新大日岳


                           2016年5月18日


   学生時代の友人ご夫妻から丹沢に行きたいとの声がかかり、表尾根を新大日まで行ってき
 た。ふた月以上前に5月17日か18日と日程が決まっていたので、どちらか天気のいい日
 に行くことにしていた。17日は終日雨の予報だったので18日に行くことにした。

  表尾根の沢筋にはコイワザクラがあリ、数年前には5月中旬でも見られたので期待をしていた。情報による
 と今年はもうシロヤシオなどのツツジが咲いているというので、コイワザクラはもう終わっているかもしれな
 い。
  ただ日陰にあるので残っていることを期待しながら歩きだした。

     東名の海老名SAでSさん夫妻と待ち合わ
  せ。

   昨日の雨で空気中のちりがすっかり落とさ
  れ、おまけに朝からこの上ない快晴。

   菩提峠の駐車場は結構車が停まっているが、
  森林伐採の作業をする人たちの車だった。

   準備をして歩き出す。

   林道沿いにはフタリシズカやもう終わりに
  近いトウダイグサが咲いていたが、キケマン
  やムラサキケマンはほぼ咲き終わっていた。
  フタリシズカ
        昨日はかなりの雨量だったはずだが、林
     道にはところどころ水たまりがあるだけ。
     Sさんも「沢にも全く水が流れてないんだ
     ね。」と少し意外な様子で言っていた。

      気温は16℃くらいだが、風が爽やかで
     少し寒いくらい。

      終わりかけのカキドオシやジシバリが見
     られたが、もうスミレは残っていなかった。

      あーちゃんとSさんの奥さんとはもう数
     十年の知り合いであり、数年前までは近所
     に住んでいたので久しぶりに話がはずんで
     いる。
   トウダイグサ
 
  カキドオシ ジシバリ
     登山道に入り、杉並木の道をゆっくり登る。
   林が切れ、視界が開けてきて後方に大山が
  見えだし、秦野の市街が見える。

   道端にはトウゴクミツバツツジの花が散り
  落ちている。情報で今年の丹沢はツツジ当た
  り年らしいが、もう散り始めているとは意外
  だった。

   新緑がきれいだ。去年は4月末にここを歩
  いたが、まだ春紅葉の様相で、一部の木に新
  芽が出ていただけだ。

   このあたりが南限のブナもすっかり葉をそ
  ろえていた。

  二の塔手前の春紅葉
     今日は塔ノ岳を目指し、状況で途中で引き
  返すことにしている。

   二の塔手前ではジシバリやミツバツチグリ
  の黄色に交じって、ハルリンドウがたくさん
  咲いている。直径で1センチにも満たない花
  だが、白のハルリンドウも見られた。

   二の塔できれいな富士山が見えた。ここに
  はアセビがたくさんあるがすでに花はつけて
  いなかった。

   三の塔手前でミヤマキンポウゲが見られた
  が、行き帰りの中でこれが見られた唯一の株
  だった
 
    ハルリンドウ
     二の塔までやこの先烏尾山荘までの登山道
  は去年よりずっと整備がされている。

   新しく階段がつけられ、歩きやすくなって
  いる。新しい整備状況を見て、「ありがたい
  ね。」と話していた。

   三の塔手前あたりで、登山道のすぐそばで
  トウゴクミツバツツジが見られた。それまで
  も山の両側の林の中で見られていたが、写真
  が撮れる範囲にはなかった。

   三の塔から一旦下って、コルを木道で渡る。

   Sさんが、「なるほど両側は沢になってい
  るんだ!。」

   登り返して烏尾山荘について小休止。ここ
  までまだ登山者には遭わず、とても静かな山
  歩きになっている。
 
    トウゴクミツバツツジ
 
  烏尾からの富士 
     快晴の中にきれいな富士山と南アルプスの
  山が見える。赤石岳や悪沢岳の南アルプス南
  部の山だ。山頂付近に雪は残っているが、も
  う少しで溶けて消えそうだ。

   シロヤシオが登山道のそばで見られるよう
  になった。Sさんの奥さんが、「葉っぱの縁
  が赤くてきれいね。」とゴヨウツツジともよ
  ばれる葉の特徴を言い当てた。

   小さいながらもバイカウツギの咲き始めの
  花も見られた。
     シロヤシオ
        途中一か所だけ道の両側にトウゴクミツ
     バツツジとシロヤシオが咲いているところ
     があった。
   バイカウツギ  
 
  シロヤシオとトウゴクミツバツツジの競演 トウゴクミツバツツジ
        烏尾や三の塔を振り返ってSさんが「山
     肌のあちこちで崩れているところがあるん
     だね。」と言っていたが、こういうところ
     に気づいて地形的に山を見てその成り立ち
     に関心を持つのは山歩きを一層楽しくする
     ことにもつながる。

      丹沢山地は数百万年前に太平洋から日本
     列島に付加したもので、地質は崩れやすい
     岩石からできている。
  シロヤシオ
      烏尾から行者ヶ岳へも小さなアップダウ
   ンが続く。鎖場が2か所あり、この周辺に
   はアカバナヒメイワカガミがあるが、もう
   花は終わっていた。

    このあたりの道にも、ハルリンドウやミ
   ツバツチグリなどが咲いており、ニガイチ
   ゴの小木もあった。

  ニガイチゴ
        標高1340mの新大日に到着。

      まずはお昼にして、その間塔ノ岳まで行
     くかどうか決めることにする。

      ところが話に花が咲いてしまい、今日は
     ここから引きかえすことになった。

      行者ヶ岳あたりからはかなり人が増え、
     新大日で休んでいた時も塔ノ岳を目指す人
     や戻ってくる人が増えてきた。
  新大日の標識
      帰りも当然のことながらアップダウン
   が続く。

    行者ヶ岳付近で、咲き始めのサラサド
   ウダンが見られた。今年は例年よりずっ
   と花の開花が早い。

    行きは歩く方の後ろ側になってしまう
   ため見られなかったが、帰りは見られる
   だろうと探したコイワザクラはもうすっ
   かり終わっており、花がら一枚も見られ
   なかった。
  丹沢表尾根 
        烏尾山荘に着いて小休止。

      今日は一日中快晴で、午後でも富士山は
     はっきり見える。「なんか、富士山の雪が
     少し減ったみたいだね。」との声がして、
     午前中と見比べるため一枚撮ってみた。

      なんとなくそんな気がした。

      二の塔のちょっとした登りに、「まだ登
     るんだ!」とSさん。「これで最後だよ。」
  サラサドウダン
 
  烏尾からの午後の富士
 

 


    好天に恵まれた一日だった。

    見たかった花は終わっていたが、代わりにツツジ類が見られ、しかも新緑が目に染みる表尾根
   だった。

    お互いが良く知っている友人同士との山もとても楽しい。またどこかに行くことを約束して帰
   途についた。


   菩提峠 7:53  二の塔 8:59  三の塔 9:19  烏尾山荘 9:55

   行者ヶ岳 10:33  新大日岳 11:32  三の塔 14:30  菩提峠 15:40


トップに戻る  山の花の道に戻る