爺ヶ岳


                        2015年9月29日〜30日


   今年の紅葉の山旅は鹿島槍ヶ岳を計画した。紅葉を堪能するためには時期と晴天とこち
 らの予定がぴったり合うことが必須条件だ。今回は2日目に移動性高気圧に覆われる予報
 を睨んで29日から2泊3日で堪能することにした。
  30日、快晴だったが富山県側からの強風がすごく、途中で断念して引きかえすことに
 なったので爺ヶ岳の往復とした。紅葉は素晴らしかった。

  昨年も鹿島槍ヶ岳を計画したが、山頂付近の紅葉の盛期と天気が合わなかったため、ほかに紅葉の山旅
 をすることになったので、2年越しだ。秋の天気は周期的に変わるので、29日からにするか10月3日
 からにするか迷ったが、今年は紅葉の進み具合が早いので29日出発した。

   <1日目  
     29日も素晴らしい晴天で、中央高速から
  は北岳を始め南アルプスの山々や八ヶ岳など
  もくっきり見えた。

   平日なので人は多くないだろうと思ったが、
  扇沢の市営駐車場はいっぱいで、2台ほどす
  みっこの方に空きがあっただけだった。

   気温は15℃。準備をして柏原新道に向か
  う。駐車場から5分足らずだ。

   風が弱いため半袖で登りはじめる。
    柏原新道入口
     すぐに幅2mくらいの良く整備された登り
  道になる。

   ほどなく眼下に扇沢ターミナルが見えてく
  るが、ここも車は相当停まっている。黒部ダ
  ムや立山室堂方面に行く人の多さがわかる。

   日当たりの良いところにオヤマリンドウが
  残っていた。

   八つ見ベンチを過ぎると左手が開け、針ノ
  木岳や岩小屋沢岳が見え、山腹の紅葉してい
  るのが見える。

   カライトソウが一つ咲き残っていた。
  オヤマリンドウ
       この先、たくさんの標識や注意書きが現れ
    る。ケルンや駅見岬、水平道、水平岬などと
    黄色い板に黒文字ではっきりと登山者が気が
    付くように書かれている。

     ゴゼンタチバナの赤い実が目立つ。一つの
    株に8つくらいの実がついているものがあり、
    こんなにたくさんの実をつけたゴゼンタチバ
    ナが道端に続くのは初めて見る。

     標高1600mくらいから木々が色づき始
    めてきた。
  カライトソウ
 
  ゴゼンタチバナの実 色づき始めた木々と稜線上に見える山荘
     石畳の道が数百メートル続くところがある。
   この石は人の手で削られて、歩きやすいよ
  うに据えられているのが良くわかる。大変な
  苦労のあとが見られる。

   あーちゃんとも「ありがたい道だね。」と
  話しながら歩く。
 
   水平道の手前あたりで、ヨツバヒヨドリの
  残り花が見られた。

   ケルンを過ぎて水平道に至る間に今日泊ま
  る種池山荘が稜線上に見える。
  ヨツバヒヨドリ
 
     水平道を過ぎたあたりから、種池山荘から針ノ木岳への稜線とその山腹の見事な紅葉が見渡
    せる。素晴らしい風景だ。

     あーちゃんも、「北アルプスの紅葉も見事ね!」 北海道や東北の一部の山は、全山紅葉と
    なるが、ここもまさに全山紅葉だ。5年前に涸沢カールの見事な紅葉の中を奥穂に登ったが、
    涸沢カールの紅葉は別格としてもここも素晴らしい。

   
  種池山荘から針ノ木岳への稜線下の紅葉
   
     アザミ沢という標識が出てきて、アザミや
  ヤマハハコ、コウゾリナがまだ残っていた。

   ガラバと名付けられたガレ場が出てきた。
  崩れやすいガレ場はおそらく7月までは雪に
  覆われているところだろう。
    ヤマハハコ
       ここを過ぎると、爺ヶ岳の南斜面に広がる
    紅葉も見渡せる。

     登山道はこの山腹にそってつけられている。

     上空は青空で、午後なので南斜面に陽があ
    たって見事な風景となっている。
  コウゾリナ
     
 
  爺ヶ岳南峰南斜面の紅葉
   
     登山道の脇には古タイヤで土留めがされて
  いる。斜面が崩壊して登山道が荒れないため
  の工夫だ。

   とにかく柏原新道は見事に整備された登山
  道だ。初心者向けの夏道を種池山荘のオーナ
  ーが昭和30年代から40年代にかけて開削
  した道だが、随所に登山者が安全に歩けるよ
  うにしてあり、今も山荘のスタッフが整備を
  続けているそうだ。

   鉄砲坂という少し急な道を抜けて、稜線に
  立つ種池山荘に着いた。
  土留めの古タイヤ

                                                                ≪続く≫

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