雨竜沼湿原


                          2017年7月15日


   旭岳に登った後に雨竜沼湿原に行くことは始めから決めていた。ここは「北の尾瀬」とも
 呼ばれているが、面積や沼の大きさ、花の量などは尾瀬と比べるべくもない。ただ、空の広
 さというか解放感というか北の湿原にしてはその明るさが際立つと感じている。

  たつさんにとっては8年ぶり、あーちゃんはここは初めてとなる。当初は雨竜沼から南暑寒岳に登って
 増毛山地の雄大な景色を見せたいと思っていたが、翌日の予定を考えると道内は移動に時間がかかるので、
 湿原だけと決めた。
  結果としてはそれが正解だった。とにかくこの日も快晴で暑い。夕方のニュースでこの日の全国の最高
 気温は帯広の37.1℃、札幌も37℃だったそうで、雨竜沼湿原も標高900mとはいえ相当に暑く、
 南暑寒まで行ったらバテてしまったことだろう。

     登山口のある「雨竜沼湿原ゲートパーク」
  に着いたのは6時半ごろ。ここには大きな駐
  車場が3つあり、一番上に停められた。3連
  休の初日でもありこの時間でもかなりの車だ。

   朝食を摂って管理棟で一人500円の環境
  美化協力金を払って歩きだす。

   未舗装の林道をしばらく歩くが、ここの記
  憶は全くない。

   空には雲一つなく風が今のところ爽やかで
  ある。オニシモツケがいくつも咲いていた。
    オニシモツケ
     ペンケペタン川に架かる最初のつり橋を渡
  り、登山道に入る。

   8年前は6月下旬にここを歩いており、当
  時の記録では登山道に入ったあたりから、タ
  ニウツギ、ハクサンチドリ、ノビネチドリ、
  マイヅルソウ、スミレ類、ヒメゴヨウイチゴ、
  ノウゴウイチゴ、オオバミゾホウヅキなどが
  姿を見せたとある。

   しかし今日はほとんど花が見られず、サン
  カヨウの青い実が目につく程度だ。

   やや当てが外れた。直に白竜の滝が見えた。
    サンカヨウの実 
       ここからやや急な道を少しの間登る。第二
    吊り橋を渡って左岸の道を歩くようになる。

     ここでも8年前はキバナノコマノツメやシ
    ラネアオイが見られたが、今回は終わってい
    た。

     そのうちブルーのきれいなエゾアジサイが
    現れた。
  白竜の滝   
 
  第二吊り橋  エゾアジサイ
     エゾアジサイは標高にもよるが概ね8月に
  入ってから咲く花なので、今年は連日続く北
  海道の真夏日のため早くに咲いたようだ。そ
  れとともに初夏の花は終わってしまったよう
  だ。

   左にペンケペタン川を見ながら高度を上げ
  ていくと、ハイオトギリが咲いていた。

   マシケレイジンソウが一株あったが、花は
  ほぼ終わっていた。

   両側にササが現れ、対岸と前方にダケカン
  バが出てくると湿原入り口は近い。
  ハイオトギリ
     南暑寒岳と暑寒別岳が見えてきた。

   ペンケペタン川に落ちる小さな流れを渡る
  ところで、ヒオウギアヤメとシナノキンバイ
  が見られた。

   この小沢にはブラシが置いてあり、靴底を
  洗う場所となっている。靴底に付いた雑草の
  種を持ち込まないためのものだ。

   ほどなく湿原の入り口に着いた。
    シナノキンバイ
   
  エゾカンゾウの咲く雨竜沼湿原 
 
  雨竜沼湿原と南暑寒岳(左)、暑寒別岳(右)
     木道が敷き詰められており、少し歩くと2
  メートルほど高くにくみ上げた展望台があり
  ベンチが作られていて多くの人が休んでいた。

   ただし、日陰など全くないない炎天下だ。

   ここで少し一望して、湿原を歩くことにし
  た。しばらく歩くと道は分かれていて、時計
  回りの一方通行となる。一周約1時間半の道
  のりだ。

   すぐにホソバノキソチドリがあり、これは
  周回中も至る所で見られた。その他にこの湿
  原で見られた花を以下に掲げてみる。

   8年前に来たときに見られたエゾノリュウ
  キンカ、ショウジョウバカマ、ミヤマキンポ
  ウゲ、チングルマ、カラマツソウ、ヒロハヒ
  メイチゲなどは今回は目にすることができな
  かった。
    ホソバノキソチドリ
 
  シモツケソウ ヒオウギアヤメ
 
  ナガボノシロワレモコウ オゼコウホネ
 
  イワイチョウ エゾゼンテイカ
 
  クロバナハンショウヅル モウセンゴケ
 
  ワタスゲ トキソウ
       今回見られたのはほとんどが8年前の6月
    下旬には見られなかったものであるが、中で
    もナガボノシロワレモコウやトキソウは8月
    になって咲く花なので、高温のおかげか。

     コバイケイソウやハクサンチドリも見られ
    たが、咲き終わりの状態だった。タチギボウ
    シもたくさんあったが、まだ蕾で開花はして
    いなかった。

     再び展望台へ戻って水と行動食を摂った。
    ベンチがいっぱいだったこともあったが、暑
    さで二人とも座り込んでしまった。
  ギョウジャニンニク  
 

 


    素晴らしい青空の中、北の湿原を満喫した一日だった。

    帰ってからわれわれが歩いた一週間前の情報を見たら、ハクサンチドリやコバイケイソウ、チシ
   マフウロ、ツマトリソウ、チシマニンジンなどが見られたそうだ。標高が900mほどの平地なの
   で、少し高い気温が続くと咲いている期間が短くなり、種類が替わってしまうのは仕方ない。

    梅雨明けの暑い関東から避暑に来たはずなのに、それにしても暑い一日だった。

  ゲートパーク 7:07  湿原入り口 8:46  湿原一周終了 10:14  

  ゲートパーク 11:45


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