起きてみると、風はないものの雲が広 がっている。昨日のラジオの天気予報で は札幌方面今日は午後から雨らしいので、 天気は期待できそうにない。でも花の写 真を撮るには曇りのほうが嬉しい。 大きな荷物は置かせてもらって冷水コ ースを歩き始める。 エゾアジサイが少し残っていて薄いブ ルーの花を咲かせている。しかしこの時 期はホソバガンクビソウやコモチミミコ ウモリがときどき現われるに過ぎない。 エゾスズランが少し残っていた。 冷水の沢まではほとんど花は見られな い。ここで軽い朝食をとり、馬の背コー スとの分岐から時々階段がある道を登る。 ここまでの樹林帯では風がときどき通る ので蒸し暑さは感じない。 |
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エゾスズラン | ||
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ヨツバヒヨドリがいくつか咲いていた。 のぼりの途中で、エゾクロクモソウが 咲いていた。暗い赤色の小さな目立たな い花だ。 でもわれわれとしては夕張ではじめて 見た花なので写真に撮る。 石原平付近の岩場にダイモンジソウが あった。ここにはいつも咲いている。 |
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ユツバヒヨドリ | ||
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エゾクロクモソウ | ダイモンジソウ | |
望岳台に到着。 久しぶりに芦別岳が見えた。 北から北西方向は青空も見えるが、東側 から雲が山肌を流れてきていて、一部雲海 を作っている。 ここから蛇紋岩崩壊地までの道は、とこ ろどころで結構笹が覆っている。 前岳湿原までにミソガワソウやエゾゴマ ナ、ヤマハハコ、時期外れのツルリンドウ の花が見えた。 |
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望岳台より芦別を望む | ||
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ミソガワソウ | エゾゴマナ | |
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前岳湿原ではミヤマアケボノソウが少 し見られた。ちょうど咲き始めたようで、 今年は随分遅い気がする。ミヤマアケボ ノソウは釣鐘岩あたりまでずっと咲いて いた。 ウメバチソウも見頃を少し過ぎた感じ だが、その後もたくさん見られた。 シオガマギクも少し見られた。 |
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ツルリンドウ | ||
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あーちゃんがストックにつけた鈴を少 し立ち止まっている間やたつさんが写真 を撮っている間も盛んに鳴らしている。 昨日ヒュッテで熊出没情報がいくつも 出ており、また管理人からも「最近よく 見かける。落し物もあるし、掘り返しも あるけど、でもここのクマは慣れている から人を避ける。出遭ったら逃げるよう なことはしないで鈴を鳴らすなどすれば 向こうから逃げてくれるよ。」と言われ ていて少し神経質になっているようだ。 ここ夕張ももともとヒグマの生息地で、 時々出ることは知っているが、今までは 何回も登っているものの遭遇したことは ない。ただ今日はこの時間登っているの はわれわれぐらいなもんだから気をつけ るに越したことはない。 結局、クマには遭わなかったが、下山 までにすれ違った登山者は二人だけだっ た。 |
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ウメバチソウ | ||
前岳湿原からはナナカマドの赤い実越 しに夕張岳がはっきりと見えた。 あたりは全体に雲に覆われて日差しは 望むべくもない。雨が落ちてこないのが めっけもんだ。 ひょうたん池付近でクマの落し物が道 端にあった。まだ新しかった。 |
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夕張岳 | ||
蛇紋岩崩壊地に到着。 ユウパリリンドウがいくつも咲いてい た。これもまだ蕾をもっているものが多 く、開花が今年は遅いのを示しているよ うだ。 カトウハコベもわずかに残っていた。 何か新しい花は見えないかなと思って、 しばらく眺めていたが見当たらなかった。 |
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ユウパリリンドウ | ||
湿性お花畑までには、ミヤマアケボノソウやチシマワレモコウ、ナガバキタアザミ、エゾオヤマ リンドウなどの晩夏の花が結構たくさん咲いていた。 また、ハンゴンソウやエゾノシモツケソウもまだ咲いていたが、シロウマアサツキなど7月下旬 ころに旬を迎える花はほぼ終わっていた。 |
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チシマワレモコウ | ナガバキタアザミ | |
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エゾオヤマリンドウ | エゾシモツケソウ | |
特に今回はエゾオヤマリンドウが多い 印象を受けた。 また、ミヤマアケボノソウは一昨年の 8月上旬に来たときにそれはすごい量が 咲いていたのと比べるとだいぶ少ない感 じがした。 それでも大きな株で咲いている様子は 見事だ。 |
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ミヤマアケボノソウ | ||
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木道が終わって釣鐘岩のあたりには、 エゾホソバトリカブトやオオカラマツ、 イブキトラノオ、ミヤマリンドウ、ウサ ギギクなどがまだ咲いていた。 ここの草地には他にもエゾヒメクワガ タやチシマフウロがわずかに残っていた が、この小さな草地は8月上旬までは多 くの花が咲く楽しみな場所だ。 |
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エゾホソバトリカブト | ||
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オオカラマツ | イブキトラノオ | |
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ミヤマリンドウ | ウサギギク | |
また、ここへの間の草地に、ユウパリ リンドウの比較的大きな株が目を引いた。 吹き通しの少し手前にはタカネナデシ コの残り花も見られた。 吹き通しにもまだユウパリリンドウが たくさん咲いていた。終わりかけの株も だいぶあったが、旬のものも多かった。 このあたりには他には咲いている花は 見られなかった。 |
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ユウパリリンドウ | ||
山頂までの登りには、もう花は見られなかったが、山頂の標識の下にユウパリリンドウが一 株だけ咲いていた。何かこの山を代表する花でもあるかのように誇らしげだった。 山頂からの芦別方面は雲の流れが何か幻想的な風景を見せていた。 |
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このあたりで、雨がぽつぽつ落ちてきた。昨日のラジオの天気予報が当たったようだ。 帰りは一気に下った。登山口に着くまで大して降られなかったのが幸いだった。 期待していた新しい花はほとんど見ることができなかったが、また次の機会に楽しみを とっておくことにしたい。静かな山旅ができ良い一時だった。 夕張岳ヒュッテ5:00 冷水の沢5:55 望岳台6:26 憩沢7:35 蛇紋岩 崩壊地8:05 釣鐘岩8:45 山頂9:05 山頂発9:30 望岳台10:35 ヒュッテ12:05 登山口12:20 |
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