高尾山〜景信山


                         2011年4月13日


 今年始めの花を見る山は高尾山、小仏峠、景信山を経て小下沢へ下るルートを選んだ。2年前の
3月の中旬に高尾山に行ったがスミレ類とネコノメソウ類、コミヤマカタバミが見た花のほとんど
だったので、もう少し多くの花をと期待して4月中旬にしてみた。ルートもその時とは違うが時期
が暖かくなったことにより多少花の数は多く見られた。


  電車で高尾山口まで行き、今回はケーブルカーを使いそこから歩いた。小仏城山以降のいわゆる
 奥高尾は初めて歩く。景信山までの花と、小下沢沿いの花とで見られる花が違うだろうとの予想で
 歩きはじめた。

      ケーブルカーには初めて乗った。相当
  な勾配ののぼりで、31度だそう。わず
  か5分で終点。

   すぐそばに八王子から新宿方面が見渡
  せる開けたところがあり、今日は天気も
  よくおまけに昨日の強風のおかげで高層
  ビル群が良く見えた。

   そこから山頂までは35分程度だった
  が、途中にはスミレのほかに、ジュウニ
  ヒトエの咲きはじめとシュンランがそれ
  ぞれ一株あった。
    ジュウニヒトエ
 
    平日にもかかわらず、人が多い。丹沢の
   山々と富士山がはっきり見えていた。

    ここから小仏城山に向かう。少し下った
   ところで花を見つけた。何の花だろうと見
   ていると女性がやってきて携帯カメラで写
   し始めた。
    あーちゃんが「何の花ですか?」とこの
   女性に尋ねたら、「モミジカズラです。先
   週も来て定点観察してるんです。真ん中が
   黄色くなっていてきれいですよね。」と答
   えてくれた。モミジカズラなんて初めて聞
   く名前だったが、かわいい花なので撮って
   みた。
   
      家に帰ってから調べてみたが、モミジカ
   ズラという植物には該当しない。そこで、
   いつもの図書館通い。平凡社の野生植物の
   図鑑で調べたら、ウグイスカグラのようだ。

    ヤマウグイスカグラ、ミヤマウグイスカ
   グラとウグイスカグラがあって、それぞれ
   の違いがあったが、花には毛がなく、葉に
   もないことからウグイスカグラだと思う。

    このほかにも、クロモジやアセビが咲い
   ていた。
   ウグイスカグラ  
 
  クロモジ  アセビ
     比較的風は爽やかだが、それでも気温
  が上がってきて汗をかく。

   そのうち、「これより奥高尾」の標識。
   ここからもまだ丸太で作られた階段の
  道が続く。

   ミツバツツジのようやく開いた木があっ
  た。ケーブルカーの途中にはすでに満開
  のミツバツツジが何本かあったが、標高
  が少し高くなるとまだ満開とはなってい
  ない。

   そのほかにはスミレがチラホラ咲いて
  いる。スミレはエイザンスミレだけはす
  ぐ分かるが、そのほかの白や薄いムラサ
  キのスミレはその名前が分からない。図
  鑑でも持ってくれば分かるかもしれない
  けど、そういうスミレの名前を覚えよう
  という気がまずない。高山に咲くスミレ
  はちゃんと覚えるのだけど、低地のスミ
  レは見分け方も難しく、同じようなのが
  たくさんありすぎる。スミレには悪いん
  だけど・・・。
 
 
  ミツバツツジ エイザンスミレ 
     エイザンスミレはところどころあった。
   小下沢沿いにもたくさん見られた。しか
  し、どれも一株かせいぜい二株が多かった。
   このルートで見つけたかなり大きな株が
  上の写真。

   他には、ミツバツチグリが黄色い花を咲
  かせていたが、まだ数は少なかった。

   マムシグサはいたるところに生えている。
   逆光気味に位置する株を探して撮ってみ
  たが、茶色の中に黄色い線が映えて、とて
  も面白く撮れた。

   一丁平でタムシバが咲いていた。この前
  後では見ていないが自然のものかどうか?

   小仏城山まででは、コミヤマカタバミも
  たくさん見られた。結構大きな株があった
  が樹林帯で日の照り方が弱いのか、十分開
  花していないものが多かった。
    
    マムシグサ
      小仏峠へはずっと下り。峠からは再び登
   りが景信山まで続く。

    景信山山頂付近では杉の伐採が行われて
   いて、随分山頂部が明るくなっている。

    景信までの道には杉林沿いということも
   あって、花はほとんどない。

    景信山頂の休憩所からの景色は、今まで
   通ってきた尾根筋がすべて見え、また東京
   のビル街も遠望でき、休憩するにはうって
   つけだ。

    ここでコーヒーを沸かししばし休憩。
  コミヤマカタバミ 
 
   ここからは比較的急なくだりとなる。
  高尾山周辺にあった階段状の道ではない
  ので、われわれにとっては歩きやすい。

   山すそに沿ってつけられた道を下ると
  小下沢の支流の流れ始めが現れる。この
  あたりから今までとは違った花が現れる。

   黄色いミヤマキケマン、ヨゴレネコノ
  メソウ、ハナネコノメソウ、ニリンソウ
  が出てくる。

  ヨゴレネコノメ
      花の名前というのは、例えばサギソウ
   などまさにその通りという感じがするが、
   どうしてこんな名前になったのかと思う
   ものも随分ある。

    ヨゴレネコノメもそのひとつだと思う。
   葉の形といい、葉と顎の色の取り合わせ
   といい、きれいな植物だと思う。確かに
   花そのものはきれいといい難いが、もう
   少しいい名前をつければよかったのに。

    ハナネコノメは雄しべが赤いものが多
   いが、ここのは少し鮮やかさが足りない
   ようだった。

    ネコノメソウもあり、さらにヤマエン
   ゴサクの咲き始めがあった。
  ハナネコノメ   
 
              ヤマエンゴサク

   ユリワサビが小さな花を咲かせていた。
   名前を思い出せなかったが、そのうち
  花の傍に手書きの小さな立て札があり、
  ユリワサビと書いてあった。このあとニ
  リンソウとアブラチャンの名札もあった。
 
 
  ユリワサビ 
     小下沢と合流してからは林道歩き。こ
  の林道の左側には、ニリンソウやワスレ
  ナグサ、ヒトリシズカ、何種類かのスミ
  レなどがかなりたくさん見られた。

   スミレもいくつか撮ってきて名前を調
  べてみたが、あれとも言えるしこれとも
  言えるし、といった感じで同定はあきら
  めた。
    アブラチャン 
 
  ワスレナグサ  ケマルバスミレ 
 

 


    小下沢沿いの道は、結構花が見られて面白かった。景信から下ってきた人はいなかったが、
   沢の合流地点からは随分人が追い越していった。

    合流地点で景信方面へ登ってくる女性二人連れがいた。時間は3時ちょっと前。過ぎ去って
   からあーちゃんが、「今からどこまで行くんだろう?」「ああいう人たちの行動はどうも良く
   分からないね。」このあたりの山で宿泊でもないだろうし、景信あたりで引き返してくるのだ
   ろうか?いろいろ事情はあるのだろうが、やはり山は早立ちが基本と確信している。

    中央高速の下を通って大下のバス停まで、景信から約2時間だった。バスはまもなく来た。
   高尾駅まで途中からも乗客があり、平日にも結構人が多いと思った。



    高尾山頂(10:50) 一丁平(12:05) 小仏城山(12:30) 小仏峠(13:10)

    景信山(13:35) 大下バス停(15:30)


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