芦別岳


                          2014年6月4日


   芦別岳はたつさんが初めてツクモグサを見に行った山である。2003年のことで、あれか
 ら11年ぶりにツクモグサを見に行くことにした。当時は北尾根(旧道)を歩いて山頂を目指
 したが今回はこの日に帰る予定なので新道往復とした。


  前日(3日)、富良野市の山部に入ったが、なんとその日の富良野の最高気温は35.4℃。道内では音更
 で観測史上最高の温度を記録した。この日も快晴で、予想最高気温は34℃だそうだ。
  芦別岳では先月25日にはツクモグサが咲いている情報を得ており、連日のこの暑さで花が終わりかけにな
 らねばいいがと思って歩き始める。今日は新千歳17時台の飛行機に乗るのと、気温が高くなることもあって
 4時には歩き出そうと思っていた。

     新道往復は2002年以来、2003年も
  旧道から山頂に立って新道を降りてきた。そ
  の頃と周囲は変わっていない。

   02年は秋に登ったので花はなく、03年
  は同じ時期だが、山頂から必死に降りてきた
  ので花の様子は全くと言っていいほど覚えて
  いない。

   登り始めて、ナルコユリやホウチャクソウ
  が見られ、ツクバネソウやクルマバツクバネ
  ソウがたくさん見られだした。
    ツクバネソウ
       4時半ごろからはエゾハルゼミの鳴き声が
    賑やかにしてきた。

     林の中の道を進む。ところどころに水平道
    があって歩きながらも休息しているような感
    じ。道は土で緩い登りが続き、歩きやすい。

     マイヅルソウが道の両側にたくさん咲いて
    いる。

     ムラサキヤシオツツジもこのあと半面山あ
    たりまでところどころで彩りを添えてくれる。
  クルマバツクバネソウ  
 
  マイヅルソウ ムラサキヤシオツツジ
     やがて『呻吟坂序曲』の標識が出てきた。

   以前にも同じ標識だったかどうかは定かで
  はないが、いよいよここからきつい登りが始
  まるという意味を呻吟坂序曲と名づけたネー
  ミングがなかなかシャレていたので記憶に残
  っている。

   この辺りから道には岩が現れてくる。ヒロ
  ハヒメイチゲやズダヤクシュがあちこちに咲
  き、エンレイソウやミヤマスミレが混じる。

   ツバメオモトがかなり見られた。
    ツバメオモト
     登りの途中で、登山者を励ます標識が現れ、
  ほかにサンカヨウがいくつか見られるように
  なった。
     
       呻吟坂を抜けてジグザグ道に入ると、フギ
    レキスミレやシラネアオイが現れた。

     フギレキスミレとよく似た仲間にケエゾキ
    スミレがあり、後者は葉や茎に毛がある。近
    よって良くみたが、毛のあるものやないもの
    もありどちらとも判別できなかった。

     鶯谷に着いた。
  ツバメオモト
 
  フギレキスミレ シラネアオイ
     鶯谷で休憩しているとすぐにブヨに刺され
  た。何といっても今日最初の登山者だ。彼ら
  も待ち構えていたのかもしれない。さっそく
  ハッカ油をスプレーし、このあと稜線に出る
  ので日焼け止めを塗って準備した。

   このあたり、ダケカンバの林で、幹の白さ
  と若葉の黄緑がきれいだ。

   ミツバオウレンやヒメイチゲがあたりにた
  くさんみられる。
  ダケカンバの林
     木の間越しに右手に屏風岩が見えてきて、
  ムラサキヤシオツツジとミネザクラがまだ蕾
  を持っているのもあるが、ところどころ咲き
  始めている気持ちよい尾根道だ。

   ほどなく半面山に着き、ここにクマよけの
  鐘がぶら下がっていた。

   一旦下って、湿原となりミズバショウも見
  られた。ここから雲峰山への登りの半分は残
  雪歩きだ。

   雪渓を直登した後、夏道をジグを切って登
  ると雲峰山だ。眼前に芦別岳とそれに続く北
  尾根が青空の中にくっきりと現れた。
    ミネザクラ 
       まだ8時前だというのにかなり暑い。日差
    しも相当強く、体が水分を要求する。

     雲峰山で少し休憩したのち、一旦下って最
    後の尾根道にかかる。

     芦別岳が雄大だ!!

     残念ながらこちらから見る芦別は尖峰には
    見えない。
   北尾根  
 
  芦別山頂部
     最後の雪渓を登ると、あっという間に頂上
  に着いた。

   下界の方はややヘイズがかかっているもの
  の、そのほかは360度の大展望だ。

   しばらく休憩したのち、ツクモグサを探し
  に行く。すぐに北斜面に見つけられた。まだ
  十分見ごろのものばかりだ。
    ツクモグサ
       あとから3人の男性が上ってきて、写真を
    撮ってもらった。

     ツクモグサのほかに山頂部で見られた花は、
    ミヤマキンバイ、チシマアマナ、コメバツガ
    ザクラ、ウラシマツツジと一株だけ咲き始め
    たエゾノハクサンイチゲがあった。
  ツクモグサ  
 
  ミヤマキンバイ チシマアマナ
       山頂には1時間いて、一昨日のニペソツと
    芦別の素晴らしいツクモグサを見られた感動
    にふけっていた。

     あとは来た道を戻るだけ。お昼近くになる
    と標高が下がるとともに気温も上がり、相当
    暑い中の山行だった。
  コメバツガザクラ
 

 


    11年ぶりの芦別岳では快晴の中でツクモグサに出合えた。この時期の新道はほかにもかなり
   花が見られることも分かった。

    水はたっぷり持参したので不足はなかったが、下山時は相当に暑く、コンビニで買ったノン
   アルコールビールがこんなに美味いものとは思わなかった。

    今日も一日たっぷり遊ばせてもらった。


   登山口 4:06  呻吟坂 5:18  鶯谷 6:05  雲峰山 7:48  山頂 8:28

   山頂発 9:30  鶯谷 10:40  見晴し 11:18 登山口 12:15



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