駐車場に着いた時には雨は全く降っていな いが、あたりは霧がかかっている。気温も結 構涼しく、18℃だ。風はない。 二居川を渡って少し左に行くと登山口が見 えた。すぐに結構急な登りが続く。階段が多 い深い森の道だ。木々が高く密生しているた め、陽が差さないせいか花はない。 少し歩いてヤマツツジの残り花が見えた。 このあと、ヤマツツジは松手山あたりまで 続いていたが、ほぼ終わりの状態だった。 |
![]() |
|
ヤマツツジ | ||
ようやく咲き始めのカラマツソウが出てき たが、送電線の鉄塔まではヤマツツジとこの 花だけだった。 ガスの中から鉄塔が見えてきた。想像して いたよりずっと大きな鉄塔だった。先端部分 は霧に隠れて見えない。ここまでおよそ1時 間10分。 ここで少し休憩。湿度は高いが気温があま り高くないので、思ったほど汗はかいていな い。 再び樹林帯に入ると、タニギキョウの小さ な花がところどころで見えていた。周囲が開 けてくるとともに、ウラジロヨウラクがたく さん出てきた。ここから先にもたくさん咲い ていた。 |
![]() |
|
カラマツソウ | ||
![]() |
さらにベニバナドウダンツツジも現れ、一 つの木に多くの花を咲かせた姿は圧巻でもあ る。 また足元にはアカモノが咲き始めており、 これは道の両側にたくさん咲いていた。これ だけのアカモノを見たのは初めてだ。 また、咲き始めたばかりのハクサンシャク ナゲも顔を出してくれた。咲き始めの花はど れもきれいだ。 |
|
ウラジロヨウラク | ||
![]() |
![]() |
|
ベニバナドウダンツツジ | アカモノ | |
![]() |
尾根のなだらかなところでは特にウラジロ ヨウラクやベニバナドウダンツツジがたくさ んあって素晴らしい。 やや急な登りの後、松手山に着いた。 おそらくここからも眺望がいいのだろうが、 あいにくあたり一帯は霧がかかってなにも見 えない。 ここからササの尾根道となり、ニガイチゴ やツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、イワカガ ミなどがアカモノに交じって見られるように なった。 |
|
ハクサンシャクナゲ | ||
![]() |
![]() |
|
ニガイチゴ | ツマトリソウ | |
緩やかな登りとところどころ階段があって 急な登りが少しの間続く。 ハクサンチドリが群生している場所があっ た。ハクサンチドリはこれ以降もところどこ ろで見られた。 さらにヨツバシオガマが出てきた。これも この先かなり見られるが、咲き始めて間もな くの株が多く、色がとても鮮やかだった。 |
![]() |
|
ハクサンチドリ | ||
![]() |
このころ、雨が落ちてきた。大した雨では ないが、気温も低いのでレインウエアの上だ けを着ることにした。幸い雨は10分くらい でやんでくれた。 ハクサンイチゲが少し群生している。雨に 打たれたため、白い花の部分が一部透明にな ってこれもなかなか面白い。 ただ、ササの中の群落なので、今後ササに 浸食されて個体が減るような気がしてならな い。 そのうち、白いハクサンチドリの小型のよ うな花が出てきた。結構数多く咲いている。 たつさんは初めて目にする花だ。 あーちゃんが、「ギンランじゃあないかな ?」 「そうかギンランかなぁ。」などと話 していて、そのうち「もしかしてオノエラン かもしれないよ。」とたつさんが言う。 |
|
ヨツバシオガマ | ||
![]() |
![]() |
|
ハクサンイチゲ | オノエラン | |
これも車に戻ってからスマホで確認したら、 オノエランだった。しかし我々の経験上、ラ ン科の植物の多くはひっそりと咲くことが多 いように思い、これだけ多く咲くのを見たこ とがないので、オノエランとはすぐには思い 出せなかった。 広いササ原の緩やかな道を登る。コケモモ も少し咲いており、普通は樹林帯に多いマイ ヅルソウも見られる。 あーちゃんが、「大雪の山の様子に感じが 似ているわ。」と言っていたが、たつさんに は幌尻岳方面から登る戸蔦別岳の山頂部に似 ているような気がした。 |
![]() |
|
マイヅルソウ | ||
いくつかピークらしきものがあって、そこ が山頂かと思うとその先にまだ道が続く。ぬ かるみ道を越して山頂に出た。 晴れていれば眺望はいいはずだが、ここも 全面霧。一組の夫婦が先着しており、その後 一組が登ってきたにすぎなかった。 ここまで、初めて登った平標に高山植物が 多くあることを知った。山頂から仙ノ倉まで 行って、途中にお花畑があるそうなので見て こようかと思ったが、次回の楽しみにとって おくことにし、山之家への下山を始め、少し したら階段の向こうに視界が開けてきた。 |
![]() |
|
霧が晴れて見えた平標山之家 | ||
山頂から山之家までは階段の木道を下る。 ハクサンコザクラが2株ほど見られたが、 遠くの雪解け後にはちょっとした群落もあっ た。まだ多く咲くには時期が早いのかもしれ ない。 また、イワカガミやツマトリソウも咲いて いた。 |
![]() |
|
ハクサンコザクラ | ||
![]() |
ワタスゲもたくさん見られた。ただ、今ま での雨に打たれたためか、綿毛は濡れそぼっ ているままだった。 イワイチョウもいくつか見られ、タテヤマ リンドウもたくさんあった。タテヤマリンド ウは個体の大きさがかなり小さい。それでも 薄いブルーの花がきれいだ。 |
|
イワカガミ | コバイケイソウ | |
![]() |
![]() |
|
ワタスゲ | イワイチョウ | |
![]() |
山之家のベンチには平元新道から登ってき た人たちが休憩していた。なんでも4時ころ に駐車場に着いた時はかなりの雨だったらし い。 そうこうしているうちに、平標山の方角に 青空が見え、霧が晴れてきた。 |
|
タテヤマリンドウ | ||
![]() |
少し休んで平元新道を下る。 すぐにオオナルコユリがあり、「絶対に採 らないでください」の標識があった。 |
|
平標山頂部 | ||
![]() |
きれいに咲いていたタニウツギが見られた。 松手山周辺でも見られたが、そちらの方は もう終わりの状態だった。 この道も階段が多いが、その階段はきれい に整備されている。何といっても歩幅がとて も下りやすく(登りやすく)設置されている。 この登山道を整備してくれた人たちのこまや かな心遣いを感じる。 大きなブナの木もある。ここの樹林帯は松 手山へ登った時の樹林帯と違って、疎になっ ていて光がたくさん入るようになっているの で、もう種をつけてはいたがエンレイソウや クルマバソウがたくさんあった。 登山口に着き、見ると可愛いお地蔵さん がレリーフに刻まれていた。 |
|
オオナルコユリ | ||
![]() |
![]() |
|
タニウツギ | ||
|
高山植物が見られる山だと知っていたが想像していた以上に多く、視界は効かなかったがかなり 楽しい山行になった。 特に初めて見たオノエランが、これだけ群生しているとは初めての経験だった。 平元新道からの林道で再び10分程度の雨にあったが、天気予報がこの山に関しては外れてくれ たのはラッキーだった。 駐車場 6:22 鉄塔 7:34 松手山 8:23 平標山 10:06 平標山之家 11:06 平元新道登山口 12:04 駐車場 12:54 |
トップに戻る | 山の花の道に戻る |
---|