旭岳・間宮岳


                          2015年8月9日


   今回の大雪への山旅の最後は、旭岳に登ってお鉢の一部を回り、中岳温泉から裾合平を
 通って一周するルートを選んだ。旭岳は何といっても北海道の最高峰であり、表大雪の主
 峰であるから、ここは登らないと大雪に行ってきたとは言えないだろうと考えたからだ。

  土日はロープウェイの始発が6時である。101人乗りなので大丈夫だろうとは思ったが、念のため前日、
 係の人に聞いてみた。今年に入って始発に乗れなかった乗客はいないとのことだった。
  5時40分くらいに並んで始発に乗った。

     終点の姿見駅でトイレに入って、出発する。

   今日の天気予報は曇り。下山後、富良野ま
  で行くので、コースタイムくらいで歩ければ
  いいなと思いながら歩き出す。

   たつさんはここは13年ぶり。表大雪は良
  く来ているが、ここは花が少ない山なのでつ
  いつい来そびれている。

   歩き始めると、姿見の池あたりまではまだ
  花があった。ミヤマアキノキリンソウ、ミヤ
  マリンドウ、コケモモ、イワブクロ、シラタ
  マノキ、メアカンキンバイなどだ。
    ミヤマアキノキリンソウ
       湿原と言ってもいいような少し平坦なとこ
    ろがあって、ホソバノキソチドリがまだ咲い
    ていた。

     姿見の池からの旭岳は山裾は見えるが山頂
    部は雲がかかっている。
  シラタマノキ
     
  ホソバノキソチドリ 姿見の池から旭岳
     ここを過ぎると、火山特有の礫地の道を登
  って行く。噴気孔からゴーッゴーッと音を立
  てて水蒸気が出ており、風に乗って硫黄のに
  おいがあたりに漂う。

   北からの風がやや強く、天気が良くないた
  め気温も低い。そんな中でも半袖と短パンで
  登っている女性がいる。Sさんが「あんな格
  好で寒くないのかなぁ」

   山頂までは、イワブクロやヒメイワタデの
  花くらいしかない。

   道は噴火で現れた色の異なる岩石が出てき
  てこれを見ているだけでも面白い。
  イワブクロ
       20分間隔くらいに、六合目、七合目、八
    合目と標識を過ぎていく。

     たつさんの後ろをNさんが歩くことが多い
    が、Nさんに先に行ってもらうとたつさんよ
    り登りは早いピッチで歩く。それが結構長く
    続くので頼もしい。

     ニセ金庫岩が右手に見え、次いで金庫岩が
    左手に見えてきた。山頂はもう近い。

     山頂近くになると、イワブクロやヒメイワ
    タデのほかにチシマクモマグサやイワツメク
    サ、メアカンキンバイも見えだした。
  ヒメイワタデ
 
  ニセ金庫岩 旭岳山頂部
     山頂には約30人くらいの人がいた。ここ
  で休んで引きかえす人が多いのだろう。ちょ
  っとでいいから晴れてくれればいいが・・・。

   気温を見てみたら10℃。これに風がある
  ので体感温度はもう少し低い。レインウェア
  を着る。

   しばらくして一瞬だがガスが晴れ、姿見の
  方向が見えた。
    一瞬見えた山頂からの姿見方向
     間宮岳に向けて、旭岳の裏側を下る。ここ
  の道はまったくのザレ場で傾斜も結構あるた
  め、滑らないよう一歩一歩慎重に下る。

   雪渓が解けた流れの周囲には、チシマクモ
  マグサやイワギキョウなどが咲いている。

   裏側は雲はやや多めだが晴れている。気温
  が上がり、鞍部に近づいたら暑くなってレイ
  ンウェアは脱いだ。

   熊が岳の周囲も雪田性の花が少し咲いてお
  り、それに交じってイワヒゲやコエゾツガザ
  クラなどがあった。
  チシマクモマグサ
       アオノツガザクラとエゾツガザクラは交じ
    って咲いているところが結構あり、これらに
    は自然交雑して花の色や形が変わってくる変
    種がある。

     エゾツガザクラの濃いピンクが薄いピンク
    になって花が丸くなったのがコエゾツガザク
    ラで、中岳温泉の下で見たニシキツガザクラ
    は花の色がオレンジまたは赤紫色で絞りが入
    ると言われている。
  イワヒゲ  
 
  コエゾツガザクラ ニシキツガザクラ
 
     荒井岳と間宮岳の間の尾根に出た。この下はお鉢平で火山が噴火した後に陥没してできた
    カルデラだ。

     やや雲は多いが上空は晴れている。

   
  お鉢平と黒岳
     雄大な景色をしばし眺める。

   SさんとNさんはお鉢を形成する山々の同
  定を盛んにしている。一昨日登った北海岳や
  最初に登った赤岳方面も見えていた。

   すぐに間宮岳の山頂に着く。この辺りには
  クモマユキノシタが多く、チシマツガザクラ
  も見られた。
  クモマユキノシタ

                                                                ≪続く≫

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