ニセイカウシュッペ山


                         2012年6月15日


 ツクモグサを見られる山の6番目としてニセイカウシュッペ山を選んだ。まずはツクモグサのある
場所を特定すること、そしてできるだけいい状態のツクモグサを見ることが最大の願望であったが、
何とか適えられた。



  ニセイカウシュッペ山は日本三百名山の一つである。ここは全国的にはあまり知られていない山であるが、
 花好きにとっては人気のある山である。ここにツクモグサがあることは知られているが、通常の登山ルート
 では見られないだろうと思っていた。
  いろいろ情報を集めてみると、比麻奈山へいくルート上にありそうだ
  ツクモグサの咲き始めの時期はどこの山でも6月上旬であり、この時期に行くのが最も良いが、あるHPで
 は中旬でもきれいに咲いていたので、今回は6月中旬で計画を立てた。

     5時過ぎに上川のキャンプ場を出たときは
  曇り空だったが、古川林道に入るとだんだん
  晴れてきた。

   駐車場には車は一台もなかった。準備をし
  て6時に歩き出す。

   歩き始めた頃はもう上空はすこぶるつきの
  青空になってくれた。歩き始めてすぐに頂上
  まで5キロの標識があった。今日はトータル
  12〜3キロになるだろう。

   道の両側にはコミヤマカタバミ、ヒロハヒ
  メイチゲ、ミツバオウレン、ツバメオモト、
  サンカヨウなどの初夏の花が現れる。
     ツバメオモト
 
    尾根の腹をトラバースするころ日陰に残雪があった。

    尾根に乗って少しで見晴台に着く。

    大雪連峰が素晴らしい。手塩岳が北に、南西方向に芦別、遠く夕張も見渡せる。石狩連峰や
   ニペソツも。

   
   大雪連峰
 

 

   
   帯広の知人からの情報で、今年は残雪が少
  ないと聞いていた。

   6月のこの時期は登山道の左の斜面に雪が
  相当ついており、トラバースも慎重にしなけ
  ればと思っていたが、実際歩いてみると同じ
  時期の記録をネットで見たものと比べても、
  ずっと少ないのが分かる。

   大槍とのコルまでで、3回ほど雪の斜面を
  トラバースしたが、せいぜい15〜20メー
  トルくらいの幅で、下の雪の量もそれほど多
  くはなかった。


   雪解けすぐに咲くショウジョウバカマもき
  れいな花をたくさん見せてくれている。
   ショウジョウバカマ
      ニセイカウシュッペも青空の中で姿を現し
  た。

   ジンヨウキスミレが数は少ないが時々顔を
  出す。
    ニセイカウシュッペ山 
      
     キバナシャクナゲも見え出した。この花は
    このあと山頂付近まで間断なく咲いていて素
    晴らしい。またこのあたりから、花の種類が
    俄然多くなってくる。

     天気は抜群。こんな景色を二人締めして申
    し訳ないような気持ちで花を撮りながら歩く。

     エゾノハクサンイチゲ、エゾノツガザクラ、
    エゾコザクラが出てくる。

     ミネズオウやミヤマキンバイも現われ、ま
    だふっくら丸くはなっていないがアオノツガ
    ザクラも見られた。

   ジンヨウキスミレ  
 
  キバナシャクナゲ エゾノハクサンイチゲ 
 
  エゾノツガザクラ ミネズオウ
      
   道が北に向かい、山頂手前のコルに近づく
  とジムカデやミヤマタネツケバナ、コメバツ
  ガザクラなどが新たに見られた。
   
   エゾノハクサンイチゲやミヤマキンバイも
  ところどころで咲いている。

   コルに着くと東側が視界に入る。比麻奈山
  へ続く吊尾根があり、そこに通称アンギラス
  と言われるピークが屹立として見えた。今日
  はここへツクモグサを探しに行く。

   足元に目をやれば、チングルマやイワウメ
  のカーペットが広がっている。

   通称アンギラス
 
  チングルマ  イワウメ 
      
   コルから踏み跡があり、ハイマツをくぐっ
  て東南方向に下る。ここは雪が付いているが
  少なく、ほんの30mくらいでその先に踏み
  跡が見える。

   来た方向を振り返ると、大槍、小槍のさら
  に後方に大雪連峰が控えていてすばらしい景
  色だ。

   ササがコルまで覆っているがはっきりとし
  た跡が続いている。この間にもジンヨウキス
  ミレやエゾノハクサンイチゲなどが見られた。

   しばらく下って1740の鞍部に着く。
   ここも少し雪がついているに過ぎない
    大槍、小槍とバックに大雪連峰
       
     そこから岩壁を登り、ハイマツくぐりを何
    回か繰り返しながら、ツクモグサを探す。
     アンギラスは1830だから、そこまでの
    間にあるだろう。この間にもエゾコザクラや
    ミヤマキンバイ、エゾノハクサンイチゲなど
    がところどころに見られる。

     また、チシマアマナも見られた。

     しかし、ツクモグサの姿はない。
     1815あたりでその上は岩肌ばかりなの
    で引き返す。1800より下にあるはずと戻
    りながら探してみる。そして、ついに見つけ
    た。
  ミヤマキンバイ  
 
  エゾコザクラ  チシマアマナ 
 
   かなり大きな岩肌にぽつんぽつんと見える。
  行きの見つけ方が悪かったのだ。
   下ばかりを探していて周りを丹念には見て
  いなかったのだ。

   友人も見つけてくれた。6箇所で株が見え
  たが、写真に取れるのは2箇所でそれ以外の
  ところは望遠でも十分な大きさには撮れなか
  った。

   でもとうとう6つ目の山でツクモグサが見
  られた。咲きはじめというわけにはいかなか
  ったが、まだ少し開いた株だった。
     
 
     
 
   コルに戻って、山頂へ向かう。ここもキバ
  ナシャクナゲが道の両側で見事に咲いていた。

   しばらく休んで360度の大展望を楽しん
  だ後、下った。帰り道でのニセカウも快晴で
  ほぼ無風の素晴らしい行程だった。

    帰り道でのニセカウ 

   ツクモグサの咲く山の6番目として、ニセイカウシュッペに登った。
    ツクモグサにまだ強い関心を持っていない頃に一度登ったことがあり、その登山道を思い出してみたが、
   途中に咲いていそうなところはないだろうと思った。いろいろ情報を得て、アンギラス方面にその存在を
   知った。ニセカウにツクモグサがあるというのは正しいかどうか疑問も持つ。

    それにしても快晴無風の素晴らしい一日だった。何はともあれツクモグサのある6つ目の山で会えたこ
   とが最大の収穫だった。

 


  登山口6:00 見晴台7:42 コル9:20 アンギラス山頂付近10:35 ニセカウ山頂11:25 

  山頂発12:15 見晴台13:00 登山口14:12 
  


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