トムラウシ山(トムラウシ公園)


                        2013年9月17日


   2013年の紅葉の山旅は大雪にしようと決めていた。
  その計画を考えている途中で、どうせならトムラウシにも登ってみようと思い、今回の最初
 の訪問地に決めた。トムラウシの新得側からは11年ぶりである。
  台風18号の通過後、雨は上がって全体としては晴れているが、トムラウシ上空は一日霧が
 かかっていておまけに立っていられないくらいの風が時々吹く。山頂からの景色は望めないし、
 稜線の強風を考えて今日の行程をトムラウシ公園までと途中で変更した。


  台風18号の速度が2日前の予想より遅くなったため、羽田から予定した飛行機は離陸できた。千歳は
 すでに雨で、東大雪荘までずっと雨。夜中にやんだようだ。天気予報は晴れになっているので期待できそ
 うだが、北海道の山の天気はわからない。

     短縮路の駐車場までの林道は8キロの悪路。
  雨が上がって晴れ間は出ているが、水たまり
  が多く残っており、しかも深い。

   われわれの車の前後に一台ずつ走っていて、
  駐車場にはほかに4台が停まっていた。ここ
  のトイレの形は記憶にあるものだが、太陽光
  発電機は付いていなかった。

   カムイ天上まではもっとぬかるんでいる記
  憶があったが、随分整備されているようだ。

   ツリバナ、イワツツジ、ゴゼンタチバナ、
  ツルリンドウの実が出てくる。
    ツリバナの実
 
   イワツツジの実 ゴゼンタチバナの実 
       カムイ天上からの新道は初めてである。

     以前はコマドリ沢に下りて沢沿いを歩く道
    だったが、ササが刈りはらわれた新道ができ
    た。

     尾根筋でもあり、ダケカンバ越しに左右の
    山々が見渡せるところがあり、遠くは晴れて
    いるがトムラウシ上空はねずみ色の雲に覆わ
    れている。

     紅葉はほぼ見頃であるが、近くの林の木々
    はまだ早めで、所々色づいている木々が出て
    くる程度だ。
   ツルリンドウの実  
 
     
       雲の流れは相当に早いのがわかるが、この
    あたりで風は強くは感じない。樹林帯にいる
    せいかもしれない。

     この新道で相当手こずってしまった。昨日
    の台風の雨でものすごくぬかるんでいる。足
    を置く場所を探しながら歩いたので、通常の
    コースタイムより30分も多くかかってしま
    った。

     途中単独の人が追い越して行った。何でも
    もう4日間天気待ちしていたらしい。

     コマドリ沢出合いに着いて少し休憩し、お
    なかを満たす。
 
     カムイサンケナイ川の支流を渡り、コマド
  リ沢を歩く。
   
   何とまだ花が咲いている。今年の表大雪は
  残雪が多かったのでこの沢沿いも雪が遅くま
  で残っていたため今の時期でも残っていると
  思われる。

   コマドリ沢出合いまでの道にもチシマアザ
  ミが結構咲いていたが、この沢沿いではほか
  にナガバキタアザミやオニシモツケもまだき
  れいに咲いていた。

   このころから風を感じだした。
  ナガバキタアザミ
       さらに進むとチシマノキンバイソウや花は
    開いていないもののチシマフウロ、ミヤマキ
    ンバイそして沢沿いには何とアオノツガザク
    ラまで見える。しかしお花畑の中を沢にまで
    下りて行かないと撮れないので断念。

     エゾウサギギクやハクサンボウフウまでき
    れいな花が見られた。
  オニシモツケ  
 
  チシマノキンバイソウ  チシマフウロ
 
       上空はずっと霧が立ち込めていて、ときど
    き1794のピークとその山腹の紅葉が見ら
    れるのみ。

     でも素晴らしい。

     あーちゃんも「紅葉がきれいだね。ここま
    で来ると風景がガラッと変わるね。銀泉台の
    様子とおんなじだわ。」

     たつさんは、この天気では山頂まで行って
    もそこからの風景は全く期待できないし、稜
    線はもっと風が強いし寒いので、今日は予定
    を変更してトムラウシ公園まで行くことを考
    えていた。
  エゾウサギギク  
   
  1794ピーク山腹の紅葉 
 
   前トム平へのガレ場に来るとさらに強風と
  なってきた。

   それでもウメバチソウやタイセツトリカブ
  ト、イワギキョウなどの残り花が見られる。

   ガレ場付近の岩場には真っ赤に色づいたウ
  ラシマツツジや赤い実のコケモモ、チシマヒ
  ョウタンボク、黒い実のガンコウランなどが
  見られた。
    ウラシマツツジ
       時々霧が晴れると、前方に素晴らしい紅葉
    が見られる。

     あーちゃんは、「もうこのあたりで引き返
    そうか?」と言うが、もう少しでトムラウシ
    公園だしそこの景色をどうしても見せたいの
    でそのことを話して歩く。
  チシマヒョウタンボクの実 
   
  前トム平付近の紅葉 
 

    前トム平からハイマツ帯を縫って、スレート上の岩が積み重なる尾根に出る。ケルンがいくつか
   あって出迎えてくれる。

    少し行くと霧の中にかすかにトムラウシ公園が見える。ここの岩陰は風をよけることができるの
   で霧の晴れ間を待つことにする。下にはトムラウシ公園を通って尾根に向かう道が見える。
また、
   右手にも晴らしい紅葉の景色が霧の晴れ間で見える。


   
  トムラウシ公園の紅葉 
   
  トムラウシ公園右の紅葉
     あーちゃんも「ここまで来て本当によかっ
  たわ。ここから先の景色は以前登ったから想
  像がつくしね。」

   2006年の夏にクチャンベツからヒサゴ
  沼に泊まってトムラウシに登っているので、
  山頂部やその周辺の様子は想像がつく。

   しばらく景色を眺めて(といってもほとん
  ど霧の中だったが)、帰路に着いた。

    コマドリ沢出合いへの紅葉
 

 


    台風一過の秋晴れを期待していたが、そうは問屋は降ろさなかった。

    それでも今回の目的は大雪の紅葉を見ることだったので、標高1700mから1800mあたりは
   きれいに紅葉していて満足だった。欲を言えばきりがないが、薄日は時々射してはいたが、短時間で
   も青空をのぞかせてくれたら、もっと素晴らしい紅葉が見られたと思うと少し残念。

    帰路、ぬかるみ道にはまた時間を取られたが、木道を補修、増設していた二人の方に感謝しながら
   下山した。


    短縮路駐車場 5:34  カムイ天上 6:42  コマドリ沢出合 8:30  前トム平

    9:36  トムラウシ公園 10:10  コマドリ沢出合 11:40  カムイ天上

    13:15  駐車場 14:20


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