谷川岳


                          2015年9月21日


   花の季節が終わり、紅葉にはまだ早いこの時期は眺望を楽しむ山に行きたいところであ
 るが、天気が良くない日が続いた。天気が回復したのがシルバーウィークに入ってからで
 やむなく連休の間に行くことにした。選んだのは谷川岳で、来月の紅葉登山のトレーニン
 グとしての日帰りにした。

  トレーニングとしては下山がきついほうが効果がある。谷川岳は6年ぶりであるが、その時は西黒尾根
 を下り、結構な下山だった。今回は厳剛新道を下る。ここもトレーニングとしては格好の下山道だ。

     高速が混むことが予想されたので、4時半
  過ぎに家を出た。

   ロープウェイで天神平へ。観光客も含めて
  もう何組かが下りのロープウェイで降りてき
  ている人もいる。かなりの人の数だ。

   ここから天神尾根へ歩きだす。

   ミヤマアキノキリンソウやオヤマリンドウ、
  トリカブト、ジョウシュウアザミはかろうじ
  て残っていたが、ヨツバヒヨドリなどは枯れ
  ていた。
    ミヤマアキノキリンソウ
     階段の木道が続く。

   右側が開けて、湯檜曽川を挟んで対岸の白
  毛門と笠ヶ岳と朝日岳か。きれいな姿を見せ
  ている。

   登ってみたくなる山容だ。

   ロープウェイからリフトを乗り継いできた
  人たちが歩く天神尾根と合流する。小さな子
  供連れが結構目立つ。
     対岸の笠ヶ岳、朝日岳
     熊穴避難小屋に着くと、その周りには休憩
  する人がたくさん。われわれは小屋に入って
  少し休憩。

   このあたりになると、ナナカマドの実が真
  っ赤になっているが、まだ葉は色づいてはい
  ない。

   ハウチワカエデはだいぶ色づき始めていた。
  ナナカマドの実
       ここから標高差約500mの尾根歩きだ。

     幸い風はそんなにないが、時々ガスがかか
    り始める。肩の小屋は見えないが、近くの分
    岐標識が見え、そこまで延々と人の長い列が
    見える。

     人気の山だし、天気もいいから人も繰り出
    している。

     このあたり、少しずつ色づいてきている。
  ハウチワカエデ
       この尾根筋には何か所か岩場の急な登りが
    あるが、そんなところが下山者もいて渋滞に
    なっている。

     特に小学生以下の子供たちが自分の力で一
    生懸命岩を登って、それを親が後押ししてい
    るので相当時間がかかるが、周りの人たちが
    ほほえましい情景と登り終わるのを見ている。

     将来の田中陽希になるか。
  色づき始めた尾根道  
     ここの途中に、まだきれいなツルリンドウ
  が咲いていた。

   たつさんは写真に撮る衝動に駆られたが、
  これだけの人が上り下りしている狭い道で、
  道脇とはいえ花を撮るのは迷惑と考えて断念
  した。

   それ以降、帰り道でもツルリンドウは見か
  けなかった。

   左手には万太郎山と仙ノ倉山の尾根が見え
  るが、ここも歩いてみたいところだ。
    万太郎山、仙ノ倉方面
     肩の小屋に着いてびっくり。たくさんの人、
  人、人。

   少し風が出てきて、ガスも濃くなっている
  が、小屋の周囲の石垣などに風をよけて大勢
  の人が休んでいる。

   さらに山頂の一つ、トマノ耳までの登山道
  に人がびっしり。ともかく山頂まで行こうと
  いうことになってトマノ耳に着いたら、山頂
  標識をバックに写真を撮る人の行列ができて
  いた。

   ここを通過してオキノ耳まで行くことにし
  た。

    トマノ耳と西黒尾根
     途中でトマノ耳を振り返ると狭い山頂に長
  い列がまだできているのがわかった。

   西黒尾根はまだ紅葉が始まっていない。

   トマノ耳からオキノ耳の道も狭いところが
  あるので行きかうのに時間がかかる。

   ただこの西側はかなり紅葉が進んでいた。

   赤はドウダンツツジのような感じで、この
  紅葉は予想もしていなかった。
    紅葉し始めた尾根筋 
 
  オキノ耳近くの紅葉
     オキノ耳もトマノ耳ほどではなかったが、
  山頂が狭いので山頂標識をバックにして写真
  を撮る人が列を作っていた。

   われわれも並んで順番に撮ってもらった。

   山頂の風がよけられる岩場でお湯を沸かし
  て紅茶を飲み、昼を食べた。

   オキノ耳へ引きかえすと、来た時以上の長
  い列となっていた。

   そこから少し下に、タテヤマウツボグサの
  残り花があった。
    タテヤマウツボグサ
     肩の小屋は来た時以上の人。

   トイレに入るのに20分もかかる。あーち
  ゃんが、待っている間の話として、肩の小屋
  は今日は満員で泊まれないと近くの人が話し
  をしていて、その人たちは仕方なく山を降り
  るとのことだった。

   西黒尾根に向かうと人が極端に少なくなっ
  た。

   急な岩場を何度か下った草地にまだきれい
  なウメバチソウとイワショウブやハクサンフ
  ウロの残り花が見られた。
  ウメバチソウ
       実はさきほどのタテヤマウツボグサもイワ
    ショウブもたつさんは初めて見る花で名前が
    わからなかった。

     帰宅後、調べて分かったものである。

     イワインチンが咲いていた。これは秋の花
    なので今頃が旬だ。

     さすがに西黒尾根は人が少ない。登ってく
    る人は数組であり、降りる人も10数人に出
    合っただけだった。

     ほとんどの人が天神尾根の往復なのだろう。
  イワショウブ
       標高1500m付近で厳剛新道をとる。

     この道に入ってすぐに、ダイモンジソウの
    大群落に出合った。一か所だけでなく、数か
    所で見られたがこれほど大量のダイモンジソ
    ウを見たのは初めてだった。

     厳剛新道も鎖場があり梯子がありで、マチ
    ガ沢に下りるまでは西黒尾根同様の急な道だ。
    あーちゃんも、「これは結構なトレーニング
    だわ。」と言う。

     トリカブトも少し残っていた。
  イワインチン
 
   ダイモンジソウ トリカブト
     傾斜がやや緩くなったところでもう終わり
  であったが、オニシオガマが見られた。この
  花も初めて見たため、シオガマらしいことは
  わかったが、帰ってから調べて分かった花だ。

   厳剛新道は樹林帯ではあるが、マチガ沢側
  が開けているので、林の中を歩く西黒尾根よ
  りは気分が良い。コウシンヤマハッカやサラ
  シナショウマもまだ咲いていた。

   マチガ沢にはまだ雪が残っていた。

   舗装道路に出る手前でマユミの実がなって
  いた。
    オニシオガマ
 
  マチガ沢の岩壁 マユミの実
 

 


    日帰りで谷川岳に行ってきた。

    予期しなかったが、山頂付近はきれいな紅葉だったし、タテヤマウツボグサなど今まで見た
   ことのない花が3つ見られた。

    ただ、帰りは高速の大渋滞に巻き込まれてしまった。


   ロープウェイ終点 8:55  熊穴避難小屋 9:35  天狗のたまり場 10:18

   オキノ耳 11:28  肩ノ小屋 12:16  厳剛新道 13:55  駐車場 16:05


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