そして蛇紋岩崩壊地に到着。
    荷物を木道の上において、早速ユウパ
   リコザクラを探しにかかる。木道付近に
   ある株はすでに花柄もついてない。おそ
   らく一週間前には終わってしまったのだ
   ろう。
    崩壊地はまだ雪に覆われているところ
   が多く、雪が解けた周辺を見るとピンク
   の花は少し見える。ただ、望遠で写せる
   距離ではない。

    そのほかは、ユウパリアズマギク(ミ
   ヤマアズマギクとの違いは良く分からな
   い)、チングルマ、エゾノハクサンイチ
   ゲ、ムシトリスミレなどが見える。
     ユウバリアズマギク
 
  チングルマ ムシトリスミレ
      アポイタチツボスミレが一輪あった。
    今まで見たことがなかった花だ。

    近くに、ヒメナツトウダイもあった。
    これはこの後、湿性お花畑でも見るこ
   とができた。
 
  アポイタチツボスミレ
 
    このあたりで、昨日ヒュッテに泊まっ
   たご夫婦が追いつき、「すごい花の種類
   ですね!」といっていた。夕張岳は初め
   てだそうである。
    こっちは花を見るたびに写真を撮って
   いるから木道は先に行ってもらった。

    キバナノコマノツメやハクサンイチゲ、
   ミツバオウレン、エンコウソウ、タカネ
   タンポポなどが出てきた。ナナカマドも
   花を咲かせていた。

    シロウマアサツキは蕾をたくさんつけ
   ていた。これが一斉に開くのは今年は7
   月上旬くらいか?湿性お花畑はまだ随分
   雪に覆われていた。
  ヒメナツトウダイ
 
  タカネタンポポ シロウマアサツキ
   
    雪が解けているところでは、ムシトリ
   スミレやミヤマキンポウゲ、ハクサンチ
   ドリなども咲いている。

    そしてナナカマドが木道を両側から覆
   いかぶさってくるあたりに、タカネグン
   バイが咲いていた。この先吹き通しにも
   咲いているが、ほんとに咲きはじめだっ
   た。

    タカネグンバイ 
        左に釣鐘岩が見え、そこの残雪を越え
   るとハイマツの間を通った先が吹き通し
   だ。

    残雪の周りには、雪解け後のフキノト
   ウやヒロハヒメイチゲ、ヤマガラシ、ミ
   ヤマスミレなどが見え、クロウスゴの花
   も咲いていた。

    吹き通しの少し手前でミヤマオダマキ
   が、吹き通しではユウバリソウ、ナンブ
   イヌナズナ、ユウバリキンバイといった
   固有種もしくは珍しい花が咲いている。
   ユウバリソウは旬のものは少なく全体と
   しては終わりかけになってきている。

    ほかにはエゾタカネスミレ。絶対にあ
   ると思って探した。これは本当に久しぶ
   りに出会えた花だ。登山道からは2株だ
   け見えた。
  釣鐘岩   
 
  ユウバリソウ  ユウバリソウ  
 
  ナンブイヌナズナ  ユウパリキンバイ 
      さらにエゾミヤマクワガタ。これも以
   前見たことがあるが、こんなにたくさん
   群生しているのは初めてだ。本当に年に
   よって違う様子を示すことを実感した。

    ほかにはユウバリアズマギクやタカネ
   グンバイ、ミヤマオダマキ、エゾノハク
   サンイチゲが咲いている。またクモマユ
   キノシタもエゾタカネツメクサも開花し
   始めていた。

    タカネオミナエシは黄色の蕾がたくさ
   ん見えたのでこれも近々だろう。固有種
   のユキバヒゴタイはたくさんあったが、
   これは開花までしばらく時間がかかりそ
   う。
   エゾタカネスミレ
 
  エゾミヤマクワガタ  ミヤマオダマキ 
 
    霧も少し出てきて、時折冷たいものが
   落ちてきたがたいしたことはない。ここ
   で随分時間をとってしまった。山頂まで
   あと15分程度だ。
    
    吹き通しから又違った植生があるのも
   夕張岳の面白さだ。

    コミヤマカタバミが現われキバナシャ
   クナゲも見えてきた。ウラジロナナカマ
   ドに混ざって、タカネナナカマドも咲い
   ていた。
    ツマトリソウやイワウメも見られる。
   イワウメは登山道からは見られないとど
   こかで読んだことがあるが、結構見るこ
   とができた。

    キバナシャクナゲ 
      さらに登ると、ゴゼンタチバナやミヤ
   マダイコンソウも咲き始めている。ミヤ
   マダイコンソウはここから上でしか見て
   いないが、もう咲いているのかと思った。

    夕張神社の近くになると、ハクサンイ
   チゲやハクサンチドリがたくさん咲いて
   いる。ハクサンイチゲは花がもう散って
   しまった株も相当見られた。

  イワウメ   
 
   ゴゼンタチバナ  ミヤマダイコンソウ
 
    そして山頂へ。完全に視界はない。風
   も少し出てきて寒く感じる。

    山頂までの上りでコメバツガザクラを
   見た。ここにはイワウメもあり、またウ
   ラシマツツジの葉もきれいな緑色を見せ
   ていたが、探したけど花は一つも見られ
   なかった。

    コメバツガザクラ
 
    夕張岳は何回来ても素晴らしい花々を見せてくれる。特に今回は6月中旬でユウパリコザクラ
   が何とか見られるかと思ったが遠くに見えただけだった。ユウバリソウは旬だろうと思ってきた
   が、何とかいい株に間に合った。

    ほかの花は、咲きはじめのものが多く、しかももう咲いているのかと感じた花も相当あった。
    いずれにしても、60種類程度の花をこの時期に確認することができた。

    そのため、夕張に来て一番時間がかかった山行だった。今回の北海道での最後の山も一日たっ
   ぷり遊ばせてもらった。
    

  夕張ヒュッテ4:45  冷水の沢5:50  石原平6:52  望岳台7:10 前岳湿原7:50

  山頂9:35   山頂発10:36 望岳台11:50   ヒュッテ13:20



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