至仏山


                          2019年10月7日


   Aさんから至仏山に連れて行ってくれと頼まれていた。天気とお互いの日程がかみ合わなか
 ったが7日に行こうということになった。この日の天気は晴れは期待できないが雨には降られ
 ないだろうということで決定した。ラグビー好きのたつさんにとってもRWCの試合がないこ
 の日は好都合だった。

  沼田ICに向かう車の中ではサモア戦などジャパンのラグビー談議に終始した。この日から鳩待峠への
 道が開通するということなので、途中で「満車」の情報があったが、何とか停められるだろうと行ってみ
 た。もう6時には一杯になっており、停められないという。仕方なく戸倉まで降りて乗り合いタクシーに
 乗って鳩待峠に行った。

     予定より1時間以上のロスだった。鳩待峠
  へは車で行ったことがなく、41台しか停め
  られないことを知らなかったのはこちらのミ
  スだ。

   曇り空で上空にはガスがかかっている。

   今日は、ここから山の鼻に降りてそこから
  至仏山に登って小至仏山を経由して鳩待峠に
  降りてくるルートだ。

   時間が時間なので早速歩き出す。

   時々ガスが薄くなって至仏山が見えるが、
  山頂周辺はずっとガスの中だ。
    鳩待峠登山口
       山の鼻への道は木の階段や木道が多く、と
    ころどころにゴム製のカバーがついていてそ
    こは滑ることはないが、木道は時々滑る。

     ここは周囲が自然林でとても素晴らしく、
    気持ちが良い。木々も紅葉しており、黄色、
    オレンジ、薄い黄色と色とりどりできれいだ。
  至仏山の稜線   
       木道は2本ついていて、右側通行になって
    いる。山の鼻方面から登ってくる登山者が多
    い。

     木道にも階段にも何年に設置したという東
    電のマークとともに焼き印が押されている。
    結構最近に設置しなおしたところが多く見ら
    れた。尾瀬の入山者は年間30万人を超える
    というから、こういう道の傷みも激しいのだ
    ろう。本当によく整備されていた。

     ハウチワカエデの黄緑と黄色とオレンジ、
    モミジの赤がきれいだった。
  黄葉の木々
 
  ハウチワカエデ モミジ
     川上川を渡ってすぐのところにマユミがた
  くさんの実をつけていた。まもなく山の鼻に
  到着。

   尾瀬ヶ原を少し見に行くことにした。今の
  時期は何といっても原の草紅葉だろう。ただ
  今日は曇り空のためややくすんだ色合いに見
  えた。

   また、燧ヶ岳も山頂部はガスがかかって見
  えなかった。

   山の鼻に戻って、至仏山に向かう。相変わ
  らず至仏上空は霧に覆われていた。
    マユミ
 
  尾瀬ヶ原の草紅葉
   
  至仏山を望む
     山の鼻付近でトリカブトの残り花が見られ
  た。

   至仏へ湿原を少し歩くが、ここで木道の改
  修が行われ、新しい木道の材料が置かれて設
  置の作業が行われていた。

   この湿原にオヤマリンドウの残り花が見ら
  れ、さらにイワショウブやワレモコウなどの
  枯れ花が見られた。

   たつさんが至仏山に来たのは7年ぶり。い
  つもは花の時期に来るので、草紅葉の時期は
  初めてである。
  トリカブト
 
  オヤマリンドウ イワショウブ
     湿原を過ぎていよいよ登りにかかる。

   昨日おそらく雨が降ったことと、山からと
  ころどころで染み出してくる水とで、ぬかる
  みが多いが、階段が多く設置されているので
  泥んこにはならなくて済む。

   森林限界が近づいてきて、黄色やオレンジ
  がきれいに見え、ドウダンツツジの真っ赤な
  紅葉がところどころで見られた。
  森林限界付近の黄葉
       1時間ほど登って、後方に尾瀬ヶ原が見え
    てきた。ちょうど原の大部分に薄日が差して
    いるらしく、そこだけ明るく見えていた。

     ベンチのところでお昼にする。
  ドウダンツツジ  
         蛇紋岩の岩場が出てくる。今日は岩は乾い
    ているのでさほどではないがそれでも滑らな
    いように気を付ける。

     蛇紋岩は堅いので、多くの登山者が歩いて
    いるためか表面がつるつるしている。山の鼻
    と至仏山の間は確か10年ほど前から下り禁
    止になっている。滑っての事故が多かったの
    だろう。

     岩場、階段と交互に現れ、Aさんが「階段
    はいいのだけれど、岩場は歩きにくくて遅く
    なる。」と言っていた。

     1900mくらいからあたりは霧になり、
    視界もなくなってきた。

     ところどころにタカネトウウチソウの残り
    花が見られ、多分タカネバラと思われるが赤
    い実をつけていた。
  尾瀬ヶ原   
 
  タカネトウウチソウ タカネバラの実
     蛇紋岩がかたまった至仏山らしい岩場が見
  えてきた。このあたりは夏であれば多くの花
  が見られるが、今はもう全くその影はない。

   その代わりにチングルマが赤く黄葉してい
  た。ただ綿毛はもうなかった。

   至仏山頂に着いた。山頂には人はだれもい
  なかった。この時間で山の鼻から登ってきた
  のはわれわれだけだったようだ。

   コーヒーを沸かして飲んで下山する。
  チングルマの紅葉
 
  蛇紋岩の岩場 山頂標識
 

 


    鳩待峠に向かう途中で登ってくる一人とすれ違った。下山中に二人の人を追い越したが、今回
   出会ったのは3人だった。眺望はダメだったが、静かな山歩きができた。


  鳩待峠 10:00  山の鼻 10:53  至仏山 13:44  鳩待峠 16:10



トップに戻る  山の花の道に戻る