≪1日目≫ | ||
朝5時はまだ小雨が降っていたので、出発 を30分遅らせた。天気予報では8日は10 時頃から晴れとなっているので、雨はもう降 らないと考え、ちょうど止んできたので、登 山届を提出して出発した。 槍ヶ岳方面に向かう登山者が多いが、笠ヶ 岳や双六方面の人たちもちらほら左股林道を 登っていた。 林道歩き約50分後、笠新道手前で雨が一 時強く降ってきたのでカメラはザックにしま い、レインウエアを着て登りはじめた。 |
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笠新道入口の標識 | ||
笠新道は北アルプス屈指の急登と言われて おり、まずは標高約1350mの登り口から 2450mの杓子平まで一気に1100m登 る。ここまでのコースタイムは4時間20分 と書いてある。 雨は止むわけではないが、レインウエアを 着るほどではなくなってきたのでたつさんは 脱いで登る。 今日は1ピッチ40〜45分で歩くことに した。標高100mを登るごとに標識がでて くる。 1時間半を過ぎて、オヤマリンドウが見ら れた。 |
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オヤマリンドウ | ||
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濃い霧がかかっていて、眺望は全くない。 霧雨のような、木々の葉から時々雫が落ち るような感じで降っているのかいないのかと いう状態。 時々空が明るくなるがそれもほんのひと時 でまた元の暗い空に戻ってしまう。たつさん がもうそろそろ空が晴れてくるはずだと何度 も言うのであーちゃんも少し呆れている。 オヤマリンドウに加えて、ソバナやアザミ が見られたほかは、景色はとうとうなにも見 えず、何度かの小休止ののちに杓子平に着い た。4時間半かかった。 |
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100mごとの標識 | ||
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ソバナ | アザミ | |
杓子平ではわれわれを追い越して行った人 たちが休憩していて、着くとすぐにそのうち の一人が「今、緑ノ笠が一瞬だけ見られたん だけど、見えました?」と聞いた。 見えなかったと答えたら、残念でしたねと 言われてしまった。ほんの一瞬霧が晴れて見 えたそうだ。 稜線に出てから分かったが、カール地形に なっていてハイマツが覆っていて緑ノ笠と言 われることがわかった。 ここでお昼にしている間にみんなは登って 行った。杓子平ではイワショウブが咲いてい た。 |
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イワショウブ | ||
杓子平は小さな窪地があって、その周囲は コバイケイソウだらけだ。さぞかし花の時期 は素晴らしいだろうと思った。いまは黄色に 葉っぱが色づいている。 ここから緩い登りになり、トリカブトやサ ラシナショウマ、オヤマリンドウ、クロトウ ヒレンなどがまだ見られた。 |
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杓子平のコバイケイソウ | ||
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トリカブト | サラシナショウマ | |
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杓子平の上部からは稜線まで標高差にして 350mほど登る。杓子平までほどの斜度は ないが、疲れてくるのでペースは遅くなる。 ここの間にも綿毛となったチングルマがあ ちこちにあり、ウサギギクのきれいな株がい くつも見られた。 また、ダイモンジソウやウメバチソウもま だ咲いていた。 稜線に近づくにつれて、霧が薄れてきて、 前を歩く人の姿が見えるようになった。 |
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クロトウヒレン | ||
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チングルマの綿毛 | ウサギギク | |
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ダイモンジソウ | ウメバチソウ | |
稜線にでると、上空に青空が見えてきて近 くのピークなどは見えているが雲がまだ多い。 小休止していると、2人組の男性が戻って きた。先に一人が戻ってきていたので、笠ヶ 岳日帰り組の3人目だ。 あーちゃんが前方に見えるピークを指し、 「笠ヶ岳はあの先ですか?」「あの左のピー クのさらに先で、まだ雲の中ですよ。結構こ こからもあります。」と聞いて少しがっかり。 「明日はここを双六に向けて歩きます。」 と伝えたら、「うらやましいですね。明日は 素晴らしい天気でしょうね。」 抜戸岩を通った。 |
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抜戸岩 | ||
だんだん視界が開けてくる。天気は確実に 良くなっている。 テン場が見えてきて、山荘まで最後の岩場 の上りの大きな岩にペンキでガンバレと励ま しの言葉が書いてあった。 ハイマツの実を食べているホシガラスがい て、山荘までの道のいたるところに食べ残し があった。 |
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山荘に着き、荷物を整理して着替えたのち 外に出てみると笠ヶ岳がくっきりと見えだし た。 笠には明日の早朝に登ることにした。 夕食後は雲海の中から槍や穂高が見えてき た。風もないので寒さは感じない。 夜は満天の星だった。 |
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ホシガラスの食べ残し | ||
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笠ヶ岳山頂部 | ||
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雲海上の槍と穂高 |
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