<1日目> | ||
芦安の駐車場は満車状態で、下の第5駐車 場にしか停められなかった。ここに停めざる を得ないのは何年ぶりかだ。 タクシーの運ちゃんの話では、今朝の始発 はバスが10台、タクシーが10台出たそう だ。北岳には限らないが、かなりの人が山に 入ったようだ。 広河原から歩き出す。 キツリフネはいつもより咲いている数は少 なかった。クサボタンは相変わらず咲いてお り、白のクサボタンも見られた。ほかにホソ バハナウド、キオン、オオバショウマ、ハン ゴンソウなどがあった。 |
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キツリフネ | ||
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クサボタン | ホソバハナウド | |
大樺沢を橋で右岸にわたると、コウシンヤ マハッカ、レイジンソウ、サラシナショウマ などが見られた。トリカブトが見られるが、 この花はたつさんには同定が難しい。 おそらく昨日か今日、雨が降ったのだろう。 道はところどころぬかるみもあり、沢の水量 もあった。 さらに登って左岸にわたり、二股に至る。 ここから御池小屋の間には、カニコウモリ、 セリバシオガマの群落があり、オクモミジハ グマが咲き始めていた。 |
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サラシナショウマ | ||
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御池小屋の前には大勢の宿泊客が寛いでい た。今日は満員で一枚の布団に二人だそうだ。 テントも相当な数があったが、運よくいつ もの場所近くに張ることができた。 体を豊富な南アルプスの天然水で拭い、ビ ールで安着を祝ったあと、フライパンを出し てバーベキューとしゃれ込む。 家でカットして持ってきた野菜と牛バラ肉 を塩コショウで味付けて食べた。ここは時間 的にもこういうことができるのでとても素晴 らしい場所だ。Kさんはフライパンで熱した 輪切りトマトにいたく感動し、「美味いね、 これ!」 そのあとは、定番の焼きそばで仕上げた。 |
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オクモミジハグマ | ||
<2日目> | ||
3時半過ぎ、隣のテントが起きだしたので、 目が覚め外に出たら満天の星だった。 その後は霧が出てきて星は見えなくなった が、さほど濃い霧ではない。 昨日、隣のテントの人は、北岳に登って帰 ってきたところだったが、山頂稜線は風がと ても強かったそうだ。また、ここ数日は雨が 降って好天は続いていなかったそうだ。 今日の天気予報も、曇り一時雨だった。た だ、出発時は山頂部に朝日が当たって、オレ ンジに染まっていた。 |
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北岳山頂部 | ||
Kさんは北岳は初めてである。一緒に山に 登ったのは2年前の八ヶ岳だ。彼はここで自 分の体力のなさを痛感し、今回は独自のトレ ーニングを積んできたそうだ。 それでも一抹の不安があるらしいので、今 日は草すべりは登らず、二股から右股ルート で小太郎分岐を目指すことにした。こちらの 方が距離は長くなるが、急な登りが少ない。 草すべりルートと合流する手前の草地では、 ミヤマシシウドが群生していた。合流した後 の草地にも天を突いて花を咲かせているミヤ マシシウドが見られた。 |
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ミヤマシシウドのお花畑 | ||
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樹林帯ではマルバダケブキが大きな群落を 作っていた。花はもうほとんど終わりの状態 だったが。 コバノコゴメグサ、ハクサンフウロ、イブ キトラノオ、ウメバチソウ、オヤマリンドウ などの花が見られる。 ここは夏の始めはシナノキンバイの大群落 が見られる場所であるが、今は一つも咲いて いない。 |
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ミヤマシシウド | ||
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イブキトラノオ | オヤマリンドウ | |
Kさんのペースが落ちてきた。酸素が薄く なってきて呼吸が苦しいという。立ち止まっ てしばらくすれば元に戻ってまた歩き始めら れる。人によって心肺機能も異なるし、自分 のペースで登ってくれることを願う。 小太郎分岐手前にはまだきれいなウサギギ クが残っていた。 小太郎分岐に差し掛かった時、Kさんに先 に行ってもらう。と、「おーっ! これはす ごい!」 山頂部は雲に覆われていたが、仙丈岳が眼 前に姿を現した。 |
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ウサギギク | ||
山全体に雲が多く、甲斐駒は見えないし、 中央アルプス方面も雲の中だった。でも今ま で歩いてきた途中ではこんな風景は見えなか ったので、そのことだけでも新たな元気が出 てきたのではないだろうか。 雄大な景色をしばし眺める。 肩の小屋に向けて歩き始めると、その途中 にシロバナタカネビランジが一株だけ見られ た。ここの道でこの花を見るのは初めてだ。 色も名前の通り真っ白だった。 |
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シロバナタカネビランジ |
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