聖 岳


                        2022年7月31日〜8月1日


    聖岳から赤石岳を縦走したいと思ったのはもう5、6年前になる。この時計回りのルー
  トにしたのは、どちらの山も午前中の早い時間に到着でき、それだけ景色の見える確率が
  高くなると考えたからである。その後毎年計画していたが、天候が悪かったり、行きたい
  ルートへのアクセスがなくなったり、そしてコロナで2年間の小屋の営業休止。ようやく
  今年、営業再開が報じられ登れるようになった。

  椹島ロッジに前泊して2日目に聖平小屋、3日目に百間洞山の家、4日目に赤石小屋または椹島ロッ
 ジに泊まる計画だ。
  聖平小屋を除いて3箇所とも今年はネットでの完全予約制。6月中旬に7月下旬の予約状況を確認し
 てみると、3つの小屋を初日、3日目、4日目にとれる日にちがすんなりとは決まらなかった。ようや
 く7月30日前泊で4日目に赤石小屋に泊まることで予約が完了した。

   ≪1日目  
     バスで聖岳登山口で降りたのは4人だった。

   早速の急登になる。今日は小屋まで着けば
  よいし、これから3日間あるのでゆっくり登
  る。

   30分ほどでトラバース道になる。この辺
  りはヒノキが多い。林床に花はほとんど見ら
  れない。

   下りになってから聖沢にかかる吊橋まで結
  構長い。
    聖沢吊橋
     吊橋を渡ったところで休憩していると、上
  から登山者が下りてきた。昨日は聖岳はガス
  の中だったという。

   ここから今日の中では一番の急登が350
  mほど続き、さらにアップダウンも繰り返し
  て250mほど登る。来る前には何年も準備
  をしてきたので、2万5千図でポイントまで
  の標高差を書き出していた。

   乗越近くで木々が伐採されたところに出て
  展望が開け、聖岳が見えた。

   青空に雲のかかっているほうが前聖、右の
  尖ったほうが奥聖である。前聖のほうが標高
  が高い。
    前聖(左)と奥聖
     ここまでで相当汗をかく。そこで風も気持
  ちよく、日陰にもなっていたのでしばし休憩。

   ここまではゴゼンタチバナが見られた程度
  で、しかも終わりかけの花が多かったが、こ
  こから沢筋なので花を期待した。

   カイタカラコウ、トリカブト、イワオトギ
  リ、シモツケソウ、ハクサンフウロが見られ
  たが、想像していたよりもずっと少ない。

  カイタカラコウ
 
  トリカブト シモツケソウ
     ここから1時間ほどで滝見台に着いた。

   少し北側の岩場によると前方に滝が三筋見
  られた。北側の聖岳東尾根から流れ出る滝だ。
  このあたりは標高2000mを超えているの
  で、滝のある地点はそれよりも高い。

   この標高でこれだけの量の流れがあるのは
  さすがに雨のアルプスだ。
  聖岳東尾根から流れ出る滝
     山腹を巻きながら小さなアップダウンを繰
  り返す。

   道は沢沿いにあるが、水量はだいぶ少なく
  なり道も緩やかになってくる。

   橋をいくつかわたり、流れがなくなって小
  屋が近いことを匂わせる。ただ、ここから結
  構歩く。

   再び流れが現れ、最後の標識が見られて聖
  平小屋についた。このころは曇り空になって
  いた。
  最後の道案内板
 

 


    待ち望んでいた聖と赤石の縦走初日は聖岳が途中で青空の中に見られたことが何よりだった。

    ただ、地図上ではわからない小さなアップダウンがこんなにあるとは予想していなかった。

    夕方少し雨が降ったが大したことはなかった。聖平小屋は今年から素泊まりのみとなり、
   ビールの空き缶は持ち帰りになっていた。

                                                                      ≪続く≫

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