2日前までの天気予報では樽前山のある苫 小牧は朝から雨だったが、昨日になって午前 中の後半までは曇りに変わり、夕方になって 確認したら午前中一杯は曇りになっていた。 前日は千歳に泊まっていたので、比較的早 くに宿を出発した。今日は3連休の最終日な ので、駐車場がいっぱいになることが予想さ れたためだ。 ついてみたら予想に反して数台が停まって いるだけで、整理をしてくれる人が一人いた。 トイレが新しくなっていた。支度をして歩 きだす。 |
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登山口 | ||
上空には青空が見える。駐車場までの道か ら樽前山が見えるところがあるが、山がくっ きり見えていた。 登山口から数分登ると視界が開けて支笏湖 が一望できる場所があり、ここにベンチがい くつか置かれている。そこで景色を見ながら 朝食を摂ることにした。 あーちゃんが、「これこれ、この景色。」 日蔭になっているベンチで朝食を摂り、歩 き出す。さっそくミヤマホツツジの咲き始め が見られた。 |
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支笏湖を望む | ||
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ここからしばらく樹林帯の道になるが、マ イヅルソウがたくさん見られる。もう花はす べて終わって実をつけていた。 マルバシモツケの残り花も見られた。 樽前山は活火山であり、花の種類は少ない が、数種類の花はそれこそたくさん見られる ものがある。マイヅルソウもそのうちの一つ。 樹林帯が一部切れたところで風不死岳と支 笏湖が見えた。あーちゃんが、「ここは紅葉 もきれいだけど緑もきれいだね。」 |
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ミヤマホツツジ | ||
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マイヅルソウ | マルバシモツケ | |
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ほどなく樹林帯が過ぎ、火山礫や火山灰の 積もった崩れやすい道を山肌に沿って登る。 左手に今日は太平洋も見えてきた。すぐに 樽前山の花、イワブクロが出てきた。この花 はこの山に多いことから別名タルマイソウと も言われているが、樽前山がタルマイサンと も呼ばれるからなのだろう。 ここからずっとこの花が続く。まだ咲き始 めでこの山全体に咲く花だ。 |
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風不死岳を望む | ||
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次いでシラタマノキの花。これもこの山全 体に見られ、秋になると花よりも大きな白い 丸い実をつけ、この実がサロメチールのにお いを放つ。 そしてモウセンゴケが見られた。 まだ蕾をつけているだけだったが、樽前山 を一周して戻る地点で一株だけ白い花をつけ ているのが見られた。 |
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イワブクロ | ||
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シラタマノキ | モウセンゴケ | |
モウセンゴケは通常湿地帯に生育する食虫植物である。これがなぜ火山の樽前山のしかも岩の 隙間にあるのか? 樽前山は非常に霧の多い山である。関東地方が梅雨明けするころ以降は特に、 この山のある苫小牧は毎日のように霧がかかり、視界が数十メートルという時もある。それが8 月中旬まで続く。そんな山なので霧を水分として十分に生育できるらしい。 登山口から朝食を含めて1時間ほどで、山頂近くに到達し、溶岩ドームと西山が目に入った。 |
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西山と溶岩ドーム | ||
樽前山は溶岩ドームを囲んだ溶岩丘になっ ていて、そこに道がついているが火口には降 りられない。写真にドームに向かって道らし きものがあるが、これは観測用で一般の人は 歩くことができない。 溶岩丘に沿って東側の山頂まで行き、そこ から時計回りに丘を4分の3周して、支笏湖 を見ながら下山するルートを歩く。 山頂標識から南に向かい、樽前神社の奥宮 を通って西、北と溶岩ドームの周りを歩く。 |
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山頂からの溶岩ドーム | ||
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西側から見た溶岩ドーム | 北側から見た溶岩ドーム | |
溶岩ドームを西から見るあたりから、太平 洋からの霧がかかってきた。 このあたりにもイワブクロが群生し、シラ タマノキやオンタデの群生の中にイワギキョ ウが見られるようになってくる。 |
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イワブクロ | ||
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北側からドームを見るころには霧はなくな ったが、青空も見えなくなってきた。 以前ここを歩いて必ず休憩した岩の横で今 回も休憩。あーちゃんが、「これ。これ。こ の景色よ。懐かしいなぁ。」 支笏湖が見えだして振り返ると、溶岩丘の 最高地点が見え、この位置が樽前山でもとて もきれいな景色だ。 |
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イワギキョウ | ||
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山頂部と溶岩丘 | ||
ゆるい下り道の樹林帯に入る少し手前で、 オニノヤガラが一株花をつけていた。 ラン科の腐生植物でわれわれも初めて目に した花だ。 駐車場に戻ると車はほぼ一杯だったが、路 肩に停める車はなく、予想外だった。いつも なら土日は大変混む山だが、この日は天気が 昼から崩れる予報が出ていたためかもしれな い。 予報よりもずっと早く、支笏湖温泉に向か う途中から激しい雷雨になった。あと20分 遅かったらずぶ濡れになっていたことだろう。 間一髪、雨に遭わず静かな樽前山に登れたこ とはラッキーだった。 |
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オニノヤガラ | ||
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久しぶりに樽前山に登り、久しぶりに周辺が見渡せる樽前登山となった。 イワブクロ(タルマイソウ)も咲き始めでたくさん見られた。登山口に下りる少し前に、これ から登る3人組と出会い、「雨に遭わないでよかったですね。」と声をかけたら、「ホントです ね。昨日まですごい雨でしたから。」と話していた若者はあの雨でどうしただろうと二人で心配 したほどの雨だった。 登山口 6:28 山頂 7:40 樽前神社奥宮 8:09 登山口 10:12 |
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