〈第一日目〉 | ||
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明け方まで雨が降っていたようで、二股までの大樺沢沿いの道は濡れているし、植物の葉も少し 濡れている。 サワオトギリやシモツケソウ、ミヤマカラマツ、ソバナ、ヤマホタルブクロなどが見られる。 今日は荷物もあることだし、今まで見ていない花や姿かたちの良い株があれば撮ることにしよう と決める。 アカショウマやカイタカラコウ、コウシンヤマハッカも咲き始めている。コウシンヤマハッカは 中旬以降にこの道にたくさん咲くが、咲き始めはきれいだ。 センジュガンピも咲いていたし、タマガワホトトギスも数多く見られた。 |
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センジュガンピ | タマガワホトトギス | |
朝一番の便で来た人は、半分以上は 北沢峠のバスに乗り換えたようで、北 岳を目指す人はさほどではない。 下界は大変な暑さだが、風がさわや か。それでも結構汗が出る。 二股近くになって、トリアシショウ マ、オニシモツケ、クガイソウ、タカ ネグンナイフウロ、ミヤマハナシノブ が見られるようになる。 あーちゃんが「あたしはこの花が好 きだなあ」とミヤマハナシノブを見て 言う。たつさんも好きな花だ。花の形 も色もさわやかだし、特に葉の形がほ かにない特徴がある。 二股到着。結構登山者が休んでいる。 空は抜けるように青い。 |
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ミヤマハナシノブ | ||
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八本場のコルに向かう。 左股沿いにもミヤマハナシノブ、グン ナイフウロ、ミヤママンネングサ、ミヤ マミミナグサ、イワブクロ、ヨツバシオ ガマ、ミヤマキンポウゲなどが咲き、ア カイシミヤマクワガタも見られた。 二股まではいいペースで来ていたが、 ここからは気温は高くなりだし、荷物の 重さも肩に食い込んできてスローペース になる。 まあ、時間は早いから休み休みゆっく り行くことにする。 雪渓を通り過ぎると、モミジカラマツ やクロクモソウ、ミヤマキンポウゲがき れいに咲いている。このあたりからすぐ にハシゴの登りになるので、正面に鳳凰 三山を眺めながら、今登ってきた大樺沢 をゆっくり見ながら休憩をとる。 |
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ミヤマキンポウゲ | ||
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モミジカラマツ | クロクモソウ | |
それにしても、コルまでのハシゴは たくさんある。数えたことはないが、 15本くらいあるのではないだろうか。 バットレスには岩登りをしている人 は見当たらない。それにしてもこの岩 壁はすごい。 慎重にはしごを越える。 最後のハシゴを越えると、そこは八 本場のコル。ここに来て富士山や間ノ 岳の素晴らしい眺望が見られるのだが、 あいにくこの時間はガスがかかり始め ていて、視界はよくなかった。 |
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八本場のコルまでのハシゴの連続 | ||
ここに来て最初のお目当ては、シロバナタカネビランジだ。今年も咲きはじめていた。 普通は岩場に咲いているが、道端の枯れ木の間から顔をだしている株もあり、この株の花の 色はピンクだった。 岩場に咲くシロバナタカネビランジの状況は下の写真のようであるが、これは翌々日の下山 時のもので朝まだ早いせいか快晴となっている。 |
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シロバナタカネビランジ | シロバナタカネビランジの咲く岩壁 | |
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ここから少しの登りで北岳山頂に至る 道と北岳山荘、間ノ岳に行く道に分かれ る。我々は山荘に行くトラバース道をと る。 さっそくたくさんの花が迎えてくれる が、今日は写真には収めず見るだけで、 テン場へ行く。 山荘で手続きをしていると、今日の山 荘は一つの布団に二人だそうだ。この時 期平日にもかかわらず満員状態らしい。 テン場はまだ随分余裕がある。風の防 げる、平で富士山が目の前に見えるとこ ろを選んで張る。 手続きをしている間にあーちゃんが、 「何か具合の悪いことがあったら診療所 は24時間やっているのでいつでもいら してください。」と昭和大学医学部のス タッフに声を掛けられたそうだ。とても 親切ですね。実際翌朝、お世話になるこ とになる。 |
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テガタチドリ | ||
テントを張って、濡れたタオルで身 体を拭き、山荘の自動販売機でビール を飲む。うまい!!。北海道の山では ビールを担いで登ることが多いが、本 州の山では少し高いけど買えるのでい くぶん楽。 まだ、3時前なのでそれからすぐ近 くをぶらぶらしていたらテガタチドリ やツマトリソウ、ヒメマイヅルソウが 見られた。 マイヅルソウは林の縁に咲いている が、ヒメマイヅルソウは半分くらいの 大きさでガレ場のハイマツの縁に咲い ていた。 |
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ツマトリソウ |
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