朝日岳(朝日小屋〜蓮華温泉)


                          2014年8月2日


   蓮華温泉を起点にして白馬岳、雪倉岳、朝日岳と歩いて、今日は朝日小屋から蓮華温泉まで
 戻る3日目である。一度朝日岳に登り、そこから長い道のりを歩く。


  4時前に目が覚め、外に出てみると満天の星だった。今日も好天が期待できる。昨日、朝日小屋には39人
 の宿泊があったそうだ。我々の隣りで夕食のテーブルに着いていた5人パーティーの最年長の女性は73歳で、
 聞いたところによると不帰のキレットを通って歩いてきて昨日で4日目になるそうだ。途中追い抜いて我々が
 この人たちよりも先に着いてはいたが、大したものだ。

     朝食時、小屋の女主人が今日のルートの説
  明をしてくれる。「蓮華温泉に行く人は、川
  を渡ってから最後200mの登りがあるが、
  温泉、温泉とつぶやきながら歩いてください。
  お花はいっぱい咲いています。」

   美味しい朝食を食べて、5:28に朝日小
  屋を出発する。朝日小屋付近も花が咲いてお
  りニッコウキスゲを撮った。

   朝日岳までは昨日降りてきた道だ。

   朝早いため、植物は朝露に濡れている。

   チングルマ、ツマトリソウ、イワカガミが
  現れる。
    ニッコウキスゲ
 
  チングルマ ツマトリソウ
       SさんはNさんに花の名前をしっかり覚え
    てもらおうと、昨日から考えていた10問ク
    イズを出している。山頂までに出てくる花を
    Sさんが指し示して、Nさんが答え、何問正
    解したかを試しながら登っている。

     結局山頂まででは確か半分の正解率だった
    ようだ。

     サンカヨウが朝露に濡れて花弁が半透明に
    なってきれいだ。

     ハクサンボウフウ、アオノツガザクラ、キ
    バナノコマノツメ、モミジカラマツ、ハクサ
    ンイチゲ、ツガザクラなどが見られる。
  イワカガミ
 
  サンカヨウ モミジカラマツ
 
  ハクサンイチゲ ツガザクラ
     1時間ほどで朝日岳に着く。昨日の午後は
  全く視界がきかなかったが、今日は素晴らし
  い展望だ。

   劔、立山連峰から辿ってきた白馬岳、雪倉
  岳がきれいに見られる。ここで写真を撮って
  蓮華温泉に下り始める。

   タカネナデシコ、ハクサンコザクラ、シナ
  ノキンバイ、クロトウヒレン、ミヤマダイコ
  ンソウなどがたくさん見られる。クロトウヒ
  レンはまだ花を開いていない。
  タカネナデシコ
 
  ハクサンコザクラ シナノキンバイ
 
  クロトウヒレン ミヤマダイコンソウ
     雪田の縁を歩きながら、かなり前方に登山
  道が見える。

   確か1パーティーが先行したはずだが、そ
  の姿は見えない。我々5人だけがこの景色を
  独り占めしている感じ。

   じきにガレ場の道になる。そうするとさら
  に花の数が多くなった。

   ミヤマアズマギク、ハクサンシャジン、シ
  ロウマウスユキソウ、タカネシオガマ、ミヤ
  マムラサキ、イブキジャコウソウ、イワオウ
  ギなどだ。

   Sさんとあーちゃんはイブキジャコウソウ
  が麝香のにおいがするかどうか確かめている。
  「少し匂いが感じられるね」
  アズマギク
 
  ハクサンシャジン シロウマウスユキソウ
 
   ミヤマムラサキ イブキジャコウソウ
       少し岩の出てくるところになると、オンタ
    デ、イワシモツケ、マツムシソウ、タカネイ
    ブキボウフウが見られる。

     オンタデはオヤマソバとよく似ている。タ
    デ科の植物もセリ科の植物同様に見分けにく
    いが、オヤマソバには葉脈がないのに対して
    ここで見たのは葉脈があるからオンタデと思
    う。
  イワオウギ
 
  オンタデ イワシモツケ
 
  マツムシソウ タカネイブキボウフウ
     花はまだまだ続く。

   ホソバツメクサ、シロウマアサツキ、クモ
  マミミナグサ、ミヤマセンキュウ、ミヤマウ
  ツボグサ、クルマユリ、カライトソウ、シモ
  ツケソウなどだ。

   とにかくどの花を見てもまさに旬のものば
  かりで、一部咲き終わりのものが見られるの
  がイワオウギくらいだ。

   こんなお花畑は見たことがない。良い時期
  にきたものだと思った。
  ミヤマウツボグサ
 
  クルマユリ カライトソウ
       千代の吹き上げのコルに着いた。

     山頂からわずか1キロの間に、これだけ多
    くの花が見られる。

     昨日の雪倉岳以上の花の種類だ。

     ここのコルから栂海新道と分かれる。この
    新道を行くと親不知に着くのだという。

     少し休んで、また歩き始める。
  シモツケソウ

                                                                ≪続く≫

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