ットにはなっていないので歩きやすい。 遠くに、二人、そのしばらく下に二人、そ の少し下に二人の登山者が小さく見える。 夏の盛りには大雪渓を蟻の行列のように人 が続くが、それとは別天地だ。 |
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大雪渓途中 | ||
天狗菱がはっきり見えてくるとだんだん斜 度もきつくなる。 葱平付近で、ほんの少し岩が出ていて夏道 が見えるが、ルートを記すベンガラのしるし はまっすぐに続く。 かなりの急登なので、慎重にステップを切 る。 |
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天狗菱を見ながら | ||
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トラバースした箇所は、小雪渓か? そこから少し登ると、頂上宿舎が見えてき た。 このあたりになると雪もまだきれいだし、 石も転がっていないし、スキーには絶好の斜 面だ。 もちろん、白馬尻まで滑れるし、現に翌日 はシールやシートラで登ってくる人やボード を引いて登ってくる人に会ったが、雪渓の半 分から下は石ころや木の枝などが多く、ちょ っとこの時期滑ろうとは思わない。 でもここは滑ってみたいと思った。 |
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雪渓上部 | ||
頂上宿舎はまだ閉まっている。ここで休ん でいると、5人ほど人が降りてきた。その中 には私を追い越していった女性がいたが、元 気なもんだ。 日帰りで白馬に登る人は多いらしい。 せっかく来るんだからもっとゆっくりすれ ばいいのになと思いながら最後の登りに気合 を入れる。 結局、白馬山荘の手前100メートルまで 白馬尻からずっと雪の上だった。 ここでアイゼンを脱ぎ、少し歩くとツクモ グサが咲いていた。山荘まで5分のところだ った。山荘で少し休んだ後、ツクモグサの写 真を撮りに行った。 |
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ツクモグサ | ||
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まず、今登ってきたところ付近。咲き始め が多く、蕾を持っているものも結構ある。こ れから1週間程度が見ごろか? 株は上の写真のような大きさのものはごく 少なく、2,3株かたまっているものや、一 株ずつ咲いているのが多い。やっぱり開き始 めのものがきれいに見える。 山頂に向かって、東側の道に割合ある。 山頂から三国境まで歩いて見たが、ここに も西側の斜面にかなり咲いている。数は多い。 だが、大きな株は少なかった。 |
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開き始め | ||
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開き具合の違う3種類 | 満開の株 | |
歩いている人は誰もいない。今日は静かな 山だ。 ツクモグサ以外に咲いている花を探したが、 ミヤマキンバイが一つだけ。それとウラシマ ツツジのもうちょっとで開こうという株が一 つ、二つ見えたに過ぎない。 イワウメが咲いているのではと思ったが、 たくさんあるのだけど蕾は全く見えなかった。 |
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ウラシマツツジ | ||
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人が誰もいないせいか、ライチョウが数羽、 餌をついばんでいた。そっと立ち止まってシ ャッターを切っても逃げない。 今繁殖期でオスは頭の部分が赤く鮮やか。 つがいで餌をついばんでいるというのはまだ 卵を産んでいないからかな? 花がなかったので、しばらくつがいのライ チョウを撮っていた。 |
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ライチョウのつがい | ||
〈第二日目〉 | ||
翌日、朝早くは昨夜からの強い風のため、霧がかかりしばらく視界が悪かったが、7時くらいから 風が収まりかけまた快晴の空となった。 昨夜大きな白馬山荘に宿泊したのはたった3人だった。 標高の高いところの高山植物は期待はできないが、もしかしたらチョウノスケソウでも咲いている のではないだろうかと思って杓子まで足を伸ばしてみたが、全く見られなかった。ただウルップソウ のもう少しで開花という株がいくつか見られたに過ぎない。 また、大雪渓を下って戻った。 |
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白馬鑓ケ岳の右肩に遠く槍ヶ岳 | ウルップソウ | |
ツクモグサの咲く山の5番目として、この時期の白馬岳に登った。 登山口6:54 白馬尻7:46 頂上宿舎11:50 白馬山荘12:29 その後頂上から三国境散策 山荘6:20 杓子岳7:40 頂上宿舎9:09 白馬尻10:38 猿倉登山口11:55 |
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