道東道は途中雨が降ったりやんだり。ただ 夕張市内に入ったら少し晴れ間も覗きだした。 この日は日曜日なので駐車場は相当混雑し ているだろうと予測していたが、10台くら いで奥の方の路肩に駐車できた。やはり道内 の登山者は最近の天気を見定めて訪れてない。 気温も高く風がないのでヒュッテまで20 分の間に汗が噴き出す。 3年前に建て替えられたヒュッテに泊まる のは初めてだ。手続きをして荷物を預けて歩 きだす。 すぐにウメガサソウが見られた。 |
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ウメガサソウ | ||
ウメガサソウを見たのは初めてである。こ れは幸先がいいな。 林の中をゆっくり登るが、湿度と気温が高 く風もないので大量に汗をかく。 エゾアジサイがところどころに爽やかなブ ルーを見せてくれる。エゾヒョウタンボクが 見られた。これも初めて見る花だ。 ほかにはズダヤクシュやミヤマトウバナ、 キンミズヒキなどが見られる。ここの登山道 を歩くのは4年ぶりであるが、以前よりも道 が雨によってえぐられたように感じる。 |
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エゾアジサイ | ||
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1時間ほど歩いて冷水の沢に到着。 水量が多い。ヒュッテの管理人の話ではこ このところ毎日雨が降っているそうだ。 冷たい水がおいしい。帽子も水に濡らして かぶると冷たく気持ち良いので、水につけて 木の枝にぶら下げておいた。 すぐ近くにフキユキノシタが咲いていた。 この花は夕張では初めて見た。 ここからは花の数が増えてくるので、一休 みしてから歩き出す。 |
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エゾヒョウタンボク | ||
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少し歩いて帽子を置き忘れたことに気づい た。帰りはここを通るつもりはないので取り に戻る。今日は15時から16時の間にヒュ ッテに戻れるところ辺りまで歩くつもりなの で、戻る時間がもったいないなんて言う感じ が全くない。 戻る途中で登ってきた時見なかった花に出 会えたのが嬉しかった。 アリドオシランがたくさん咲いており、こ れも夕張で初めて見たコイチヨウランに出会 えた。背丈がせいぜい10センチ、花の径は 7〜8ミリほどの小さなランである。 そして咲き終わって実の形になったギンリ ョウソウがあった。この形は他の山でも見て いるが何という植物か分からなかった。今回 改めて調べてみたら、花が終わって実となっ たギンリョウソウであることがわかった。 |
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フキユキノシタ | ||
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アリドオシラン | コイチヨウラン | |
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花はこの後、ツルリンドウやヨツバヒヨド リ、コバノイチヤクソウなどが現れ、前岳の 沢に出た。 ここからすぐに、馬の背コースとの分岐と なりやや急な道を登る。 ホソバキソチドリが現れ、まもなく石原平 に出た。ここはシラネアオイの群生地である が、もう終わっており種をつけていた。ここ には以前クルマユリが見られたが、見たのは 1回だけで、今回も咲いていなかった。 ヤマラッキョウが岩の上にあり、ダイモン ジソウが咲き始めていて、シュロソウが一株 咲いていた。 |
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ギンリョウソウ花後 | ||
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ホソバキソチドリ | シュロソウ | |
ここまでで雨が2回落ちてきたが、通り雨 のようですぐに止んだ。ほどなく望岳台に到 着。到着して昼食を終えた後、風が出てきて 雨が今度は長く降ってきて雨具を着こんだ。 上から足早に登山者が降りてくる。 望岳台にはカノコソウが咲いていると多く のガイドブックに出ているが、今まで何回も 登っているのに一度も見たことがない。今回 初めてこれが見られた。やや終わりかけの花 ではあったが、2株咲いていた。 ここからはがぜん花が多くなってくる。 ミソガワソウ、チシマノキンバイソウ、エ ゾウサギギク、シオガマギク、オオバミゾホ ウズキ、アカモノ、エゾグンナイフウロ、イ ワイチョウ、ヒオウギアヤメ、ハクサンボウ フウ、アラシグサ、オニシモツケなどだ。 |
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カノコソウ | ||
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ミソガワソウ | チシマノキンバイソウ | |
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エゾグンナイフウロ | オニシモツケ | |
憩沢に着いた時には雨は止んだが、霧が濃 くなってきた。雨が降ったのは30分程度だ った。 前岳湿原でこれもここでは初めて見るシロ ウマチドリがいくつも咲いていた。 望岳台のカノコソウといいシロウマチドリ といい、夕張岳には7月中旬から8月上旬に かけて何度も登っているが、初めて出会った ということは、タイミングがいいというか運 が良かったというしかない。 前岳湿原にはミヤマアケボノソウも7月下 旬から咲いているが今回は一株も見えなかっ た。 咲き始めのエゾウサギギクがここでも見ら れた。 |
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シロウマチドリ | ||
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登山道はここから笹かぶりがひどくなる。 夕張岳の登山道でこれほどササが刈られてな いのは初めて。背丈より高いところも多く、 登山道が隠れて見えないのでかき分けながら 進むしかない。あとでヒュッテの管理人に聞 いたら、刈る許可は得ているが天気が悪くて 整備できていないと言っていた。 ひょうたん池を過ぎて蛇紋岩崩壊地に着い た。風が出て霧の中でやや寒い。 ここにはカトウハコベ、シロウマアサツキ、 アズマギク、チシマワレモコウ、ホソバトウ キが見られた。ホソバトウキもここでは初め て見る花だ。 |
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エゾウサギギク | ||
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時計を見ると13時半だ。できればこの先 の湿性お花畑までと思っていたが、この天気 ではシロウマアサツキの大群落は見れそうに ない。 山頂まで行っていた最後の3人組が降りて きたこともあって、ここで引きかえすことに した。 |
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ホソバトウキ | ||
15時半にヒュッテに着いた。新しいヒュ ッテは二段ベッドで中はまだ新しい畳敷きだ。 ユウパリコザクラの会の会員が寄付を募って 廃材などを利用して立てた小屋だ。 今日は泊り客は一人。管理人さんも札幌の 人で管理人業務は今日が初めてだという。会 の人がかわるがわる秋までボランティアで管 理している。 太陽光発電で電気を得ており、中はランプ 型の電灯にLED電球をつけている。入口や トイレの入り口も人が立つと点灯する仕組み になっていてとても工夫されている。なんで も酔った複数の会員が階段から足を踏み外し、 トイレにも自動点灯させるべきということか ら点いたとか。 持参して冷やしておいたビールが美味い。 営業小屋ではないため、寝具、食糧は持参 だ。管理人さんも当然自炊。夕食にはジンギ スカンとみそ汁をごちそうになり、持参した ものに加えて豪華な夕食となった。 |
![]() ヒュッテ内部 |
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夕食後は消灯まで二人で酒を飲みながら、 北海道の話や山の話に花が咲いた。 天気が良くないし、道も悪いし、一方で結 構新しい花も見られたということで明日の登 山は五分五分かなと思って寝についた。 翌朝、ヒュッテの前の川は白く濁っていた。 昨夜雨が降ったためだ。ここは沢の下流の樹 林帯の中にあるが、風が吹いている。空は一 部晴れているが雲の流れが早い。携帯が通じ ないので天気予報はラジオだけの情報だが、 今日も不安定で北空知には大雨洪水警報が出 ている。 今日の山頂までは中止し8時ころまでヒュ ッテでノンビリしてから下山することにした。 |
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夕張岳ヒュッテ | ||
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下山し、車で市内のユウパロの湯に行った。そのころから雨。風呂から出て、千歳空港へ向か う途中も降ったりやんだり。千歳ではやや激しく雨が降っていた。今日の中止は正解と思いたい。 夕張岳は途中までだったが、ここで初めて見た花が数種類あった。また撮り直したい花もかな り撮れた。何より新しいヒュッテに泊まってゆっくりしたことで、天候不安定な今回の山旅が心 地良いものに変わった気がする。 ヒュッテ 9:26 冷水の沢 10:30 前岳の沢 11:11 石原平 11:40 望岳台 11:48 ひょうたん池 13:12 蛇紋岩崩壊地 13:25 馬の背・冷水 分岐 14:30 ヒュッテ 15:25 |
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