戸隠山


                         2011年10月11日


 今年の紅葉は火打山と妙高山に行くつもりだった。ところが10月はじめの寒気で積雪があった
ため、変更することにした。雪が降ると葉が落ちたり色の鮮やかさが失われてしまう。
 そこで急遽、戸隠山に行き先を変えてみた。


  3連休の翌日とあって、戸隠奥社の駐車場には登山客はごくまばら。支度をして6時過ぎに歩
 きだす。両側が自然林の中にまっすぐな参道が続く。先行者が遠くに一人。静かな山歩きができ
 そうだ。

      昨夜の戸隠の天気予報では、午前中は
  晴れマークがついていたが、朝から曇っ
  ている。

   奥社の駐車場から山門をくぐってまっ
  すぐ続く参道を歩く。参道の両側の林は
  うっそうとしており、端には水が流れて
  いる。

   随神門に着く。ここをくぐるとその先
  には杉並木が続く。樹齢400年だそう
  だ。歴史の古さを感じさせられる。
    随神門
      ここを通り抜けて石段の道を少し歩く
   と奥社に着いた。

    お参りをして社務所の裏側から登り始
   める。

    
  杉並木
      木々は色づき始めており、黄葉がきれ
   いだが、歩く道はかなりの急坂だ。

    参道を2キロ近く歩いてきたとはいえ、
   この急登は少し歩いただけで汗が出てく
   る。

    早速半袖になる。霧がややかかってい
   るが風は全くない。ということは、今日
   は晴れは期待できないかな?

    この急坂は約20分続いた。そのあと
   平坦なところが少しあって、そののちに
   やっと普通の傾斜ののぼりとなった。
  急なのぼり道
      ナナカマドの赤い実が目に付く。葉は
   赤でなくオレンジ色が多い。ハウチワカ
   エデの黄色がたくさん出てくる。

    ハウチワカエデは良く見ると葉の根元
   の部分が赤くなっていてきれいだ。

    このあたりはもう花は咲いていなかっ
   たが、ミヤマトウバナやイワカガミ、ミ
   ヤマアキノキリンソウ、ゴゼンタチバナ
   などがあることが分かる。

    時々、赤く色づいたモミジが見えるが、
   主体は黄色だ。
  ナナカマドの実
 
  ハウチワカエデの黄葉 五十間長屋
      霧で見通しは効かない。

    道の右側の大きな岩を越えてすぐに、
   五十間長屋というところに出た。岩がえ
   ぐられたようになっていて、昔修行僧が
   修行をした場所らしい。

    登山道はここは通らず、左に行く。
    
    10分程度で百間長屋に着いた。ここ
   も行をした場所らしい。見上げるとかな
   りの高さの岸壁の下部がえぐられたよう
   になっている。

    ここで少し休憩。
    こういう岩場にはダイモンジソウがあ
   るのではと思って見上げるとやはりあっ
   た。もう葉は黄褐色になっているが、花
   の咲いた後が見られる。

    岩壁の上には紅葉の木々が見える。
    百間長屋を振り返る
      ここから、リンドウがもうほとんど花
   が終わった状態で、でも結構残っている。

    ツルリンドウの赤紫の実があった。

    ツルリンドウそのものは花の大きさは
   せいぜい直径1.5センチくらいである
   が、実が花に比べて断然大きいのが特徴
   で、さらに色もやや紫を加えたきれいな
   色をしている。
  ツルリンドウの実
      西側が開けてくる。といっても霧がか
   かって時々薄れたりはするものの、眺望
   は全く効かない。

    だんだんとオレンジや赤が目に付くよ
   なってきた。

    と同時に、鎖場が続いてでてくる。

    ここの鎖場は相当急なのが多い。ほぼ
   垂直と思える鎖場も何箇所かある。ホー
   ルドがしっかりできるように整備されて
   いるので鎖に頼らなくても十分登れるが
   結構腕力を必要とする箇所が多い。
 
   
    垂直に近い鎖場 
        蟻ノ戸渡りに来た。

    長さは20メートル程度だろうか?
    しかし、幅は5,60センチ程度で両
   側が落ちているナイフリッジとなると、
   幸い霧がかかっているため遥か下までは
   見通せないが、怖い場所だ。

    万一風にでも吹かれてバランスを崩し
   たらと思うと、数メートルは四つんばい
   で歩いた。

    次に剣の刃渡りという場所が出てくる
   が、ここは西側に歩ける箇所があり、そ
   こを歩いて東側にまたぐと鎖でトラバー
   スできる。

    まあ、いずれにしてもここは難所だ。
   蟻ノ戸渡り  
      それでもここから西側の谷に広がる紅
   葉はきれいだ。

    ガスがかかっていなければもっと素晴
   らしかったに違いない。
     
      
    ここを越えて、鎖場を乗り越えると、
   八方睨だった。

    先行者が二人だった。

    一瞬、陽が指してきて明るくなったの
   で、もしかしたら霧が晴れるかと思い、
   ここでコーヒーを沸かして軽食をとるこ
   とにする。

    天気がよければ眺望がいいらしい。

    そのうち、二人が相次いで到着した。
    それぞれ単独の年配者だ。話しの中で
   「女房を車においてきて正解でしたよ。
   聞きしに勝る鎖と蟻ノ戸渡りでしたね。」
   と二人ともがおっしゃってた。
   八方睨を振り返る
      結局30分くらい天候の回復を待った
   が、晴れそうにないので先に行くことに
   した。

    ここから下って少し登って10分ほど
   で戸隠の山頂に着く。山頂には標識がな
   んとなく寂しく立っているだけ。
    
  戸隠山山頂 
 
ヤマハハコ 


    ここの縦走路ではリンドウがたく
さん見られ、ヤマハハコの残り花、
イワインチンの残り花が見られた。

  リンドウ   
 
    縦走路はアップダウンを繰り返す。東
   側のほうが眺望は開けていそうだが、ガ
   スで良く見えない。しかし相当切り立っ
   ていることは分かる。

    ただ、ここの縦走路からの紅葉は見事
   だ。

    まさに今が旬と感じた。

    そして、草花や木の実もたくさん見ら
   れた。シラタマノキの白い実、マイヅル
   ソウやゴゼンタチバナの赤い実などなど。
  イワインチン
 
     
 
   シラタマノキの実 マイヅルソウの実 
      
    九頭龍山を越えてしばらく下ったあた
   りで前方に高妻山が見えてきた。初めて
   みた山だが、見事な形をしたいい山だ。

    さすがに百名山に数えられる山だなと
   思った。この頃ようやく視界が開けてき
   た。
 
 
 
  高妻山を望む   高妻山を望む 
 
    一不動に到着。
    避難小屋とトイレブースがある。

    ここで小休止。あたりの紅葉もきれいだ。

    そして戸隠牧場まで沢沿いを下る。一不
   動からの下りは、すぐに水場があり、そこ
   が沢の源頭。沢沿いを下るが、結構歩きに
   くい。

    鎖場もいくつかあり、何回か徒渉する。

    でも、ここでの紅葉も素晴らしかった。

 

 


    霧がかかっていたので、眺望と紅葉の素晴らしさは半減したかもしれないが、鎖場あり、アップ
   ダウンあり、沢あり、杉並木の参道歩きあり、牧場歩きあり・・・で飽きない山だった。
    


    奥社入り口6:03  奥社6:35  百長屋7:23  八方睨8:26
    
    山頂9:07  一不動10:25  戸隠牧場11:40


    

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