北 岳


                       2013年6月28日~29日


  今年の北岳は情報では山頂付近の雪解けが早く、キタダケソウは6月上旬から咲き始めたとの
 ことだった。広河原までのバスの開通が25日なので、できるだけ早い時期に行きたいと思って
 いた。
  天気予報は7月に入るとよさそうだが、この時期なので確実性は少ない。26日と30日には
 予定が入っているのでその間に行くことにした。

  今回は最初から北岳山荘に泊まる予定で出発した。大樺沢沿いに二股まで行けることがわかったので、
 まずは二股まで行ってその先、八本場を経由するか右股コースを行くか、その時の状況で歩くことにした。
  この時期、北岳から山荘までの尾根道を歩いたことがなかったので、右股から小太郎分岐に出るルート
 をとり、翌日トラバース道が通れるならそこから大樺沢を下りることにした。

   <第一日目>  
     広河原山荘を6:45に出発した。
   
   天気は曇り。風はまったくない。

   大樺沢を右岸にわたる最初の橋までの道は、
  両側の木々が刈られており、少し広々とした
  ものになっていた。

   オククルマムグラやヒロハコンロンソウ、
  ミヤマカラマツ、タチカメバソウ、サンリン
  ソウなどの初夏の花が咲いていた。

   ミヤマバイケイソウがたくさん咲いていた。

   左岸にわたる場所は、雪渓がたくさん残っ
  ており、橋もまだかけられない状態でだった。
  これほどの残雪の量は初めて経験する。
    ミヤマバイケイソウ
       
     左岸にわたる橋が架けられていないときも
    過去一度あって、その時は御池ルートを登っ
    たが、それ以外では大樺沢の雪の量は相当な
    ものだと思った。雪解けが例年より早いとの
    情報は山頂部のみか?

     一旦夏道に入って、しばらくすると雪渓を
    歩くようになるが、夏道も出てきている。

     そこで夏道のほうをとってみたら、ツマト
    リソウがきれいに咲いているところがあった。

     ツマトリソウは八本場のコルでも北岳山荘
    周辺でも見たことがあり、広く分布している
    ようだがこのあたりで見たのは初めてだ。
  左岸にわたる場所の雪の量  
        二股のバイオトイレはまだ設置されていな
    い。これはこの時期例年通り。
     御池小屋の人たちが標識を立て直していた。

     二股周辺の雪の量もかなりのものだ。この
    分だと大樺沢から八本場へのルートの花々は
    相当遅くまで見られるだろう。
  
     見通しは悪くはないものの、霧がかかって
    おり、時々ポツリポツリと来るがレインウェ
    アを着る状況にはなく、また風もない。

     右股に入ってすぐ、トガスグリを初めて見
    た。また、その先にはキバナノコマノツメが
    ずっと咲いていた。
  ツマトリソウ   
 
  トガスグリ   キバナノコマノツメ
     
   サンリンソウも咲いており、ヤマハタザオ
  も3株ほど咲き始めが見られた。

   御池ルートとの合流点あたりでは雪解け直
  後に咲くショウジョウバカマがたくさん見ら
  れた。

   ミヤマキンポウゲもほんの少々。ミヤマキ
  ンバイはまだ蕾だった。

   このあたりは雪が少なく、小太郎分岐付近
  も残雪はあるがその上を歩かなくても行けた。
  
   その状況を見ると山頂付近の雪解けは早い
  というのがわかる。
  サンリンソウ
       小太郎分岐に到着。

     仙丈岳など周囲の山はまったく見えないが、
    素晴らしいお花畑が展開した。

     ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、チシマ
    アマナ、オヤマノエンドウ、キバナシャクナ
    ゲ…。

     特に今年はチシマアマナがたくさん咲いて
    いる。また、ハクサンイチゲも北岳山荘まで
    びっしりと咲いていてほぼ全部が見ごろだっ
    た。
  ショウジョウバカマ
 
   チシマアマナ  ミヤマキンバイ
 
  ハクサンイチゲ オヤマノエンドウ
     キバナシャクナゲはこのあたりでは花が終
  わっているものも多かったが上に行くと旬の
  状態のものも見られた。

   イワウメやコメバツガザクラは少ないよう
  に感じた。また、ウラシマツツジも見られた
  が花が例年よりずいぶん小さいものが多かっ
  た。

   イワカガミもたくさん見られた。イワカガ
  ミは北岳山荘付近や八本場のコル周辺でもず
  いぶん見られた。

  キバナシャクナゲ 
 
   ウラシマツツジ イワカガミ
    
   小太郎分岐で稜線に出ると多少風があった
  ので長袖を着た。

   次々と出てくる花を、いちいちザックを下
  して撮っていると結構時間がかかる。小太郎
  分岐から肩の小屋まで1時間近くかかった。

   肩の小屋で1時間近く休憩。お昼を食べ、
  お汁粉を注文。休んでいると小屋に次から次
  へと電話がかかってくる。いずれも今度の土
  日に来たい人たちのようだ。雪の状態や大樺
  沢を登れるかなどきいている。

   北岳に向かう。キタダケナズナやミヤマタ
  ネツケバナ、クモマナズナなどの同じような
  花がこれもたくさん咲いている。

   キタダケナズナとクモマナズナの違いはこ
  れまでに学習したので今回は葉っぱの根元や
  葉裏に毛があるかないかなど時間があるので
  ゆっくり見てみた。
  キタダケナズナ
 
   クモマナズナ ミヤマタネツケバナ
     北岳に到着。誰もいない。景色はまったく見えない。

   10分ほどたってもう一人登ってきただけだった。

   ここからの下りも見事なお花畑が続く。八本場への分岐を少し下ってキタダケソウを確認して山荘に
  向かった。
   
 
     山荘近くになってようやく霧が薄くなって
  北沢方面とトラバース道を歩いている一行と
  山荘が見えた。
  やっと見えた周りの景色

トップに戻る   次のページへ  山の花の道に戻る