ニペソツ山


                          2014年6月2日


   2012年6月中旬、ニペソツでいい状態のツクモグサを見たいと計画した。ほかの山との
 関連でその時期にしたのだが、この年は5月下旬から開花したとの情報が入り、行ったときに
 は終りの状態だった。そこで今回は、あくまでもツクモグサ狙いでこの時期にした。



  今年のニペの情報は、ここにくるまでは先月25日のものしかなく、花は全く咲いていなかったという
 ものだった。ニペで初めてツクモグサを見たのは5年前のことで、咲いていた場所がやや意外なところだ
 った。その後もう一か所で見つけたが、どちらにしても日当たりが良いところで、開花から数日後までの
 時期を予想するのは難しい。6月上旬ならばほぼ間違いないだろうと目論んだ。

     この時期に登るのは初めてである。おそら
  く前天狗の途中まで残雪で夏道はまだ出てい
  ないのでルーファイが必要だが、トレースが
  残っているとなるとありがたい。ただ、この
  ところ晴天で気温が高いため融雪も早いと考
  えられた。

   十六の沢の登山口には4時半頃ついた。

   早速入山者記録を見ると、5月31日に一
  人、6月1日に5人が書かれていた。そして
  この日、一人の入山者があった。トレースが
  ありそうだ。
    コミヤマカタバミ
       小天狗付近までは樹林帯であり、この間に
    咲いていた花は、ムラサキヤシオツツジ、コ
    ミヤマカタバミ、ヒメイチゲ、エンレイソウ、
    コヨウラクツツジ、ミツバオウレン、ミズバ
    ショウであった。

     ズダヤクシュやツバメオモトもあったが、
    まだ蕾だった。
  エンレイソウ  
     ところどころ夏道に雪が残り、小天狗手前
  の大きな岩辺りはかなりの残雪が北斜面にあ
  った。

   無風で静か。聞こえるのはウグイスとほか
  の鳥の声だけ。

   前天狗手前のピークはかなりの残雪で、そ
  の手前の天狗のコルは残雪の下であり、この
  周辺で見られる花々も今は雪の下だ。

   ここから1700mくらいまでは夏道は出
  ていないと考えられる。先行者や前日登った
  人のトレースが見えたのでそれを使わせても
  らえるので助かる。
    前天狗と手前のピーク 
     ハンノキとハイマツの道を超えると視界が
  開けてきて、石狩連峰の奥に旭岳が、そして
  トムラウシがくっきりとその姿を見せてくれ
  た。

   この辺りからは道上の雪は消えて夏道を歩
  くことになる。


  石狩連峰と奥に旭岳
       何という素晴らしい景色だ!!

     ここは何回も来ているが、最高の日和だ。

     花は、ハンノキの一部が咲き始めたほかは、
    ウラシマツツジがやっと咲き始め。この辺り
    で見られるイワウメやミネズオウはまだ全く
    咲いていない。

     ここ2,3日、北海道は真夏のような天気
    だそうで、昨日道内に入ったが素晴らしい青
    空であるが気温も30度を超えていた。

     この陽気で花も一斉に開いたかなと思って
    いたがそうでもなかった。
  トムラウシと右手忠別岳からの五色が原一帯
 
   姿を見せたニペソツ山
 
   そして前天狗に出て、ニペが姿を現した。

   前天狗に着くと、20代と思われる女性が
  休んでいた。挨拶をし、少し話をしたら、何
  ともう山頂に登って戻ってきたところだとい
  う。凄い健脚だ。4時に登山口を出たという
  から、まだ4時間でここまで戻ってきている。

   「花はありましたか?」とツクモグサのこ
  とは口に出さずに聞いてみたら、「全然咲い
  ていませんでした。」と下山していった。

   歩き始めようとして足もとにエゾコザクラ
  が一株咲いているのに気付いた。
     
    エゾコザクラ 
 
    その女性は、花がなかったというが、残雪が少ないこの状況なら絶対ツクモグサは咲いている
   はずだ。

    そのうちの一か所は山頂から降りてきた人ならまず気が付く場所に咲いているからだ。そして、
   必ずいい状態で咲いているはずという確信をもって歩きだした。ニペと十勝連峰が素晴らしい。

   
  ニペと遠方に十勝連峰 
     天狗岳を巻いて一旦大きく下る。その付近
  に一つ目の咲いている場所があるが、たつさ
  んも見逃してしまった。

   ここは行きには見えにくいところにあるこ
  とも事実だが、ちょっとがっかりして、もう
  一か所山頂付近に行くことにした。

   ありました!

   咲き始めのツクモグサが!!
  ニペソツ山山頂部 
 
 
       ニペソツで初めてツクモグサを目にしてか
    ら5年経ってようやく見ごろの花が見られた。

     山頂まではあとわずかではあるが、今回の
    目的を果たしたのでしばらくあたりを眺めて
    から、もう一か所を見るべく下山する。

     やはりきれいに咲いていた。道の両側にあ
    るので、片方は行きに見つけられたはずだっ
    たのに・・・と思いながら写真に写し、最高
    の気分で登山口に戻った。

 
     
 
   
         前天狗で出合った女性が花は咲いてなかっ
    たといったのは、先を急ぐあまり足元を見て
    いなかったか、花にはあまり興味がなかった
    のかもしれない。

     ここのツクモグサは日当たりの良い場所に
    あるため、咲くのも早いが終わるのも早い気
    がしている。

     一般的にはこの花は6月中旬と言われてい
    るが、ここニペではいい状態の花は5月下旬
    から6月上旬までのようだ。
 
 

 


    天狗平から上で見られた花は、キバナシャクナゲが数輪とショウジョウバカマだけだった。

    いずれにしても来る時期が予想とぴったりだったし、暑くはあったが最高の天気に恵まれたニペ
   ソツだった。


    登山口 4:45  小天狗近くのピーク 6:35  前天狗 8:05  ニペ山頂手前

    9:40  前天狗 11:25  登山口 14:04



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