問題なく歩けた場合、帰りは北沢峠15時 半のバスなので、テントの撤収などの時間も 見込み早めにスタートする。 今日は花の多い薮沢新道を歩くことにする。 北沢峠を過ぎて大平山荘まで下るが、この林 の道にオオレイジンソウやミミコウモリ、ヨ ツバヒヨドリ、コバノイチヤクソウなどが咲 いていた。 |
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北沢峠にあった案内図 | ||
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ここから登りにかかる。 コイチヨウランがたくさん咲いている。こ れほどの量のコイチヨウランを見たのは初め て。キソチドリが少し見られ、コフタバラン ももう花は終わりかけだったが見られた。 ギンリョウソウがところどころで見られる。 コウシンヤマハッカがもう咲き始めていた。 |
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ヨツバヒヨドリ | ||
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ギンリョウソウ | コウシンヤマハッカ | |
右側に沢が確認できるようになる頃、左手 の山肌から水が染み出ているところが何箇所 か出てくる。そこにはクロクモソウや カイタカラコウが見られるようになった。 クロクモソウは地味な花であるが、陽がう まく当たるととてもきれいに見える。 ダイモンジソウも咲き始めていた。中には ピンク色の花も見られた。 |
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クロクモソウ | ||
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ほどなく薮沢を左岸に渡り、沢沿いの道を 歩くようになると、花の種類が俄然多くなっ てくる。 また上部ではまだ雪渓が残っているところ もある。 ヨツバシオガマ、シナノオトギリ、タカネグ ンナイフウロ、ミソガワソウなど新たに現われ る。 |
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ダイモンジソウ | ||
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ヨツバシオガマ | シナノオトギリ | |
シロバナヘビイチゴやミソガワソウ、カイ タカラコウなどが出てくる。 ミソガワソウは花を正面から見ると、とて も清楚な感じがする。今回じっくりと見てみ たが、この花の美しさを改めて知った。 きれいなクルマユリが2輪ほど咲いていた。 クルマユリそのものは珍しい花でもなく、全 国どこにでもある花だが、山の中でこのよう なオレンジ色に出会えるのは嬉しい。 |
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ミソガワソウ | ||
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カイタカラコウ | クルマユリ | |
ミヤママンネングサの鮮やかな黄色、タカ ネグンナイフウロの爽やかな紫、シナノキン バイの鮮烈な黄色が続く。 薮沢の上部はまだかなりの雪渓が残ってい る。 |
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ミヤママンネングサ | ||
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タカネグンナイフウロ | シナノキンバイ | |
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空は快晴だ! 沢筋では風もほとんどない。 尾根に飛び出しても風はなかった。 ここまではほぼ同じような勾配で登ってき ているが、あーちゃんの足は具合がよくない ようだ。そこで、薮沢小屋のルートから引き 返すことにした。 ただ、どうにも歩けない状態ではないので、 北沢峠でバスを待つ時間を減らしてその分、 花を見る時間に費やすのと馬の背ヒュッテで 休むことも入れてあと小一時間歩いてみるこ とにした。 花は、ミヤマハタザオ、トモエシオガマが 咲き始めており、イワオウギ、タカネナデシ コが見られた。 |
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薮沢上部に残る雪渓 | ||
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ミヤマハタザオ | トモエシオガマ | |
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イワオウギ | タカネナデシコ | |
ほかに、タカネヨモギやキバナノコマノツ メ、ヤマガラシなども咲いている。 雪渓際に近いところに、ハクサンイチゲも 一株あった。ハクサンフウロも少し見えてい る。 |
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ハクサンイチゲ | ||
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馬の背ヒュッテへの道に入ってすぐ、鹿の 食害から高山植物を守るためのネットが張ら れていた。 1998年のほぼ同じ頃、このあたりを歩 いたことがある。ガイドブックにはお花畑と なっていると書いてあったようだが、その当 時から花は少なかったと記憶している。 ここだけでなく、全国的に鹿が増えすぎて いる。鹿だけでなく猿も増えて高山植物を餌 にしている。個体数が増えると自然界のバラ ンスが崩れ、食物連鎖の下位にある植物が被 害を受けてしまう。 |
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ハクサンフウロ | ||
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ネットが張られてから4年が経過している。 鹿から守られている範囲には確かにハクサ ンフウロやウサギギクなどが咲いているが、 以前のような状態に果たして戻るのだろうか と心配になる。 馬の背ヒュッテでは、「仙丈小屋の水場が 枯れているのでここで補給してください。」 との親切な張り紙があった。聞いてみると2 週間ほど前に枯れたという。 |
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ニホンジカの防除柵 | ||
ここからウサギギクやツマトリソウの咲く 場所を通って、尾根に出る。 仙丈のカールが見えてきた。山頂に人の姿 が見え、大勢のツアー客らしき団体が仙丈小 屋方向から降りてくるのが見える。 ここ(2755m地点)で引き返すことに した。昨日登った甲斐駒ケ岳もきれいに見え ていた。 |
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仙丈ケ岳 | ||
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薮沢小屋の道は小さな流れがいくつも横切るので、そのたびにカイタカラコウやクロクモソウ、 モミジカラマツなどの花が見られる。 また鋸岳の荒々しい姿も見られ、小仙丈からの道に合流する。 その後、駒仙小屋のテン場でテントを回収して、13時のバスに乗って帰った。 テン場5:01 北沢峠5:12 五合目7:38 馬の背ヒュッテ8:00 2755m地点 8:26 テン場11:10 |
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