赤岳登山口まで林道を歩く。ここは以前、 大雪山を横断して東川町へ抜ける観光道路を 作る計画があったところで、一部にその痕跡 が残っている。 コバノイチヤクソウやエゾノレイジンソウ、 ミヤマアキノキリンソウ、オオバミゾホウズ キなどが少し咲いていてきれいなウメバチソ ウがあった。 少し登ったところで、Sさんが「ここは紅 葉がきれいだろうなぁ」と言ったので、秋に はここまでは紅葉の写真を撮りに大勢の観光 客が来ると教えてあげた。 |
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ウメバチソウ | ||
第一花園にはモモジカラマツやウサギギク、 ミヤマホツツジ、アオノツガザクラなどが見 られたが、この辺りのチングルマは花が終わ って綿毛をつけていた。 雨に打たれた綿毛もきれいなものだ。 |
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アオノツガザクラ | ||
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第二花園、奥の平ともに雪渓はとけて夏道 となっている。奥の平には斜面下部に雪が少 し残っていたが、この時期に雪渓を歩かない のは初めてだ。 エゾウサギギク、エゾツツジ、エゾコザク ラが見られた。エゾコザクラは雨で花弁が下 を向いている。 エゾツツジはその後、まばらで見られたが、 咲いているのは残り花でもちろん数が少ない。 雨脚が弱くなって、時々止むようになった。 |
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チングルマの綿毛 | ||
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エゾウサギギク | エゾツツジ | |
アオノツガザクラと少しのエゾツガザクラ があり、チシマクモマグサがきれいに咲いて いる。 花に詳しくないNさんも、「この花はきれ いだな。」と声を発していた。 コマクサ平に着いた。雨はほとんど止んで、 空が明るくなってきた。いい流れだ。 コマクサはもう終盤。雨の影響もあるが色 は褪せてきている。イワブクロもあった。こ の辺りでは7月中旬までなら大雪にしかない キバナシオガマが見られるがもう終わってい た。 |
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コマクサ | ||
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近くの山並みが見えるようになり、時々雨 は来るがレインウェアも脱いで歩き出す。 マルバシモツケが咲いていた。 第3雪渓は全く雪がない。ここは全く夏道 がなかったこともあるが、8月中旬で雪がな かったことは記憶にない。 タカネトウウチソウがいくつもあるが、雨 に打たれてなんとなくみすぼらしい。 ミヤマサワアザミやヨツバシオガマ、ユキ バトウヒレンが見られた。 |
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イワブクロ | ||
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マルバシモツケ | ヨツバシオガマ | |
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第3雪渓と第4雪渓の間でチシマツガザク ラが咲いており、これは大雪の山中でたくさ ん見られた。Sさんは初めて見たこの花が大 層気に入ったようだ。 第4雪渓ももちろん夏道。エゾヒメクワガ タやチングルマ、ミヤマリンドウ、ミヤマキ ンバイ、アオノツガザクラ、エゾコザクラ、 エゾツガザクラ、エゾウサギギクなどが見ら れた。 |
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ユキバトウヒレン | ||
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チシマツガザクラ | エゾヒメクワガタ | |
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ミヤマリンドウ | ミヤマキンバイ | |
赤岳山頂に到着。お鉢は見えるがお鉢を取 り囲む山々は山頂部が見えない。白雲山頂が 中に隠れている岩山は時々顔を出すが、旭岳 はガスの中だ。 幸い風が弱くここでしばし休憩する。 この間、一人も出会っていない。このコー スで登りも下りも一人にも出会わなかったの は初めてだ。出発しようとする頃、一人の若 者が傘をさして登ってきた。 白雲分岐に向けて歩きだす。大雪山固有種 のエゾハハコヨモギが見られた。 |
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エゾハハコヨモギ | ||
「やぁ、雄大だね!」「大雪ってすごいね」 この言葉を今回の山旅で二人から今回何度聞 いたことか。 白雲分岐までのひろ〜い、ひろ〜い礫地の 高原には、メアカンキンバイやタカネツメク サの残り花、イワツメクサ、そしてこれも大 雪山固有種のキバナシオガマの残り花が見ら れた。二人に見せたかった花だ。 Sさんにこの花を指さして、「花の形をよ く見て名前を言ってみて」と伝えたら、「キ バナシオガマ」と見事に言い当てた。写真の ものは白雲避難小屋付近にあったものである。 |
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キバナシオガマ | ||
少ない草地にはムカゴトラノオがもうムカ ゴをつけて咲いていた。 また礫地に良く咲く、メアカンキンバイも 見られた。 白雲分岐近くにはリシリリンドウが咲いて いたが、どういうわけか茎が根元から折れて いたものが多かった。茎も葉も黄色くなって いたので強風で折れてしまったのだろうか? |
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ムカゴトラノオ | ||
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白雲分岐に到着。ここにも人の姿がなかった。 |
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メアカンキンバイ |
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