〈第二日目〉
      昨晩の石室は少し寒かった。風があったこともあるが・・・。
   
   しかし、朝は快晴。外で軽い朝食をとる。大きな荷物はここに置かせてもらい、アタックザック
  に必要なものを詰めて歩くので気分的にも楽だ。

   まずは向かう北鎮岳の「白鳥」と「千鳥」の雪渓が見える。

 
  北鎮岳
 
      快晴であるが、結構風が強い。稜線
   に出たら相当強いかも。

    雲の平では構造土のような上に、チ
   シマツガザクラが咲きかけていた。す
   でにキバナシャクナゲなどの初夏の花
   は終わっていた。

    少し歩くと、チングルマの大きな群
   落に出会う。左手に烏帽子岳を望んで
   赤石川まで白いじゅうたんのように一
   面に咲いている。おそらく沢を越えて
   も続いているのではないだろうか?

    あーちゃんが、「これはすごいわね」
   と感嘆の声を上げた。
    
    去年はこれにミヤマバイケイソウが
   たくさん咲いていたが今年はそれが見
   えない。
    それにしても、圧巻だ。

    
   
    烏帽子とチングルマ
      クモマユキノシタ、ヨツバシオガ
   マ、ミヤマアキノキリンソウ、アオ
   ノツガザクラなども目を楽しませて
   くれる。
  チングルマ   
      クロマメノキやウラシマツツジの
   実もつけ始めているのが見える。

    ミヤマリンドウも今日は朝早くか
   太陽が照っているので花を早々に開
   いている。

    ハクサンボウフウ、ゴゼンタチバ
   ナなども見られる。

    時々風に乗って硫黄のにおいがす
   る。

    少し登って「お鉢平展望台」の標
   識が現われ、お鉢が全貌を現した。
 
     ウラシマツツジの実
 
    風はさっきより少し強く吹くとき
   もあるが、弱まることもある。時間
   が経つにつれて弱まるだろうと期待
   し、雪渓を登る。
    短い雪渓ではあるが、結構急なの
   ぼりではある。

    ここを越えると、まもなく北鎮と
   の分岐になる。
    このあたりにはオオイワツメクサ、
   ウスユキトウヒレンなどがあった。

 
     オオイワツメクサ
     
    岩陰にまだ花もつぼみもつけていた
   ミヤマタネツケバナが2株あった。

    また、エゾノタカネスミレも一株咲
   いていた。花の時期が通常では終わっ
   ているこれら二つの花がまだ咲いてい
   るのは、雪解けと地形の関係か?

    アオノツガザクラのちょっとした群
   生があり、イワギキョウがあり、そし
   てこういうガレ場で珍しいなと思った
   のがウサギギクだった。

    「ウサギギクってもう少し草地に咲
   くのにね。」とあーちゃん。「そうだ
   よね。珍しいね。」と言ったけど、そ
   の後、お鉢を回っているとところどこ
   ろのこういうガレ場にウサギギクが咲
   いていた。
   ウサギギク  
 
   エゾタカネスミレ  ミヤマタネツケバナ
 
  イワギキョウ  アオノツガザクラ 
 
    分岐から北鎮岳の山頂まではわずか。
    山頂からの展望は言うことなし。お鉢を眼下に周辺の北海岳から旭岳、遠く石狩連峰、ニペ
   ソツ、トムラウシ。

    目を右にやれば、それまで見えなかった愛別岳、比布岳、永山岳。さらに目を転じると、雄
   阿寒、雌阿寒から斜里、そして羅臼を頭に知床連山まで見えた。

    こんなに素晴らしい日はそう何日もないだろう。しばらく北海道第二の後方からの景色を堪
   能した。
   
 

 

    
  北鎮岳からのトムラウシ


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