入山届けには一週間前の6月3日にピ パイロまで入った記録がある。それ以降 人が入ってないのであれば雪上のトレー スは残ってないだろうな。 オオサクラソウが満開、水場にはエゾ ノリュウキンカが黄色の花を咲かせてい る。 前回、伏見の登りは意外ときつく感じ たので2時間半程度でゆっくり登ること にした。笹が刈られて道幅が広く見え、 笛を時々鳴らしながら登る。 ムラサキヤシオとオオカメノキは下の ほうでは開花しているが中腹はまだ紫の つぼみが少しあるだけ。 |
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ムラサキヤシオツツジ | ||
シラネアオイも2、3本。アラシグサ、 ツバメオモトもほとんどがつぼみ。 3年前は、ここまでの花はかなり咲い ていたので、その年以上に花の状況は良 くないのか、ツクモグサはまたも咲いて いないのかと不安がよぎる。 |
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シラネアオイ | ||
さてここからは少し予想外の展開。 今年は残雪が多いと聞いてはいたが、 1450m付近から夏道が雪に隠れだし、 テープを探しながらの登行が続く。雪上 はトレースもなくステップを切ったり、 滑った場合の負担を考えできるだけ夏道 をとることにしたが、雪がびっしり残っ ている。結局伏見の山頂までは雪を踏ん での登行が多く、普段以上に消耗した。 伏見山頂に到着。 勿論快晴。十勝幌尻から札内、エサオ マン、遠方にカムエクの姿も見える。幌 尻、戸蔦別、北戸蔦、1967、ピパイ ロ、そして右手にチロロが一望に見える。 すごい景色だ。早速カメラと三脚を出し て撮影。40分くらい時間を使った。 |
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ピパイロから幌尻にかけての稜線 | ||
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幌尻と戸蔦別 | エサオマン、札内方面 | |
ここまでは今年は残雪が多いと実感したが、これ以降の雪の状態は3年前とさほど違いはない ように感じた。今年は絶対咲いていると言い聞かせ、気合を入れなおしてピパイロへ向かう。 風もなく気温も高く穏やかな日和。尾根道をまずは鞍部まで下る。ここから先はまだ花は咲い ていない。1540mの鞍部までは一部夏道が隠れていたが、その後は雪の上を歩くことになる。 一度歩いている道なので安心感はある。軽アイゼンをはいてステップを切って行くが、50歩歩 いては立ち止まって呼吸を整えてまた登ることの繰り返し。 そのうち雲が出始め、霧も周囲にかかってきた。天候の悪化はないと思うが、帰りの事を考え て目印を確認しておく。 1800m付近で後ろから女性が一人登ってくる。足取りは軽く歩きが早い。トレース借用の お礼があり、今度はこっちがトレースを借りる。やはりずいぶん楽。それから100mほどで雪 面を抜けて尾根に出た。 |
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キバナシャクナゲが咲き始めていた。こ こにはまずこの花が先に咲く。ウラシマツ ツジも見られた。 11:20にピパイロ1917に到着。 幌尻や戸蔦の頭は霧で隠れてきた。北戸 蔦、1967はまだ視界良好。風がでてき たので長袖を着て山が隠れないうちに写真 を撮る。 山頂からの景色は伏見岳以上なのだが、 あいにく幌尻と戸蔦別は雲に隠れて見えな かった |
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ウラシマツツジ | ||
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1967峰 | 北戸蔦別岳 | |
1911に向けて5分ほど歩いた斜面 にツクモグサが姿を現した。すごい数だ。 大部分が開いた状態。午前中の太陽に 当たったのだろう。つぼみはほんの少し しか見えない。1株、2株のものが多い。 大きな株もある。大きな株、咲き始め たばかりの株を探しカメラに収める。今 が最盛期と言えよう。話には聞いていた がピパイロのツクモグサは素晴らしい。 ここにきて本当に良かったと感じた瞬間 であった。 |
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ツクモグサ | ||
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先ほどの女性が「何の花ですか?」と 聞いてきた。こっちは当然ツクモグサを 見に来たものと思っていた。 |
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コメバツガザクラ、ピパイロキンバイ も少し咲いていた。 携帯を出してみたら、なんとアンテナ が1本立っている。早速家に電話。お昼 を食べてあっという間に1時間45分が たってしまった。 |
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「お先に」といって下っていった札幌 の女性の後からピパイロを下る。という より伏見に登ると言う気持ちのほうが強 い。ここまで休憩を多めにしたが、雪の 登行で体力は消耗している。 18時には何とか戻りたいと思い、雪 渓を下る。ここはかなり早い。30分ほ どで1540mの鞍部に着く。 ここからは、先に下った人のトレース を使わせてもらいつつできるだけ夏道を 歩く。 日は差さないが視界は良好。伏見は見 えず途中の尾根と妙敷山がやけに高い。 |
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ピパイロキンバイ | ||
予想より早く伏見に着いた。菓子パン とチョコレートを食べて小休止し、残り の水の配分も考え伏見を出発。 ここはできるだけ雪上を歩いて5合目 に。登山口まであと1.5kmからが結 構長い。 沢の流れの音が強くなり、水場でたっ ぷり水分を取って17:10に登山口に 着いた。 |
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伏見までに雪が多く、以前より時間はかかったが素晴らしいツクモグサに出会えた。 伏見以降はアップダウンもあり結構長いので、帰りは30分に一本の休憩で歩いた。それで も足はさほど疲労感もなく、またピパイロに来ようという気になりながら戻ってきた。 満足感と達成感。特にツクモグサの美しさ。開花のすばらしい状況。そして思いがけない好 天。往復12時間の最高の一日だった。 登山口(5:10) 五合目(6:18) 伏見岳(7:52) ピパイロ岳(11:20) 山頂発(13:05) 伏見岳(15:30) 登山口(17:10) |
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