〈第二日目〉
      今朝は快晴。雲海の彼方に富士山が見えた。

   あーちゃんが少し頭が痛い、胃もむかむかするというので昨日親切に声を掛けてくれた診療所へ
  行く。随分と丁寧な問診と薬をいただいた。軽い高山病らしい。高山病は下山するのが一番なのだ
  が、それほどでもなく、かかってしまった大きな原因は水分の補給不足らしい。

 
  早朝の富士山
 
      パンとコーヒーで朝食を摂って二人
   で間ノ岳へ向けて出発する。今日は、
   アタックザックに必要なものを持つだ
   けなので気分的にも楽。

    風もなく、さわやかな3000メー
   トルの稜線歩きである。

    コバノコゴメグサ、チシマギキョウ、
   ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、タ
   カネツメクサなどが朝の光に映えてい
   る。

    
   
    チシマギキョウ
      中白根への急坂を登る。仙丈ケ岳に加
   えて甲斐駒ケ岳も八ヶ岳も見えてきた。
   北アルプスは雲に隠れていたが、中央ア
   ルプスや塩見岳などの南アルプスなどの
   360度の展望が得られた。

    ミヤマダイコンソウ、タカネニガナ、
   シコタンソウなどがあたりに咲いている。

    あーちゃんが「ここで待つか、テント
   に戻っている。」というので一人で間ノ
   岳へ向かう。
  ミヤマダイコンソウ  
 
    中白根にはテガタチドリの群落が
   あると、ものの本に書いてあるが、
   2年前に来たときも今回も見あたら
   なかった。もっとも20数年前の記
   述なのでその当時は確かにあったの
   だろうが、何らかの理由で減少した
   ものと思う。

    それでもシコタンソウやタカネツ
   メクサ、ミヤマミミナグサ、イブキ
   ジャコウソウ、ミヤママンネングサ
   などの小さな花が群生している。

    ミヤマオダマキもあった。
    チョウノスケソウも種子を付けて
   いた。
 
     ミヤマオダマキ
   
   間ノ岳への稜線  チョウノスケソウの実
     
    間ノ岳到着。
    農鳥へ向かう登山者もいるが、軽装
   の間ノ岳往復の人たちも多く、ここか
   らの富士山の眺めを楽しんでいる。

    北岳もより鋭くとがった姿がここか
   らは見られる。

    間ノ岳には、好湿性のヒメイワショ
   ウブやミヤマアケボノソウが見られる
   と書いてある本があったが、ミヤマア
   ケボノソウを探してみたが見当たらな
   かった。

    でもここは残雪が遅くまであるせい
   か、チングルマやハクサンイチゲもた
   くさん咲いていた。また、アオノツガ
   ザクラやコイワカガミやキバナノコマ
   ノツメ、タカネイブキボウフウ、タカ
   ネシオガマ、ムカゴトラノオ、イワギ
   キョウもあった。
  間ノ岳からの北岳  
 
   チングルマ  キバナノコマノツメ
        山荘のテン場に引き返す途中で、ムカ
   ゴユキノシタの一株が見られた。また、
   トウヤクリンドウの開いている株が一つ
   あった。トウヤクリンドウは間ノ岳への
   途中で蕾を付けているものはたくさん見
   られたが・・・・。

    ここで、早めのお昼を食べて、今度は
   北岳山頂、八本場のコルとの分岐からト
   ラバース道を山荘へ戻ってくるゴールデ
   ンルートに向かう。

  トウヤクリンドウ


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