奥穂高岳


                        2018年8月27日〜29日


    年に一度長崎の友人Kさんと日本アルプスに登ることになっており、今年は奥穂高岳に
  挑戦したいとの要望があった。さらに二人の共通の友人Nさんも同行したいという。
   奥穂に行くには3つほどルートが考えられるが、Kさんに検討してもらい上高地から涸
  沢を通って往復するルートがいいとのことで行ってきた。

  一年に一度であるから何とか天気の良い日にと思い、数日前から天気図を眺めていて28日に登るのが
 最適と判断していた。体力を考えて前日に松本に泊まることにし、その日の出発間際にもう一度天気図を
 確認したところ、大きく変わっており天気は芳しくないことが分かった。南アルプスのどこかに変更も考
 えたが、予定通りに行くことにした。

   ≪1日目  
     沢渡から定額タクシーが出ていたのでそれ
  で上高地まで行く。バス代に比べて一人当た
  り150円高くなるだけなので便利だ。

   途中大正池付近から見えたが、奥穂も吊尾
  根も前穂も見えていた。

   河童橋では時々奥穂方面に雲がかかったが、
  今日はまずまずの天気。

   ここから横尾まで約11キロの道のりであ
  る。花はほとんど終わっているが、サラシナ
  ショウマのきれいな株が見られた。
    河童橋から穂高連峰
       Kさんは年一度のたつさんとの日本アルプ
    ス登山のため、2年前くらいからトレーニン
    グを兼ねて地元の九州の山に相当登っており、
    今年も月6,7回は行っていると言う。ただ
    ほとんど日帰りのため、3日間連続の行動に
    はやや不安があるという。

     Nさんは奥穂にも登っているがここ数年は
    3000m級の山に登っていないことに多少
    の不安を感じている。

     そんなスタートで明神で一度休憩を取り、
    徳沢を目指す。

     カニコウモリが群生しており、明神岳がず
    っときれいに見えている。
   サラシナショウマ  
 
   カニコウモリ 明神岳
     徳沢までの間には、キツリフネやクサボタ
  ンが見られた。クサボタンは花をつけている
  ものともう終わって実をつけているものが混
  在していた。

   クサボタンの実は木漏れ日にキラキラ光っ
  てきれいだった。

   梓川左岸の木々が開けたところで、多分蝶
  ヶ岳と思われる山容が遠望された。
    クサボタン
 
  クサボタンの実 蝶ヶ岳遠望
     徳沢を過ぎて新村橋付近ではミヤマアキノ
  キリンソウやタカネコンギクがたくさん咲い
  ていた。

   またガクウツギも見られた。

   横尾に到着した。
    ミヤマアキノキリンソウ
       横尾は晴天。ここまではほとんど日影の道
    であり、標高もあるので汗はほとんどかかな
    かった。

     ベンチはたくさんあるがどれも日向であり、
    仕方なくそこで昼食をとり、コーヒーを入れ
    てしばらく休憩する。
  ガクウツギ
       11:30に出発。横尾大橋を渡ってここ
    から登山道になるが、本谷橋まではゆるい登
    りであり、左手の屏風岩をぐるっと回りなが
    ら歩くことになる。

     もう真っ赤になった実をつけたゴゼンタチ
    バナがたくさん見られた。たつさんが「この
    植物は葉っぱが6枚にならないと花をつけな
    いから実のついている葉っぱはすべて6枚に
    なっている」と説明するとNさんが「4枚の
    葉が均等に開いているのに6枚になって均等
    になるのが不思議だ」と言っていた。確かに
    4枚から6枚にそれも均等に出る過程を見た
    ことはない。
  横尾大橋  
       少し行くと、サルノコシカケ科らしい形の
    キノコが木の幹にたくさん出ていた。色から
    して今年に生えたもののようだ。

     しばらく進むと屏風岩がその巨体を見せて
    くれる場所に着いた。Kさんが、「これはす
    ごい!! 感動した!!」と一声。
  ゴゼンタチバナの実  
 
  サルノコシカケ? 屏風岩
     本谷橋を過ぎてから今までよりやや斜度の
  ある登りになる。

   途中落石の見られるガレ場は、以前より整
  備されていたように感じる。ここにも中国語
  と韓国語の注意書きがあった。横尾あたりか
  ら気付いていたが涸沢でも韓国語の会話が飛
  び交っており、帰りの明神では台湾からの団
  体の登山客にも出会った。

   遠方に涸沢ヒュッテの赤い屋根が見えた。
    ナナカマドの赤い実
     涸沢からの流れが近くなり、あたりにはヒ
  ョウタンボクの赤い実やウラジロナナカマド
  の赤い実が見られるようになってきた。まだ
  葉は色づいていない。

   ヒュッテへ行く道と小屋へ行く分岐を過ぎ、
  ハイマツが切れるといよいよ涸沢カールだ。

   右手後方には常念岳が望めた。

   そして前穂から奥穂、涸沢岳、北穂がはっ
  きり見られた。Kさん「すごい景色だね!!
  こんなところが日本にあるんだね!!」
    常念岳を遠望 
   
  前穂、奥穂と涸沢岳
 

 


    翌日は今日よりも天気が良くないため、涸沢カール全体が見えたことだけでもたつさんはホッ
   とした。

    ほどなく涸沢小屋に着いた。

                                                                      ≪続く≫

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