滝子山


                         2011年6月4日


 滝子山の南稜にはイワカガミとイワウチワがたくさん咲くという。またこの山は花の山でもある
らしい。
 イワウチワは花期はもう過ぎているので、イワカガミがどのくらい咲いているのか見に行くこと
にした。

  予定では車を大月の駅周辺の駐車場において、電車で笹子に行き、初狩に下ってくるつもりで
 家を出たが、高速が渋滞して時間がかかったため桜公園を探し、そこに駐車して登ることに変更
 した。
  桜公園はすぐに見つかった。車は一台停まっているだけ。もしかしたら停められないかと思っ
 ていたのでほっとする。

     笹子駅からの登山者が数組歩いてくる。
  
   準備をして出発。さて今日はどんな花に
  お目にかかれるのだろうか?と期待しなが
  ら林道を歩く。

   すぐに寂しょう苑の立て札が見え、そち
  らに向かう。

   大きな株のフタリシズカが咲いていた。
  あーちゃん曰く「フタリシズカなんかじゃ
  なくヨニンシズカだね。」

   まさに普通は花柄が2本だが4本るのも
  あった。
    フタリシズカ
      滝子山と書いてある案内板を見て山道に
   入る。

    スギの林の道は、落ち葉が一杯積もって
   いるためか柔らかくて歩きやすい。そのう
   ち急なのぼりとなり林道に出る。

    林道を数歩右に行き石垣の端に再び案内
   の矢印に従って南稜の尾根への道に入る。

    ここまでにはウツギなどが咲いていたが、
   ここに入って低木の白い花が咲いていた。

    帰って調べたらサワフタギのようだ。こ
   の先、尾根上でもいくつか見られた。
  サワフタギ  
 
    駐車場所から歩き始めて40分くらい
   で尾根に乗った。

    このあたりブナの木が新緑となってと
   てもきれいだ。大木といえるものはあま
   りない。

    もっともこの尾根自体がヤセ尾根であ
   るので大きな木は育たないのかもしれな
   い。

    あたりはずっとハルゼミが鳴いていて、
   初夏を実感させる。

    950m付近からヤマツツジが現れだ
   した。このあと1500mくらいまで、
   尾根の両側にオレンジの花が見られた。
  ヤマツツジ
 
    ウツギなど木の花はときどき顔を出す
   が、残念ながら足元には花が全く見られ
   ない。

    尾根上に大きなブナの木が現れた。そ
   れまで見ていた木々の4倍はありそうな
   大木だ。
    
    こんな尾根にこれだけの木が生きてい
   ることに感動する。

    道はペンキで矢印や○印があり、とこ
   ろどころ岩をよじ登る急登はあるものの
   迷うことはない。ただ、地面がヤセ尾根
   で硬くなっているためかトレースが不明
   瞭な箇所がある。

    木漏れ日が気持ちよい。幸いずっと樹
   林帯なのでさほど日に焼けることがない
   ようだ。しかし気温は高いので汗は出る。
  ブナの大木
 
    1400mを過ぎて一瞬南面が開けると
   ころがあり、富士山と南アルプスの山々、
   眼下に笹子の町並みが見えた。

    ここを過ぎたところの岩場にイワカガミ
   が咲いていた。もう花を落とした株のほう
   が多いが、これから咲く株もあった。
   
    さらに進むと両側に相当な数。特に西側
   にはイワカガミの大群落があり、まだかな
   り咲いているのが見られた。これほどの量
   のイワカガミは初めてみる。

    マイヅルソウもようやく花を咲かせ始め
   ていた。
  イワカガミ 
 
  イワカガミの群落 マイヅルソウ
 
    このあたりからはトウゴクミツバツツジ
   が花をつけるようになる。

    これより下ではもう花は散っていたが、
   ここから山頂までは今が見頃だ。

    トウゴクミツバツツジ 
 
    南稜のヤセ尾根が終わり、浜立山との分岐に出る。
    ここから小さなピークを二つ越して滝子山山頂に着いた。

    その途中にミツバツチグリの黄色がところどころに、また春の名残のスミレもほんのわずかあった。
    そしてチゴユリが一つ。マイヅルソウの咲きはじめがいくつか。他には花はなかった。

    山頂には20人くらいの登山者が休んでいた。

    満開のトウゴクミツバツツジがあり、その向こうに富士山がややかすんで見えた。

 
  チゴユリ
 

 


    帰りは曲沢峠分岐方面に下る道をとったが、手前の支尾根に入り込んでしまった。
    原因は昼食後の出発前に、
    @ ガイドブックのコピーでルートを確認しなかったこと
    A 2万5千分の一の地図で分岐などからの距離を確認しなかったこと
   だ。

    遠因として上りの尾根上で、トレースの不明瞭な箇所を歩いたことにより、その程度の道だと
   錯覚したことが考えられる。
  
    標高差200mくらい下って2万5千分の一の地図で誤りに気づいたが、小さなケルンも2箇
   所で見たし、木々にテープもついていたのでそのまま降り、正規の登山道を合流した。



    思わぬ失敗をしてしまった下山路だった。
    イワカガミは見事だったが、他にも花を期待していったのに反して少なかった。まだ時期が早
   かったためだろう。



    桜公園(8:40)〜 尾根上(9:20)〜 浜立山との分岐(11:28)〜 山頂(11:56)

    発(12:26)〜 おそ沢出合(14:12)〜 桜公園(14:45)


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