<1日目> | ||
広河原から歩き始めて間もなく、林の中に 一株のオオウバユリが目に留まった。 北岳にはこの10年、毎年来ているがこの 花に出会ったのは初めてだ。良く見ると先端 部分が残っていてその下に花がついている。 以前北海道に住んでいた時に、ある林の中 でオオウバユリの群生を見つけ、翌日写真を 撮りに行ったらほぼなくなっていたことを経 験している。 シカの食害に遭ったのだ。この株も多分ま だ芽が出始めの時にシカに食べられたが、そ の後、成長しても食べられずに残った株だと 推測がついた。先端部分が変に残っているの はその跡なんだろう。ほかに見渡してもこの 一株だけしかなかった。 |
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オオウバユリ | ||
昨年もほぼ同じ時期にこのコースを歩いて いるので、昨年の花の状態を思い出しながら 歩く。 今年はピンクのシモツケソウが多く、また この時期にもうキツリフネやクサボタンが咲 き始めている。 同じように咲いているのは、ヤマアジサイ やオニシモツケ、ヤマホタルブクロ、カイタ カラコウなどだ。 日曜日とあって下山してくる登山者とすれ 違う。 |
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オニシモツケ | ||
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大樺沢を最初の橋で右岸にわたる手前から タマガワホトトギスが咲いていた。 右岸にわたった後で、バイカウツギもまだ 残っており、その後咲き始めのレイジンソウ が2株あった。去年はまだ咲いていなかった。 風もなく湿気が多いのでかなり汗をかく。 小沢を渡る近くにヒロハコンロンソウが残 っていた。 「このあたりがここで一番急なのよね。」 とあーちゃんが言うところにはコバノイチヤ クソウが3株ほどあったが終わりかけだった。 |
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タマガワホトトギス | ||
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レイジンソウ | ヒロハコンロンソウ | |
大樺沢を左岸にわたり、沢沿いに開けてく る道の手前でシロバナエンレイソウが咲いて いた。この花も北岳では初めて見る花だ。 あたりを眺めると、沢沿いの残雪が消えて それほど経っていないようで、そのお蔭でこ の花に出会えたようだ。オドリコソウやツマ トリソウも咲いていた。 沢にはまだ残雪があり、ミヤマハナシノブ やタカネグンナイフウロがたくさん見られる。 去年は沢の上部にも雪渓はなく、これらの花 はとても少なかった。 |
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シロバナエンレイソウ | ||
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ミヤマハナシノブ | タカネグンナイフウロ | |
二股周辺の花は見事だった。 上の2つに加えて、ミソガワソウ、イブキ トラノオ、タカネナデシコ、ムカゴトラノオ、 ハクサンフウロなど。「今年の花は見事ね!」 とあーちゃん。 二股から御池小屋の道にはマルバダケブキ やセンジュガンピ、セリバシオガマ、カニコ ウモリが咲いており、オオハクサンサイコが 一株花をつけていた。 たつさんが北岳で初めて見た花だ! |
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オオハクサンサイコ | ||
<2日目> | ||
御池小屋のテン場は混んでなく、ほぼいつ ものところに張った。 今年は9年ぶりでテントを新調した。 4時過ぎに起き、外を見ると北岳山頂は次 第にガスが切れ、池山吊尾根方面もくっきり 見えるようになってきた。 戻ってくるまで雨には降られないだろう。 |
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二股から大樺沢沿いを歩く。上空には青空 が広がってきた。 ミヤマハナシノブ、タカネグンナイフウロ、 イワオウギ、シロウマオウギ、タカネスイバ、 ヤマガラシなどがたくさん咲いている。去年 の花の少なさを思い出すと大きな違いだ。こ この花の量の多少は大樺沢の雪渓の残り具合 に関わるようだ。 黄色のミヤママンネングサも現れる。ヨツ バシオガマはこの辺りではもう終わりかけだ った。 あとでも述べるが気になったのはオンタデ が以前にもまして多かったことだった。 |
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イワオウギ | ||
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シロウマオウギ | ミヤマハナシノブ | |
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花とバットレス | ||
北岳バットレスがだんだん近づてきて、ク ルマユリが4株、きれいにならんで咲いてい た。 |
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クルマユリ | ||
上二股を過ぎ、八本場のコルまでの最後の 梯子段に取り掛かる。 一つひとつの梯子は長いものではないが、 次々と現れ、今までもいくつあるか数えよう としたことがあったが途中で数えることをあ きらめた。おそらく20個以上はあるだろう。 途中にハクサンシャクナゲが咲いていた。 北岳でこの花が見られるのはここだけのよ うである。 振り返ると鳳凰三山が見え、右手にバット レスがそびえている。 |
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ハクサンシャクナゲ | ||
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鳳凰三山 | 北岳バットレス |
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