守門岳


                          2014年6月28日


   ヒメサユリを実際に見てみたくて守門岳に行くことにした。この花はここや浅草岳、東北の
 飯豊山や朝日岳などにあるようだが、ホンモノはまだ見たことがない。梅雨の時期でもあるの
 で、天気と花の状態とこちらの都合といろいろ考慮して27日の午後に家を出た。


  守門岳は袴岳、青雲岳、大岳の3つのピークを総称するらしいが、袴岳を守門岳ともしているようだ。守門
 岳には数か所の登山ルートがある。車で行くので駐車場に降りてくるルートでしかもこの3つを歩いてくるに
 は保久礼ルートがよさそうで、そこから往復することにした。

     須原から近道で保久礼まで行く道路が通行
  できないので、かなり北へ向かってから東に
  向きを変え道院を通って、狭い林道を走って
  いく。ただ林道は舗装されているのでありが
  たい。

   駐車場スペースは広く、そこから一旦下る
  と保久礼小屋に着き、ここから階段の登山道
  を登る。

   小屋を覗いてはみなかったが、かなり年代
  物のようだ。そばに水がちょろちょろ流れて
  いた。
    保久礼小屋
     すぐにブナの林の中を階段の道がついてい
  る。ブナの森は標高1000mくらいまで続
  いていた。

   昨日からの天気は今日も続いており、青空
  が広がっている。

   ギンリョウソウがたくさんでている。これ
  だけのギンリョウソウを見たのは初めてだ。

   ほかに花は見当たらず、キビタキ小屋に着
  いた。ここも無人の避難小屋らしい。
   ギンリョウソウ
     小屋前で軽食を摂ってまた登りはじめる。

   ハルゼミの声があちこちから聞こえてくる。

   チゴユリが現れ始めた。これもこの先の大
  岳近くまで道沿いでかなり見られた。もう咲
  き終わったものからようやく咲き始めたもの
  までさまざまだった。

   ユキザサも少し見られた。
  チゴユリ
       地面を這っている枝に赤い実がついてるの
    が目に着く。あーちゃんが「これなんだろう
    ね。ツルリンドウにしてはちょっと違うよう
    だし…。」

     しばらくしてたつさんが思い出す。「ツル
    アリドオシの実じゃないかなぁ。」あとで車
    に戻ってからスマホで調べてみたら、ツルア
    リドオシだった。

     イワカガミも見えだした。これも袴岳まで
    ところどころで咲いている。あとであーちゃ
    んが、「この山はヒメサユリの山と言うより
    イワカガミの山だね。」というほど多い。
   ユキザサ
       この道は尾根上の道だが、結構な急登が続
    く。途中2,3か所北側の視界が開け、栃尾
    の街並みだろうか、見え、遠くに日本海もう
    っすらと見えた。

     この時期にこれほどの天気は期待していな
    かったので素直にうれしい。

     ウラジロヨウラクが見えだす。この花も袴
    岳までにところどころで咲いていた。
  イワカガミ
 
  栃尾の街並み  ウラジロヨウラク
     アカモノがいくつか見られ、マイヅルソウ
  も足元にたくさん見られた。

   ササと灌木の道になってきて、ウラジロナ
  ナカマドやミネカエデの終わりかけの花も見
  られた。
  アカモノ
       8枚の葉がロゼット状になっていて、その
    根元から一本茎が出て蕾をつけている植物が
    結構目に着いた。
     
     たつさんも今まで見たこともなく、また花
    もついていないので余計に何だかわからなか
    った。帰ってから調べたら、ノギランだった。

     ミツバオウレンもところどころで顔を出し
    た。タカネニガナの黄色も彩りを添えてくれ
    ている。
  マイヅルソウ  
 
  ノギラン ミツバオウレン
     大岳に到着。ここで初めてヒメサユリが咲
  いていた。ここから青雲岳あたりまでの斜面
  にところどころで見られた。ピンク色の可憐
  なユリだ。色の濃いものから薄いものまで個
  体によって少しずつ感じが違うようだ。

   ここで視界が開け、目指す袴岳(守門岳)
  が全貌を現した。東南の方向には雪をまだ残
  した越後駒ヶ岳などが眺められた。

   結構風があって気温は割合低い。山頂付近
  には数人いたが半そで姿はたつさん以外誰も
  いなかった。

  ヒメサユリ
 
  ヒメサユリ   振り返ってみた大岳
 
  守門岳(中央) 
       ここから一旦200mくらい下って、青雲
    岳への尾根道を登る。

     下る途中にオオバキスミレと思われる花が
    少し咲いていた。

     ニッコウキスゲも咲き始めていた。

     また、もう終わりに近かったが、タニウツ
    ギも見られた。
  越後駒ヶ岳   
 
  オオバキスミレ ニッコウキスゲ
     北側の斜面にはまだ多くの雪が残っており、
  コバイケイソウらしき蕾がたくさん見られた
  し、まだ芽を出したばかりのニッコウキスゲ
  がたくさんあった。

   もう少し後になったら、さぞきれいなお花
  畑になるだろうと思う。一方で、チングルマ
  とかハクサンコザクラのような雪田性の植物
  を一つも目にしていない。これらがありそう
  な環境のようだが・・・。
    コバイケイソウ
     青雲岳には池塘があり、水辺にイワイチョ
  ウがほんの少し咲いていた。

   ここから木道となり、15分ほどで袴岳に
  着いた。標識には「守門岳山頂」と書いてあ
  った。

   上空は晴れているが、南の方角は曇り空で、
  それでも越後駒ヶ岳などは見渡せた。東の方
  角はガスがかかっていた。
 
    イワイチョウ
     山頂は13、4人がいて思い思いに休憩を
  とっていた。また青雲岳にもベンチがあって
  そこでも数人が休んでいた。

   帰りはもと来た道を戻る。大岳周辺では団
  体客も登ってきていた。

   この往復で見た花は、ほかにアザミ、クル
  マバソウ、ゴゼンタチバナであった。

    ゴゼンタチバナ
 

 


    初めて見たヒメサユリはピンク色も素晴らしく、清楚な花だった。もう少し多く咲いている
   のを期待していたが、まだ少し時期が早いせいか少ない気がした。

    大岳手前から袴岳までは、これから夏にかけて、大きなお花畑が見られるのだろうと思う。

    天気予報では午後は雨となっていたが、下山まで天気が良く、ラッキーな一日だった。



   駐車場 6:10  キビタキ小屋 6:50  大岳 8:18  二口分岐 9:15

   青雲岳 9:35  守門岳 9:51  大岳 11:25  駐車場 13:25



トップに戻る  山の花の道に戻る