仙丈ヶ岳


                        2017年8月24日〜25日


   長崎の友人Kさんは毎年アルプスの山にたつさんと登るのを楽しみに千葉に来る。今年は
 白馬岳に登りたいというので23日に八方に入った。23日の午前中まで山は大雨だったら
 しい。24日も朝は結構な雨。Kさんは中止にして帰ろうと言ったが、たつさんは何とかし
 てKさんの年一度の楽しみをかなえてあげようと考え、急きょ南アルプスに移動して仙丈ヶ
 岳に登ろうと思いついた。

  宿を5時半頃出発する。コンビニで朝食と翌日の昼食を買って安曇野ICから長野道、中央道を走って芦
 安の駐車場を目指す。たつさんが仙丈ヶ岳に最近登ったのは4年前なので、コースも時間も覚えている。途
 中で仙丈の宿を予約し、白馬岳の宿をキャンセルし、北沢峠へのバスの時間を調べる。今はこういうことが
 簡単にできるから便利だ。今日の昼食の食材を仕入れて芦安に向かった。

     広河原・北沢峠間のバスが一日4便なので、
  今日は広河原12:30の便に乗ることにし
  たがそれまでかなり時間がある。下にいても
  何もすることがないので、広河原まで行って
  ゆっくり昼食を作って食べることにした。

   また、翌日の北沢峠発のバスが9:45の
  次が13:30とかなり時間があるので、9
  時台の便に乗ることにし、小屋を朝食なしで
  早めに出ることにした。

   広河原でスパゲティーとリゾットを作って
  ゆっくり過ごして、北沢峠を13時に出発し
  た。
    カワラナデシコ
       馬の背ヒュッテに予約を入れたので、今日
    は大平山荘を経由して藪沢ルートを歩くこと
    にした。

     白馬岳から仙丈ヶ岳に急きょ転進したので
    地図など持っていない。ただここは何回か歩
    いているので問題ない。

     大平山荘付近でカワラナデシコやヨツバヒ
    ヨドリがまだ咲いていた。

     シラビソの林の中は気持ちがいい。藪沢を
    左岸にわたるころにダイモンジソウやミソガ
    ワソウ、ホソバトリカブトなどが見られた。
   ヨツバヒヨドリ  
 
   ミソガワソウ ホソバトリカブト
     北沢峠を出発したころは日差しは全くなか
  ったが、藪沢を左岸にわたるころには正面か
  ら時々太陽が顔をだした。

   ここの丸太を4本組み合わせた橋から鋸岳
  がくっきり見られた。

   ここからは馬の背ヒュッテまで花がたくさ
  んあるので、もう夏の終わりではあるが楽し
  みではある。

   近くにマルバギシギシがあった。少し休ん
  で左岸沿いの道を登る。ミヤマアキノキリン
  ソウ、シナノオトギリ、ヤマハハコ、タカネ
  グンナイフウロ、トモエシオガマ、マルバダ
  ケブキなどが見られた。
  マルバギシギシ
 
   シナノオトギリ ヤマハハコ
 
  トモエシオガマ マルバダケブキ
     藪沢の右岸は崖になっていて、ところどこ
  ろで水の流れがあり、2つほどそれが滝にな
  って流れている。滝に名前はついていないら
  しい。

   足場はザレ場が多く、歩きにくい。Kさん
  が息がしんどいらしく時々立ち止まっている。
   長崎ではかなりの頻度で山歩きをしている
  らしいが、いつもアタックザックなので荷物
  が重いことも影響しているのだろう。

   その後センジュガンピ、ミヤママンネング
  サ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、ソバナ、
  ハクサンフウロなどが見られた。
 
 
  センジュガンピ ミヤママンネングサ
 
  ソバナ ハクサンフウロ
     仙丈ヶ岳のもう一つのルートに北沢峠から
  小仙丈を越えて山頂に行く道があり、その五
  合目から藪沢ルートにつながる藪沢新道があ
  る。

   この道は仙丈ヶ岳に女性でも登れるように
  とつけられた道だそうだ。

   その出合付近にクルマユリが5株咲いてい
  た。

   ここから馬の背ヒュッテはひと登りだ。
    クルマユリ
 
    ヒュッテで受付をし、1泊2食で申し込んでいたのを夕食のみに変更する。

    荷物を整理し、更衣室で着替える。あーちゃんが10日ほど前に「GATZBY POWDER
   DEODORANT BODY PAPER」なるものを買ってきてくれた。ウェットティッシュ
   だ。今までは濡れタオルで拭いていたが、使ってみて汗はきれいに拭けるし、そのあとも全くベタ
   つかず爽やかだった。Kさんにも使うよう勧めたら、「これは優れものだね。帰ったらさっそく買
   おう。」

    夕食後外に出たら、甲斐駒が見えた。雲の切れるのを待ってシャッターを押した。

   
  甲斐駒ヶ岳
     寝る前には星がきれいに見えていたが起き
  た時にはガスっていて風もやや強かった。

   今日はここから朝食を摂る時間も含めて、
  普通に歩いて5時間で北沢峠に着くと判断し
  4時過ぎにヘッデンをつけて歩きだした。

   霧が出ていて風もある。さほど寒くはない。
  明るくなってカールの縁を歩いているが、カ
  ールは全く見えない。

   ウサギギクが咲いていた。
  ウサギギク
     ほかにイワツメクサやチシマギキョウなど
  があり、水場を過ぎて仙丈小屋に着いた。あ
  たりは霧の中。

   ここでコーヒーを沸かして朝食とした。

   こういう日にはライチョウが見られるかも
  と思ったが、結局目にすることはできなかっ
  た。

   山頂も視界ゼロ。写真を撮って下山を開始
  する。この標識も4年前はもっときれいだっ
  たが、色が褪せてきている。
    山頂標識 
     一瞬、カールと仙丈小屋が見えただけで、
  その後しばらく霧が覆っていた。

   トウヤクリンドウやチシマギキョウ、ミネ
  ウスユキソウ、イブキジャコウソウなどがま
  だ残っていた。

   チングルマの綿毛もたくさん見られた。
    一瞬見えた藪沢カール
 
  トウヤクリンドウ チシマギキョウ
        少し下ったら、ガスが切れてやや視界が開け
   てきた。

    小仙丈ははっきりと見え、たくさんの登山者
   が登ってくる。今週が夏休みの最後の週末だか
   らだろうか?

    鳳凰三山は見えてきたが、甲斐駒は頂上に雲
   がかかっていた。

    下る途中ではセリバシオガマがたくさん咲い
   ていた。
  ミネウスユキソウ  
 
   小仙丈 セリバシオガマ
 

 


    予定通りに出発から約5時間で北沢峠に着いて、9:45のバスに乗った。

    今回は白馬岳の予定が雨で断念せざるを得ず、そのままKさんを帰すには忍び難く、仙丈ヶ岳
   を思いついた。変更しても時間的には相当余裕があるので、こういうことができたが、Kさんの
   今年のアルプス登山の候補の山だったこともあって大満足の山旅だったようでよかった。


  北沢峠 13:00  藪沢左岸 14:36  馬の背ヒュッテ 16:02

  馬の背ヒュッテ 4:21  仙丈小屋 5:13  山頂 6:16  小仙丈 7:24

  五合目 8:03  北沢峠 9:27 


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