〈第一日目〉 | ||
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御池までなのでゆっくり歩くが、気温も湿度も高くて最初から結構汗が出る。水は二人で1リッ トルくらいで、途中、たつさんが湧き水と思っているところで取れるのでそこまでの量があればよ いと思っていたが結構消費した。 黄色のキツリフネが現われ、これはしばらく続くがまだ時期が早いせいか数は多くない。一度、 8月下旬に咲き乱れている光景を目にしたことがある。 カイタカラコウやヒメシャジンが咲き始めていた。 |
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カイタカラコウ | ヒメシャジン | |
足元にはノブキやミヤマタニタデ、ヤ マトウバナ、ミツバなどの小さな花もあ り、ピンクのシモツケソウも結構咲いて いた。 ノリウツギが白い花を咲かせ、クサボ タンも蕾が開いてカールした花が見え始 めている。あーちゃんが「こんなにたく さんのクサボタンを見たのは初めて」と 言っていた。 |
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ノリウツギ | ||
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御池ルートとの分岐付近で、以前に レンゲショウマをみたことがある。4 年前のちょうどこの時期だ。今回は行 きも帰りも見つけることができなかっ た。 タマガワホトトギスもいくつか姿を 見せていた。 大樺沢に架かる最初の橋の付近では、 ハンゴンソウやキオンが見えた。 また大きな岩の上にコウモリソウも あった。 そこからレイジンソウが薄い紫の花 をつけ、道の左側で目を楽しませてく れる。 コウシンヤマハッカもようやく花を つけ、ホソバハナウドも咲き始めてお り、センジュガンピがいくつか現われ た。 |
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クサボタン | ||
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レイジンソウ | コウシンヤマハッカ | |
このあたりからクロクモソウが見え出 した。クロクモソウは二股上部まで、岩 陰にかなり見られた。 空が曇ってきて、雨が降り始めた。た いした雨ではないだろうと思ったが念の ためレインウェアを着る。少し歩くとま た明るくなってきて、しばらくして雨は やんでくれた。 冷たい湧き水のところでペットボトル に汲みのどを潤す。「冷たくて美味しい ね!」 |
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クロクモソウ | ||
二股付近になって、花がたくさん見られるといういつもの光景が見られない。オンタデなど がかなり茂っており、いつもなら目にするミヤマハナシノブやグンナイフウロ、ミソガワソウ がほとんどない。 沢の水量も少なく、二股への途中では伏流して沢音が聞こえないところがある。 大樺沢の雪渓は上部二股付近に少し見えるだけ。 今年は2週間前にここを歩いているが、その時にもう二股付近は残雪がなかった。 またこの時期には過去2度来ているが、こんなに残雪がなく花の少ない二股付近は初めてだ。 そんなことを話しながら御池についてテントを張り、汗を冷たい水を浸したタオルでぬぐっ てビールを一気に飲んだ。御池は冷たい水が豊富なのが嬉しい。 |
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〈第二日目〉 | ||
朝は快晴で風もない。 今日は八本場のコルから北岳山荘への トラバース道を行き、山荘から北岳山頂 に登って小太郎分岐から草すべりを降り るルートをとるにした。 御池から二股までの道にはセリバシオ ガマが咲いている。われわれが北岳でこ の花を見るのはここの場所だけだ。 風がほとんどないのにこの花はよく揺 れるのでなかなか撮りにくい。 |
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セリバシオガマ | ||
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そして圧巻だったのはマルバダケブキ だ。 道が横切る斜面の上から下にかけて相 当数の花が今が旬といった感じで咲いて いた。 あーちゃんが「こんなにたくさんのフ キははじめて見るね。」と言っていたが まさにこれだけ一斉に咲いているのはす ごい。 そしてこれ以上の光景が、帰りの草す べりの斜面でも見られた。 |
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マルバダケブキ | ||
二股から上にも花は少ない。いつもな らバットレスを望む斜面は花だらけなの に、イブキトラノオ、タカネナデシコ、 イワオウギ、タカネスイバなどがひっそ りある程度。 それでも高度を稼ぐうちに、ようやく ミヤマハナシノブが出てきた。タカネグ ンナイフウロ、ミヤママンネングサも少 し残っていた。 上二股付近になるとクロクモソウやヨ ツバシオガマ、ミヤマキンポウゲ、モミ ジカラマツなどが見られ、このあたりは 数は少ないものの今までと同じような状 況だった。 はしごを越えて八本場のコルに到着。 間ノ岳がきれいに見えた。 |
![]() 八本場のコルからの間ノ岳 |
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八本場のコル付近にはシロバナタカネビランジがいつもどおり咲いてくれていた。 吊尾根を少し歩いて花を探してみたが、どうも今年は咲き終わっているものが多く、チシマギ キョウの比較的大きな群落が目を引いただけだった。 |
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シロバナタカネビランジ | チシマギキョウ | |
ここまでは二人ともややがっかり状態 だったが、シロバナタカネビランジを見 て元気を取り戻し、トラバース道に入っ た。 トラバース道は入ってすぐにキンロバ イが多く咲いており、黄色い絨毯のよう に見えた。 さらにタカネナデシコ、ハクサンフウ ロ、ミネウスユキソウ、ハゴロモグサ、 イブキトラノオ、コウリンタンポポ、ム カゴトラノオ、ミヤマウイキョウ、タカ ネシュロソウ、ミソガワソウ、タカネシ オガマ、シロウマオウギなどが素晴らし い。 あーちゃんも「今までで一番かも。」 晩夏の花、キタダケトリカブトはほん の数株のみで、キタダケヨモギはまだ蕾、 トウヤクリンドウは一株も咲いてなかっ た。 |
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キンロバイ | ||
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トラバース途中のお花畑 | キタダケトリカブト | |
北岳山荘近くではまだアオノツガザクラやハクサンイチゲの残り花があった。タカネヤハズハ ハコも花をつけ始めていた。 山荘に着いて霧が少しかかってきた。それまで快晴で風もほとんどなく蒸し暑さで水分を相当 要した。水を補給し、持っていったパンを口にしようとしたがなかなかのどを通らない。しかし 日がさえぎられてきたので随分楽になった。 持参の食料ではのどに通らないと分かったので、肩の小屋でうどんを食べることにして、ゆっ くり休憩後、山頂を目指す。 |
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