朝食を途中のコンビニで摂って駐車場に着 いた時には車が2台、バイクが1台停めてあ った。 駐車場まで行く途中で溶岩ドームは見えな いが、山頂部はガスがかかっていたので、車 を停めてしばらく様子を見ていた。 すると上空がやや明るくなったので、登っ てみることにした。この時気温は17℃だっ たが、上は風があるとみて、レインウェアの 上を着て出発した。 |
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樽前山登山口 | ||
樽前山は花の百名山にもなっている、日本 200名山のひとつである。 もうこの時期にはほとんど花は咲いてなく、 あったとしても残り花でしかない。花を求め てというより、久しぶりに樽前を歩いてみた いという思いが強い。 登山口からすぐにオヤマリンドウが残って いた。また、シラタマノキが白い実をたくさ んつけていた。これは山頂付近までたくさん あった。 |
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オヤマリンドウ | ||
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樽前は活火山なので、森林限界は低くそ れより上は、火山礫の堆積の中を歩く。 ここにはモウセンゴケがあり、もう花は つけていないが枯れた株が岩に張り付いて いた。 モウセンゴケは普通湿地帯にある植物で あるが、樽前は太平洋からわずかの距離に あり、太平洋には寒流が流れているためと ても霧が多い山だ。モウセンゴケはその霧 のおかげで(湿度が高く水滴が葉につくた め水分が摂れる湿地と同じ環境)ここに生 きていると考えられている。とても面白い 生育環境にある。 |
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シラタマノキ | ||
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イワブクロはほとんど枯れた状態だった が、2株だけまだ花をつけているのが見ら れた。 樽前山に多いので別名タルマイソウとも 呼ばれている花だ。 ほかにもイワギキョウがいくつか点在し ていた。 |
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モウセンゴケ | ||
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登ってくる途中で、支笏湖もうっすら見 えたが、だんだん下の方は霧が薄くなって きて、太平洋と苫小牧の街が見えるように なってきた。 外輪山の一画に着いた。樽前山ろくの森 ははっきり見えるが、晴れていれば見える 溶岩ドームは霧の中。やや風が強いがその 分霧の切れることもあると思い、しばらく 待っていた。 すると溶岩ドームが徐々に見え始め、ま た隠れるという繰り返しがあり、さらに待 っているとほんの少しの時間だがほぼ全体 が見えてきた。 |
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タルマイソウ | ||
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溶岩ドーム | ||
溶岩ドームは噴火でできた溶岩の大きな塊 だが、その表面から盛んにガスが出ている。 さらにドームの下部からも噴煙が勢いよく出 ていた。 われわれが樽前に良く登っていた06年ま では、これほどの活動は見られなかった。 御嶽山が噴火して以降、最近では箱根や口 之永良部島、浅間山、桜島など日本列島で火 山活動が活発になっているが、それらとの関 連性があるのだろうか? 西山や東山も見えてきた。 |
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西山 | ||
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西山が見えてきたので、そこを通って外輪 山を一周してみることにした。 少し行くと樽前神社の奥社がある。 ここまで約10分。もうこの辺りから山は すっかりガスに覆われてしまった。 |
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東山 | ||
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樽前山では今、高山植物で一つの問題が起 こっている。 もともとここには存在しないコマクサが、 20年前ころからだろうか、見られるように なったのだ。樽前周辺の山にコマクサはない ので、風で種が飛んできて着床したとは考え にくく、誰かが種をまいてそれが生育したと 考えられている。ここではいわゆる外来植物 だ。 コマクサは礫地に根を伸ばす植物なので、 環境には適合している。あってもいいじゃな いかという意見がある一方、環境庁は10年 前ころから駆除してきているが追いつかない。 |
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樽前神社奥社 | ||
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コマクサ | 西山の太陽電池 | |
西山に着くとその山頂付近に、以前までは なかった太陽電池の電源が2基設置されてい た。 火山の観測装置の電源だろう。 花は、ウラジロタデがまだ多くみられた。 本来なら背丈が大きくなる植物だが、地味が 良くないためか背丈は低いものが多い。 東山を回って、登山口に下りる途中で、支 笏湖と紋別岳が登りの時よりはっきり見えて いた。 |
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ウラジロタデ | ||
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支笏湖と紋別岳 | ||
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久しぶりに樽前山を歩いてみた。苫小牧在住当時は、たつさんとあーちゃんにとっては、 格好の散歩道であった。天気が良ければ羊蹄山なども見え、近くの風不死(フップシ)岳に 登れば眼下に支笏湖ブルーと呼ばれる支笏湖が見渡せる絶好のコースなのだ。 さらに周囲は広く、大きく森が広がっていて紅葉時は見事な色合いを見せてくれる山だ。 そんなことを思い出しながら、山頂部はガスに覆われ曇り空の樽前でひとときを過ごした。 登山口 7:24 山頂 7:55 西山 8:20 東山 8:50 登山口 9:20 |
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