来た道を振り返ると、小泉岳方面に青空が
  広がっている。もう雨の心配はないようだ。

   ただ、まだ雲が多く特に旭岳方面は雲に覆
  われている。

   それでも白雲の山頂に着いたら旭岳が見え
  るのではないかと、分岐に荷物を置いて山頂
  を目指した。

   残念ながら視界は全くなかった。
     小泉岳方面を振り返る
     白雲分岐に戻る。人の姿はこの時でも全く
  見えない。白雲避難小屋を目指して歩き出す。

   イワギキョウやイワブクロが咲き、エゾツ
  ガザクラの比較的大きな株が見える。

   イワギキョウは今回の大雪の山行で最も数
  多く見られた花だ。それも驚くほどの数だっ
  た。8月上旬に以前も登っており、その時は
  チシマギキョウより少ないという記憶だった。

   花の多い少ないはその年によって違うのは
  理解しているけれど、イワギキョウは多年草
  なのでどういうわけなんだろう。

   こういうことがあるから毎年来てみたくな
  るんだね。
  イワギキョウ
       少し下って、赤く塗られた避難小屋が見え
    てきた。数年前までは青い外壁だった。

     Nさんが、「すぐそこだねぇ!」「いや、
    まだ結構な下りがあるよ。」とたつさん。

     水場に向けて下る。チングルマも見られ、
    エゾコザクラも見られる。チシマノキンバイ
    ソウもあり、タイセツトリカブトも現れた。
  エゾツガザクラ
   
   白雲避難小屋をのぞむ 
 
  エゾコザクラ タイセツトリカブト
     水場はそこそこの水量はあった。ただ、そ
  の水源である雪渓は今まで見たこともない少
  なさで、このままでは今月下旬には枯れてし
  まうのではと思われる。水がなくなっては大
  変だ。

   雨で少しみすぼらしくなったタカネトウウ
  チソウやイブキトラノオがたくさん咲いてい
  た。

   小屋の近くにチシマキンレイカの残り花が
  あった。
  イブキトラノオ
       小屋の手前にテント場があるが、まだ一張
    もない。

     小屋へも3人が一番乗りだ。Nさんが「近
    くに見えたけど歩くとそうでもなかったね。」

     夏の期間だけ入る小屋の管理人に聞くと、
    昨日は4人の宿泊者がいたが、風速30mの
    強風で停滞を余儀なくされ、今日もさっきま
    で強い雨が降っていたそうだ。現に小屋の土
    間はまだ濡れていた。

     さっそく2階に上がって寝る場所を確保し、
    緑岳へ向かうことにした。
  チシマキンレイカ
     緑岳へは小屋から花の道を少し下って普段
  の年なら大きな雪渓を横切ることになる。

   ここにもチシマフウロやタカネトウウチソ
  ウ、バイケイソウなどが咲いていた。

   雪渓は二つに分かれて、間に高さ3メート
  ルほどの夏道が出ていた。普段ならここも雪
  に覆われていると思うと如何に雪が少ないか
  がわかる。二つ目の雪渓の端には川が流れて
  いるのが見えた。この景色も初めて体験する。

   チシマクモマグサやジンヨウスイバが見ら
  れた。
    チシマフウロ
 
   タカネトウウチソウ ジンヨウスイバ
     板垣新道を緑岳と小泉岳への分岐まで登る。

   ここも初夏にはチシマアマナ、チョウノス
  ケソウ、エゾツツジ、エゾノハクサンイチゲ
  などたくさん見られるが、もうこれらは終わ
  っていた。

   ただきれいなリシリリンドウが咲いていた。
  リシリリンドウ
     風衝地の緩い登りを緑岳へ向かう。ここに
  も人はいなかった。

   山頂から大雪高原沼へ下る登山道ははっき
  り見えたが、高原沼は雲がかかって見られな
  かった。

   ここの間も花は少なく、エゾハハコヨモギ
  やチシマギキョウ、イワツメクサなどが見ら
  れただけだった。

   小屋に戻るとそれでも人は増えていたが、
  ゆったりとしたスペースが確保できた。

   水場でビールを冷やし、安着を喜び合った。
  チシマギキョウ
 

 


     思った以上に天気の回復が早く、大雪のメインルートを花を見ながら歩いた。

     残雪が少なかったが、それでも初夏の花も見ることができた。


   銀泉台 7:16  第一花園 8:19  コマクサ平 8:44  赤岳 10:25

   白雲分岐 11:25  白雲岳 12:05  白雲避難小屋 13:06  緑岳 14:40

   白雲避難小屋 15:25


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