塔ノ岳・鍋割山


                          2017年5月29日


   今年は3月中旬から4月初めにかけて気温が低く、さらに甲信越は例年以上に冬の
 積雪が多かったため、今まで登った山でも狙った花が見られなかった。5月末には関
 東北部の山に行く予定だったが、まだ残雪が多く花は見られないと判断し、トレーニ
 ング目的で塔ノ岳・鍋割山を歩くことにした。

  丹沢ではこの時期、トウゴクミツバツツジやシロヤシオなどのツツジ類が見ごろとなるが、塔ノ岳と鍋割山
 にも見られる。4年前にこの周回コースを歩いたが、今日は反対に塔ノ岳を先にして、鍋割山をあとに回す逆
 ルートをとることにした。

     表丹沢県民の森の駐車場は運よく一台空い
  ていた。

   今日の予報は晴れで暑くなるとのことだっ
  たので、半袖で日焼け止めをして出発する。

   二股までの道は覚えていなかったが、歩き
  だしてなんとなく思い出してきた。

   バイカウツギとハコネウツギが咲いていた
  が、バイカウツギは終わりかけのものが多か
  った。あーちゃんが「ハコネウツギってなん
  でこんなにも多彩な色を出すんだろうね。」
    ハコネウツギ
     今日のルートは二股から堀山の家までの主
  に尾根道を登る。4年前はここを下ったが、
  下り始めて杉の林に入ったあと踏み跡程度の
  ようになり、地図で確認しても間違いないの
  で何とか降りた思い出がある。登り口や堀山
  の家の降り口にも、「このルートは道迷いし
  やすい」との注意書きがあった。

   登ってすぐに右に行く道と左に行く道がつ
  いており、どちらも明瞭とはいいがたいが、
  今回は左にとることにした。二股から堀山の
  家までには標識がこの左の道の途中に一か所
  あっただけで、こちらが正解だったようだ。

   杉の林にはフタリシズカがたくさん咲いて
  いた。
    フタリシズカ
     堀山の家は大倉から塔ノ岳への大倉尾根の
  途中にあるため、次々と登山者が登ってくる。

   ここで休憩していて杉の木々の間に富士山
  がきれいに見えた。今日は予報は晴れだった
  が、ここを出発すると日差しは時々出るもの
  の雲が多くなってきた。

   ここからは階段の道が続く。

   ヤマアジサイとコツクバネウツギが見られ
  た。
  ヤマアジサイ
       大倉尾根は階段の道が延々と続き、「バカ
    ヤロー!」と叫びたくなる道なので、「バカ
    尾根」とも言われている。

     高校時代以降何回か歩いたが、今は大倉か
    らずっとこの尾根を歩く気がしない。

     ミツバツチグリに交じって同じ黄色のカタ
    バミや小さなフデリンドウが道端に見られる。

     10時前でももう上から降りてくる人たち
    が結構いるのには驚いた。
  コツクバネウツギ
 
   カタバミ フデリンドウ
     塔ノ岳と鍋割山の登山道はほぼずっと階段
  状の道となるが、丹沢山塊が地質がもろいの
  でこれは仕方がない。

   花立山荘に到着。このころになると霧も出
  てきて気温が下がってきた。半袖から長袖に
  着替える。どうも天気予報と実際が異なる。

   道の両側にはササがあるが、良く見るとそ
  の中にヒメイズイが咲いていた。

   また一株だけミヤマキンポウゲも見られた。
    ヒメイズイ
 
  ヒメイズイ ミヤマキンポウゲ
     少し登ると階段のない尾根道になり、トウ
  ゴクミツバツツジが見られるようになった。

   山頂方面から下ってきた老夫婦と出会うと、
  「今年はシロヤシオが全くダメですね。」と
  話してくれた。あーちゃんが「これらの花を
  見に毎年登ってくるんだね。」

   トウゴクミツバツツジはたくさん見られた。
    トウゴクミツバツツジ
       途中に北西に開けたところがあって、ちょ
    うど丹沢山地の最高峰の蛭ヶ岳が望まれた。
    その方角はまだ視界は良好になっている。

     また、トウゴクミツバツツジの先に、一本
    だけシロヤシオの木が見られ、花がついてい
    るのが確認できた。

     遠くではあるがシロヤシオの花が見られた
    のはここだけだった。
  トウゴクミツバツツジ  
   
  蛭ヶ岳 
   
  トウゴクミツバツツジとその上にシロヤシオ
     鍋割山との分岐、金冷しからの道ではバイ
  カオウレンとクワガタソウが見られた。

   この二つは、鍋割山への道でもたくさん見
  られた。
    バイカオウレン
       塔ノ岳には14,5人の人が休んでいた。

     富士山は山頂部が見えるだけで、そのうち
    雲が出てまったく見えなくなってしまった。

     鍋割山へ向かう。このころには霧が出てき
    て、大きなブナの林は幻想的な雰囲気だった。
  クワガタソウ  
       鍋割山も霧の中でまったく景色は見えなか
    った。

     ここから下りも階段が続く。1170m付
    近に何本ものコツクバネウツギの木があり、
    どれも花が満開になっていた。目立たない花
    だがとてもきれいだ。

     またすぐ下には、ヤマツツジの咲き始めの
    木があり、「咲き始めはほんとにきれいね。」

     二股までとそこから駐車場までは2キロを
    超える長い林道を下った。
  ブナの尾根道  
 
  コツクバネウツギ ヤマツツジ
 

 


    トウゴクミツバツツジとシロヤシオを見に行ったが、シロヤシオはほとんど見られなかった。

    花つきの良い年とそうでない年があるのは知っているが、これほど見られない年に遭遇した
   ことはなかった。その一方で、満開のコツクバネウツギに出会えるという収穫もあった。


  表丹沢県民の森駐車場 8:05  二股 8:28  堀山の家 9:39  花立山荘 10:36

  塔ノ岳 11:29  大丸 12:18  鍋割山 13:01  駐車場 14:53


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