〈第一日目〉 | ||
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日高から千栄まで約10分。ここからしば らく走ってゲートに着く。ここで入山届に記 入。昨日も今日も記述はない。チロロ林道を ここから9キロ走って二股出合の駐車スペー スに着いた。 雨は降っていないが曇り空。今日はテン場 に着くまで、ときどき小雨があったがそれも パラついた程度で雨具を着るまでにはならな かった。 ほくでんの取水口まで3キロちょっとを歩 く。エゾアジサイがきれいなブルーの花を咲 かせていた。ほかにヤマブキショウマやオニ シモツケ、ウドなどが咲いていた。 |
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エゾアジサイ | ||
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ここからすぐに、登山道入り口の標識があ る。このルート、道案内の標識があるのは、 ここと「トッタの泉まであと約10分」とい うのが2箇所あるだけ。 あとは山頂に山頂であることを現す標識が あるのみである。これが日高の山だ。 |
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ニの沢左岸を歩く。3mはあろうかという エゾニュウがいくつかあった。また、咲きは じめの交じったきれいなヤマルリトラノオが 見られた。この花の色はとても清々しい。右 の写真は帰りにとったものである。 |
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ヤマルリトラノオ | ||
そのうち左岸から右岸へ、そしてその反対 へとニの沢を横切る。ここ数日雨が降ってい ないこともあって、水量は少なく沢靴の必要 はない。これは予想していたことだ。 もうダイモンジソウが咲いていた。ほかに ミヤマアカバナ、ミソガワソウ、初めて見た フキユキノシタがあった。 10回ほど沢を横切って、右側から小滝が 現われてきた。 このニの沢の右岸の上のほうに、エゾキス ゲのオレンジ色が10株以上見えた。 |
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ダイモンジソウ | ||
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ここを過ぎてから尾根状の斜面に取り付く。 粘土質の土で滑りやすい。ロープが取り付け られている。3年前は雨が降り続いていて、 ここからトッタの泉までぬかるみの連続だっ たが、今日はこのあたりだけが滑りやすいと ころで、あとはかなり乾いていた。 ここからヌカビラ岳まではほぼ急なのぼり の連続になる。一方で花は少ない。サンカヨ ウやツバメオモトが実をつけていた。コイチ ヨウランやミヤマチドリ、エゾノヨツバムグ ラ、アリドオシランなどの目立たない花がと きどき見られた。 「トッタの泉まであと10分」の標識が出 て、トッタの泉に到着する。 |
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二ノ沢と左岸からの小滝 | ||
小さな2本の冷たい水の流れが出ている。 ここでペットボトルに補給してさらに登る。 あたりは雲が垂れ込めているので、ヌカビラ 岳の端っこが見えない。ダケカンバがなくなり ようやく花が少しづつ現れてきた。 モミジカラマツ、マルバシモツケ、カラマツ ソウ、ミヤマキンポウゲ、ヒダカキンバイソウ、 チシマフウロ、タカネバラ、ミヤマオダマキも 一株残っていた。 あーちゃんのペースが遅くなってくる。よう やくカンラン岩が出てきた。もう少しだ。 |
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マルバシモツケ | ||
ハシゴが現れてきた。ヌカビラ岳が近いこと が分かる。 近くにミヤマアケボノソウがもう花を開いて いた。3株見たが、ここのアケボノソウは紫色 が濃くてきれいだ。 ここを越えてようやく尾根上に出た。しかし 周りはガスで何も見えない。そしてヌカビラ岳 山頂の少し下で休む。ここまで歩き始めて6時 間。予定より少しオーバーしている。 まあ、でもこれできつい登りは終わる。あと は花を見ながらの尾根歩きだ。 腰掛けた石のそばにホソバトウキが咲いてい た。図鑑では知っていたがボクらははじめてみ た花だった。 |
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ミヤマアケボノソウ | ||
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尾根上に出てもさほど風がないので、全く 寒さは感じない。ただガスがかかっていて7, 80m程度の視界。 歩き出すとすぐにお花畑が出てきた。あー ちゃんが「これはすごい!この世のものとは 思えない!」と歓声を上げる。 ハイマツの稜線の下では、リンネソウやゴ ゼンタチバナもものすごい数で咲いている。 |
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ホソバトウキ | ||
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リンネソウ | ゴゼンタチバナ | |
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三ノ沢源頭部もたくさんの花々で埋め尽くさ れている。 北戸蔦別岳に着いた。ここで「七ツ沼まで、 これからどのくらい?」と言うので、「今のペ −スではあと2時間半かな?」 そのうち雨がポツポツ落ちてきた。すると、 「ここに張ろう!」とあーちゃん。雨はすぐ止 んだが、山頂後ろのきれいに整地されたテン場 に張ることにした。 多少風が出てきているが、岩の陰になって快 適。しばらく休んで、まだ夕方までには相当時 間があったため、カメラを持って花の撮影にそ の辺りを歩いてみた。 |
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テン場(翌朝写す) | ||
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エゾノウサギギク | タカネトウウチソウ | |
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イワブクロ | チシマフウロ | |
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ハクサンボウフウ | エゾヒメクワガタ | |
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ミヤマアズマギク | エゾツガザクラ | |
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イワヒゲ | ミヤマダイコンソウ | |
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チングルマ | エゾツツジ | |
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エゾノハクサンイチゲ | イワツメクサ | |
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その後、雨も降らず、風は山頂だからある 程度吹いているがテントは幸い岩の陰になっ て影響は受けない。 今日はボクらだけだろうと思っていた4時 ころに人の声がする。出てみたら8人のパー ティーが到着した。3張張るという。一つは 平らな場所があるが、結局残り2つは尾根上 傾斜地に何とか張っていた。 明日は、幌尻と1967に分かれて登り、 ここに終結して下山するという。 ボクらはここでもう一泊すると伝えたら、 「余裕があってうらやましいですねぇ。」と 言われた。 |
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チシマギキョウ |
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