ニペソツ山


                          2014年6月2日


   ツクモグサの咲いている山の一つがニペソツである。一昨年、6月中旬にいい状態のツクモ
 グサを見たいと来てみた。ほかの山との関連でその時期にしたが、ニペのツクモグサは終りの
 状態だった。そこで今回は、あくまでもツクモグサ狙いでこの時期にした。



  去年、ニペソツは標高年(標高が2013mで西暦年と同じ)だったので、いつもの年より登山者は多かっ
 たようだ。この山は北海道内ではかなり人気の高い山でもある。その理由の一つが、北海道にある一般的な日
 帰りの登山者が登る山としては尖鋭的な形をしていること、また山全体が見えるのは3時間ほど歩いた後で、
 その現れ方が感動的であることではないかと思っている。今年のニペの情報は、ここにくるまでは先月25日
 のものしかなく、花は全く咲いていなかったというものだった。

     十六の沢の登山口には4時半頃ついた。
   早速入山者記録を見ると、5月31日に一
  人、6月1日に5人が書かれていた。そして
  この日、一人の入山者があった。

   前天狗の途中まで残雪で夏道はまだ出てい
  ないので、何人かのトレースが残っていると
  なるとありがたい。

   快晴で無風。準備して早速歩き出す。沢を
  渡ったすぐのところにムラサキヤシオツツジ
  が咲いており、足元にはミヤマスミレ、ウス
  バスミレ、ミツバオウレン、ヒメイチゲがわ
  ずかに咲いていた。
    ムラサキヤシオツツジ
       少しあるくとコミヤマカタバミが結構な数
    があったが、朝まだ早いため花は開いていな
    かった。帰りに撮った。

     ミズバショウも終わりに近い状態であった。
  ヒメイチゲ  
 
  コミヤマカタバミ ミズバショウ
     ここ2,3日、北海道は真夏のような天気
  だそうで、昨日道内に入ったが素晴らしい天
  気であるが気温も30度を超えていた。

   この陽気で花も一斉に開いたかなと思って
  いたがそうでもなかった。

   エンレイソウが一つ咲いていたが、ズダヤ
  クシュはまだ蕾。ツバメオモトもあったが、
  これもまだ蕾だった。
    ツバメオモト
     ところどころ夏道に雪が残り、小天狗手前
  の大きな岩辺りはかなりの残雪が北斜面にあ
  った。

   ここで少し休憩。ウペペサンケもくっきり
  見える。無風で静か。聞こえるのはウグイス
  とほかの鳥の声だけ。

   前天狗手前のピークはかなりの残雪で、休
  憩地点から1700mくらいまでは夏道は出
  ていないと考えられる。先行者や前日登った
  人のトレースが見えたのでそれを使わせても
  らえるので助かる。
    前天狗と手前のピーク 
     ハンノキとハイマツの道を超えると視界が
  開けてきて、石狩連峰の奥に旭岳が、そして
  トムラウシがくっきりとその姿を見せてくれ
  た。

   この辺りからは道上の雪は消えて夏道を歩
  くことになる。


  石狩連峰と奥に旭岳
       何という素晴らしい景色だ!!

     ここは何回も来ているが、最高の日和だ。

     花は、ハンノキの一部が咲き始めたほかは、
    ウラシマツツジがやっと咲き始め。咲き始め
    のウラシマツツジは、黄色が濃くてきれいだ。

     この辺りで見られるイワウメやミネズオウ
    はまだ全く咲いていない。
  トムラウシと右手忠別岳からの五色が原一帯
       ナキウサギの声もこの日は聞こえなかった。

     そして前天狗に出て、ニペが姿を現した。

     何しろこの日は北海道の全部の山が見えた
    ようなもの。小天狗からの下りで阿寒の山々
    が、この先からは十勝連峰が、また遠く日高
    山脈や札幌周辺の山々まで見渡す限りだった。
  ウラシマツツジ
 
   姿を見せたニペソツ山
       前天狗に着くと、20代と思われる女性が
    休んでいた。挨拶をし、少し話をしたら、何
    ともう山頂に登って戻ってきたところだとい
    う。凄い健脚だ。4時に登山口を出たという
    から、まだ4時間でここまで戻ってきている
    のだ。

     「花はありましたか?」とツクモグサのこ
    とは口に出さずに聞いてみたら、「全然咲い
    ていませんでした。」という。

     ちょっとがっかりしたが、この状況なら絶
    対ツクモグサは咲いているはずだ。そのうち
    の一か所は山頂から降りてきた人なら必ず見
    つけられる場所に咲いているからだ。
  十勝連峰   
     その女性は、「お先に。」と言って下山し
  てしまった。しばらく写真を撮りながら休憩
  する。

   そして、必ずいい状態で咲いているはずと
  いう確信をもって歩きだした。

   この辺りになんとエゾコザクラが一輪咲い
  ていた。またキバナシャクナゲはたくさんあ
  るがほとんどが蕾で、咲いているのは数輪し
  かなかった。
    エゾコザクラ
       天狗岳を巻いて一旦大きく下る。その付近
    に一つ目の咲いている場所があるが、たつさ
    んも見逃してしまった。

     ここは行きには見えにくいところにあるこ
    とも事実だが、ちょっとがっかりして、もう
    一か所山頂付近に行くことにした。

     ありました!

     咲き始めのツクモグサが!!
  キバナシャクナゲ  
 
  ツクモグサ ツクモグサ
     ニペソツで初めてツクモグサを目にしてか
  ら5年経ってようやく見ごろの花が見られた。

   山頂まではあとわずかではあるが、今回の
  目的を果たしたのでしばらくあたりを眺めて
  から、もう一か所を見るべく下山する。

   やはりきれいに咲いていた。道の両側にあ
  るので、片方は行きに見つけられたはずだっ
  たのに・・・と思いながら写真に写し、最高
  の気分で登山口に戻った。

    ツクモグサ
 

 


    前天狗で出合った女性が、花は咲いてなかったというのは、先を急ぐあまり足元を見ていなかった
   か、花にはあまり興味がなかったのかもしれない。

    ここのツクモグサは日当たりの良い場所にあるため、咲くのも早いが終わるのも早い気がしている。
   一般的にはこの花は6月中旬と言われているが、いい状態の花は5月下旬から6月上旬までのようだ。

    いずれにしても来る時期が予想とぴったりだったし、暑くはあったが最高の天気に恵まれたことに
   感謝。


    登山口 4:45  小天狗近くのピーク 6:35  前天狗 8:05  ニペ山頂手前

    9:40  前天狗 11:25  登山口 14:04



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