間ノ岳


                        2016年10月11日〜12日


   間ノ岳の北約2キロ、南約0.5キロの間が日本一長い標高3000mを超える稜線と
 言われている。このうち間ノ岳の北2キロを天気のいい時に歩いてみる計画を立てていた。
  過去2回歩いているがいずれも夏で、朝早いうちは素晴らしい景色であるがすぐに霧が
 出てくるので秋に行く計画を立て、しかも紅葉も見たいと考えていた。
  今年の夏以降は天気が安定せず、ようやく11日に広河原を出発した。

  9月に入っても天気の良い日が続かず、9月下旬の北岳周辺の紅葉の時期は過ぎ、10月になってもなか
 なか晴れマークの続く日がない。12日は天気がよさそうなのでそこを狙った。ただ、紅葉の最盛期は過ぎ
 てしまっているので稜線からの景色だけを期待した。

   <1日目>  
     約1か月半ぶりの山である。
   計画はずいぶん立てていたが、好天が続か
  ずにこの時までなってしまった。

   この日の予報は曇り。今日は北岳山荘まで
  なので、雨さえ降らなければいい。

   広河原までの途中はかなりの霧だったが、
  着いた時には晴れ間が広がり、その後もうす
  曇りだった。広河原からも北岳がくっきり見
  えていた。
    広河原からの北岳
     登山道に入り、1700m〜2000mく
  らいでは少し紅葉している木が見られた。

   9月下旬から10月中旬までの間、われわ
  れはここを歩いたことがない。大樺沢の紅葉
  は写真でしか見たことがない。ただ歩いてみ
  て分かったのは、カエデやナナカマドなど赤
  や黄色、橙色になる木々はとても少ないこと
  がわかった。
    紅葉した木
       この時期なので花は残っているものがわず
    かに見られたにすぎない。

     タカネコンギク、フジアザミ、キツリフネ、
    センジョウアザミ、ヤマハハコ、ホタルブク
    ロである。ヤマハハコはトラバース道で比較
    的きれいな花が一株だけ見られた。
   紅葉した木
 
  タカネコンギク フジアザミ
 
  キツリフネ センジョウアザミ
       3連休の翌日なので、登る登山者も数組と
    少なく、降りてくる人も数える程度。

     風もほとんどなく、とても静かな山になっ
    ている。一方大樺沢やそこに流れ込む小沢は
    雪解け時期の7月上旬くらいの水量で、その
    ため沢音だけが大きく聞こえる。おそらく9
    月の雨の影響なのだろう。

     二股近くなると青空になり、うろこ雲など
    の秋らしい雲が見られた。バットレスも雲に
    映えていた。
   ヤマハハコ
       一番期待していた2200m付近の二股あ
    たりの紅葉はもう終わり。特にナナカマドや
    ダケカンバはほとんど落葉しており、ナナカ
    マドの赤い実がついているに過ぎなかった。

     大樺沢の右岸の様子を撮ってみたが、
ダケ
    カンバの白い幹が目につき、ほんの少し色づ
    いて残っている木が見えただけだった。
  北岳バットレス
   
  大樺沢右岸の様子
     二股から大樺沢を八本場のコル目指して登
  る。高度が上がるにつれて、夏の時期だと全
  く見えない右股ルートや草すべりからの登山
  道が見えてきた。ダケカンバの葉が落ちてい
  るので、この時期ではないとみられないもの
  だ。

   さらに後方には鳳凰三山が見えてきた。

   コルへは最後に数多くの梯子を登ることに
  なる。数えてみたら28個もあった。

   コルに到着。明日登る間ノ岳が見えた。
  ちょうど写真の右のピークが中白根山である
  が、その少し下から3000mの稜線となる。
    3000mの稜線
     稜線に出たら風があって寒く感じるだろう
  と思っていたが、さほど風もなく景色はまあ
  まあで快適。

   北岳山荘まではあと1時間ちょっとなので
  ゆっくり休憩してから歩きだす。

   ここはトラバース道で初夏からはずっと素
  晴らしいお花畑が展開するところだが、この
  時期に花はほとんど残っていない。

   この日は午後からは雲が多くなって、夕焼
  けはさほどではなかったが、雲海に浮かぶ富
  士山が見られた。
  夕焼け時の富士山

                                                                ≪続く≫

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