空が薄明るくなってきたころからゴソゴソ 起きだす人たちがいる。 今日は高根ヶ原往復なのでそんなに早く出 ることはないが、寝てもいられない。 4時過ぎに外に出てみると、高根ヶ原の上 を雲が流れているもののトムラウシの頭が見 え、陽が差し込んでいるのがわかる。 今日は天気がいいだろう。 |
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日の出時刻の高根ヶ原に雲が流れる | ||
ゆっくりとパンとコーヒーとチーズとミニ トマトで朝食を食べ、荷物を整理して必要な ものだけをアタックザックに詰めて出発する。 それでも5時半だ。高根ヶ原を通って忠別 の避難小屋やヒサゴ沼の避難小屋に行く人が どんどん出ていく。 小さな雪渓を斜めに歩いて、ナナカマドの 低木やハイマツを過ぎると台地上に着く。高 根ヶ原の入り口だ。さっそくチシマキンレイ カとコマクサ、エゾツツジが迎えてくれた。 |
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チシマキンレイカ | ||
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今日の行程は往復で約16キロ。 白雲避難小屋の標高が1990m、忠別岳 は1962m、高根ヶ原の最低鞍部は171 4m、280m下がって250m登る。帰り はその逆だ。 したがって、ゆるーい上り下りの、山とし てはほぼ平坦な道である。 振り返ると白雲岳が青空に映えて見えた。 そして前方の高根ヶ原にかかっていた雲が 消えてきた。 |
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エゾツツジ | ||
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白雲岳 | ||
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雲が切れた高根ヶ原と忠別、トムラウシ | ||
ホソバウルップソウが出てきた。数はもの すごい。穂先に紫の花が少しついているもの もあるにはあるが、多くが花をつけてない株 ばかりだ。 足元は、キバナシオガマ、チシマキンレイ カ、エゾツツジなど、黄色とピンクが目立つ。 このあたりまでは8年ほど前に一度来たこ とがあり、7月上旬だったためイワウメの見 事なカーペットだった。しかし今は小泉岳周 辺で見たイワヒゲの花盛りだ。 レブンサイコの蕾がもうすぐ開こうという 状態になっていた。 |
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ホソバウルップソウ | ||
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コマクサがすごい数だ。 八ヶ岳にある硫黄岳の山小屋周辺がコマク サ日本一だそうだが、おそらくそれ以上じゃ ないだろうかとあーちゃんと話す。 ほかにもクモマユキノシタやシロサマニヨ モギが見られる。 とにかく広い。空も台地も広い。最高に爽 快な気分だ。 |
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レブンサイコ | ||
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クモマユキノシタ | シロサマニヨモギ | |
リシリリンドウも白雲分岐で見たような小 さな株ではなく、大きな株がたくさんある。 ただ、まだ朝が早いせいか、開き切ったもの が少ないので、帰りに撮ることにする。 高原温泉への三笠新道分岐に来た。三笠新 道は現在通行禁止でトラロープが張ってある。 理由はヒグマの出没だ。ここを下った高原沼 一帯はヒグマの住処だ。 このあたりにもホソバウルップソウがあり、 よくあたりを探したら一株だけ咲き始めのも のがあった。 コマクサがまたも出てきた。 |
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ホソバウルップソウ | ||
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われわれよりも5つ、6つは年齢の高いだ ろう男性が一人、80リットルはあるザック を担いで後ろから近づいてくる。「今日はヒ サゴですか?」と尋ねると、「テントだから 気の向くままさ。ヒサゴかもしんねえし、南 沼にするかもね。」とスタスタ追い抜いて元 気良く歩いて行った。 感心しきりだった・・・・。 ボクらもこれからもあのくらい元気で山に 登れるだろうか? 少なくとも健康と体力の 保持は大事だよね。 |
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コマクサ | ||
左手下方に大雪高原の沼が見えてくる。お そらく空沼と思われる。 高原沼は大小たくさんの沼から構成されて おり、高原温泉から木道がついていて一周で きる。特に秋の紅葉はそれは見事だ。ただヒ グマの出没が多いので、その時期は常に監視 員が見張っていてくれ、状況によって半周し かできないときもある。 |
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左手下方に高原沼が見えた | ||
カラフトゲンゲと思われる花が出てきた。 チシマゲンゲという情報も見ていたが、実 がつかないとその違いは分からないのでカラ フトゲンゲとしておく。 表大雪で初めて見た花だ。 |
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カラフトゲンゲ |
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